レコーダー導入したこともあって録画して観た。
気合入れて観たのは十数年振りだろうか。
今観ると、構成の甘さがすごくよくわかってしまった。
テンポの良さと裏腹に無理やりに流れる展開。
セリフの端折り方もそれに拍車をかけている。
その実に唐突な言葉のやり取りや、
いまひとつ盛り上がりに欠ける終盤に、
「あれ?」と疑問符が浮かぶことが少なくなかった。
宮崎はイメージボードを描き連ねて物語を作っていくのは有名だが、
それを実際の映像として落とし込んでいく作業の中では、
頭から順番に作り、終盤はその帳尻合わせで四苦八苦しているのだろう。
その歪みがはっきりわかってしまったように思う。
かつて「もののけ姫」で憤りを、「ハウル」で違和感を覚えたのだが、
その意味も同じことなのだろうと思った。
無論、ラピュタが駄作などとは言わない。
素晴らしき冒険活劇であると共に、細やかな描写もとても良い。
生活感溢れる画面作りで多くを語らずともキャラの中身がわかるし、
そのため、感情移入しやすく多少の難は気にならなくなる、とも言える。
ただ、その場面毎の魅力が全体の流れとしては上手く紡げていない。
特に、終盤はとても駆け足で非常に勿体無い。
「バルス」へ至るステップとして、城突入〜ラスト前辺りで、
シータとパズーのやり取りにもう一味付け加えてほしかったように思う。
以前の日記で、5段階評価で4とラピュタのことを評したことがあったが、
そのことの真意はここにあったのだなと自分自身理解できた。
ハウルが5点だったのはそれもハウルの魅力だと思っているから、かな。
、、、。
ラストシーンで、ラピュタは遥か上空へと昇っていくが、
それは存続なのだろうか、終末なのだろうか。
アリエッティを観たときにも感じた滅びへの階段というものを、
改めて思い知らされたような気分だった。
当時は、そんなこと少しも思わなかったのに、ワシも歳を取ったなあと、、、。
ついでに当時の思い出
ツレがレンタルしてきたとバイト先の小さなTVで数人で視聴。
ワシは「あのナウシカで有名になった宮崎か」ぐらいの心持ちだったのだが、
ものすごく満足できた。メンバー入れ替えの事もあって2回連続で観てしまったw
もちろん本編自体すごく面白かった。
だが、ワシの興奮の中心は金田作画であったw
竜の巣突入の瞬間、「!?」ものすごい感動が沸き上がった。
金田が担当していることは知らなかったのだが、観ればすぐわかる。
そして、幻魔の火竜のイメージと共に、ザンボット21話のあれが甦った。
竜の巣シーンだけで、もうワシにとっては名作認定だった。
本当に贅沢な時代だったなあと思う。
ログインしてコメントを確認・投稿する