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2011年10月07日23:23

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『世界を変える』なんてフレーズを真に受けて、本当に変えてしまった男の話。

『ジョブス・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ』ジョイ・エリオット著 読了。

たまたま、出たばかりのこの本を古本屋で
購入したその日に、ジョブスの訃報が届く、という
状況に遭遇してしまった為、即日読了。

ジョブスに一番近かった、という人間の描く
ジョブス像、は過度な美化も感じつつも
それでも補って余りある魅力、を十全に伝える
好著であった、と思う。

好んで喩えるのだが、アップルとマッキントッシュの
物語、というのは企業や優秀なプロダクトのそれではなく、
とてつもなく優秀で魅力的なロックバンドのそれと等しいと
個人的に思う。

ジョブスがミック・ジャガーで
ウォズがキース・リチャーズ。

そのような、神話の一種なのだ。
一企業人の死、では語り得ないのが
スティーブ・ジョブスの死であり、
生だったのだ。

そのような企業人は、恐らく今後も出てこない。

そもそも、企業人の目指す所ではないからだ。

IT、という正直鵺のような曖昧模糊とした存在の
黎明期に、このようなスターでありヒーロが産まれた、
という事が祝福される所以であろう。

ジョブスの経営や人生に見習う、などと云う本は
今までも出たし、今後はそれこそ雨後の筍の如く
現れるだろう。

だがしかし。

ミック・ジャガーの人生哲学が誰にも役に立たないように。

ジョブスのそれも、全くその読者たちの人生に
何の益も齎さず、ただ「面白い読み物」として
消費されていくだろう。

スティーブ・ジョブスは云わずと知れたビートルズの、
ジョン・レノンのファンであり、口癖は「想像してみなよ」
だったそうだ。

そして、彼はその通り世界が変わる様を想像し。

世界を変えてしまった。

真似るとか参考にするだとか、そういう次元には
いない人だったのだ。

そして。

そういう人と同時代を生きられる事に、
やはり幸福を感じざるを得ない。

ただなぁ。

やっぱ、早かったよ、うん。
ジョブスであれば、人生が続けば続く程、
世界を変革し続ける事が出来たろうに。
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