始めにお断りしておきますが、邪推です。
ノヴェライズ版『AGE』3巻、読中感想。
これって…つまり“ガンダム・ファン”に向けた小説なんじゃないか?
ガノタ…と迄は云い切らないけど、明らかにガンダム・ファンが書いた、ガンダム・ファン向けの小説。
「ガンダム小説なんだから、ガンダム・ファン向けでいーんじゃないの」
…というような意見が聞こえて来そうだが。
確かに企画モノというのは、そういう側面が厳然と在る。
だがしかし。
ガンダム、特にTV・MVアニメのガンダムは、常にジュヴナイルの王道<em>──</em>即ち不特定多数に向けた大衆娯楽であれ、と小生は断じている。
失敗例ばかりだがw
だから、アニメのノヴェライズ版にもそう志向して欲しいと願うのだ。
しかし、『AGE』小説は、そうではない。
ガンダム・ファンという特定層をターゲティングしていると思える。
ガノタウケを狙ってる…と書いた方が判り易いか。
1巻の時から何となく感じていた違和感の正体は、ソレだったのだ。
そして、ソレが3巻で形を成した。
劇中でヴェイガンのMSパイロットが吐く台詞、「死ねよや」。
小生の知る限り、これは日本語ではなく、富野節である。
出典は『ブレンパワード』。
この台詞が出て来る事は、一体何を意味するのか。
それは。
この小説が富野、延いては富野ガンダムを意識して書かれたものなのではないかという事だ。
(メガ粒子の存在だけだったら、単なるお遊びorオマージュと見過ごしていただろう)
“いかにもガンダムっぽい描写”。
一云で云うなら、それがこの小説には多く見られる。
この一云を因数分解すると<em>──</em>
富野ガンダムに、<u>U.C.特有の設定補完的な要素を盛り込んでいる</u>(いかにもガノタがやりそうな事ではないか)という事になる。
<strong>富野ガンダム小説のパクリ+α。
それが、ノヴェライズ版『AGE』の正体だと小生は思う。</strong>
気付くのに時間が掛かってしまったのは、パクリ元の富野ガンダム小説が余りに悪文であるのに対して、コチラはラノベとして非常に読み易く纏まっていた為だ。
云わば、デキの良いパクリ。
「富野の悪文を直して、独自に設定補完迄やってるなら、もうほぼオリジナルと云ってもいいんじゃね?」
…と云われれば、そうかも知れない。
ひとつの商品として、コンテンツとして、パッケージとして、この本が及第点に達している事は取り敢えず認めよう。
だがもうひとつ、更に指摘しておかねばならないのは、原作アニメの不出来を熟知した上で、“ガンダム・ファンにウケそうなモノ”を帰納的に構築している点だ。
こう書くと批難めいてしまうが、姑息というか性質が悪い…と正直思えてしまう。
だからといって、この小説を否定する気は毛頭無い。
確たる論拠がある訳でもないし。
楽しめる方には、思う存分楽しんで頂きたい。
でも、小生は、この違和感を今後も払拭出来ないだろうと思う。
そしてこの違和感がある限り、この小説は『ガンダムAGE』ではない、と小生は表明し続けるだろう。
ま、原作とノヴェライズが別物なんて、ガンダムじゃ珍しい事でも何でもないけどねw
でも諸手を挙げて評価するつもりもない。
特に、「アニメより小説の方が面白い」と単純に云う事は断じてない。
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