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2011年09月05日17:35

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スケッチブックの使い方−描いたり歩いたり、そしてまた描いたり−

目黒区美術館で開催中の『スケッチブックの使い方−描いたり歩いたり、そしてまた描いたり−』を見てきました。
チケットは、アンケートを書いたら当たりました。何回か目黒区美術館には行っていますが、初めて当たりました。前回のラファエル前派展。客が少なかったんだろうか??因みに2枚あったので、母も一緒。そして、母は、案の定、お腹が減り、喉が渇くのであった。

んで。今回の展示。小川千甕さんと澤部清五郎さんと言う2人の画家のスケッチブックを、目黒区美術館が所有してるので、それを見せてくれる・・って言う展示内容だったのですが・・・。
私、この2名の画家さん知りません(^_^;)。スミマセン・・・無知で・・・(-_-;)。その2人の画家の大正期〜戦後の昭和までに描かれたモノが中心です。

で。説明文によると、どちらの画家さんも浅井忠氏の聖護院洋画研究所に入所しているそうです。パリ留学などにも行っていて、千甕さんは。図案家になった後、南画風の絵を描くようになったりしたそうな。んで、澤部さんは、日本画もやっていて、西洋画に転進するも、後年、徐々に日本画に戻って行ったそうな。

で、スケッチブックなので、バラバラには出来ないので、ケースには、見開き1ページが展示され、その周りのパネルに、印刷された全部のページを貼り、スケッチブックの全部の絵が見られるようになっていた。あと、複製スケッチブックも作ってました。画像も使ってたな。面白い展示法だと思ったケド、コレ、苦肉の策なんでしょうね(^_^;)。だって、前述通り、スケッチブックをバラけさせられないし、かといって、見開き1ページだけ見られても仕方ないし。

澤部さんのスケッチブック。モノクロの素描に、色の指定などが書いてあったりしました。『しゅ』とかね。彩色出来ない場合、やる画家さん多いよね。青木繁もやっていた。
デッカイ亀のデッサンがあったり。前からのショット、裏側からのショット、横からのショットなどもあり楽しい。
ツメの部分のアップまで描いていて、細かいな・・と。
他、寝てる人の姿やら、ラクダやら、スゲエ細密に描いてるおじいさんの絵やら。犬かな?って思った絵もあるも、緑色で塗ってあって、怪物っぽい(^_^;)。
町のお祭りの風景のようなモノもあり、能装束ぽかったんだよな。能装束って分かるモノもあった。京都の研究所だったから、能が身近だったのかな?
あと、東福寺の山門って言うメモ書き付きデッサンもあった。

なんでも、研究所では、まず、石膏デッサンをやり、次に裸体、鉛筆の風景画。次に水彩・・と移って行ったそうです。動物園には、忠本人が引率したりしてたみたい。

澤部さんの他のスケッチ。弁天島、鹿島などの景勝地。馬の横からショット、後ろからショット、斜めからショット。水車小屋なども。『宝唐鞍』ってメモ書きされた彩色で描かれた鞍のデッサンが綺麗だった。細かい説明書きも沢山書いてあったなぁ。有名な鞍なのかな?

歌舞伎の絵があったのだが、『松助』の文字が。松助さんを描いたのかな?

小川さんの作品も見てみる。彩色してあるサンタクロース。クリスマスだったのかな?
あと、1枚の完成された絵葉書のような風景画が沢山展示してあった。3分の1が空の浜辺の絵や、浜辺に佇む日傘の女性の絵など。コレ、そのまま絵葉書として印刷して売れると思う。

他、何故か信号機のデッサンがあって、面白かった。大正時代に作られたらしい塔の絵もあったケド、この塔なんだろう?浅草にあった塔かな?とも思ったのだケド・・・。
能の一場面もあった。鬼(だと思うんだケド)と法師の絵。演目なんだろう??鬼と法師は、能じゃベタな設定よね?

サーカスのデッサンも多数残っていた。馬の背に乗る女性。曲馬団かな?と思う。サーカスって言うより「見世物小屋」っぽい感じかも。他の出し物は、女義太夫などがあった。観客の描写も緻密。
そして、コレ、おそらくお盆の風景だと思うんだケド。行灯。紙で出来た蓮華っぽい花。ホオズキ。まきのは・・など。

他、全部彩色されたスケッチブックもあった。風景は漁港などが多かった。他、神社だったり農村風景だったり。

富士登山もしていたのだが、どうやらデッサンとりながら富士山登っていたようです(てか、登山より、デッサンがメインなのでしょうね。こちらはモノクロ)。『九合目』って言う印が、スケブに押してあった。登山記念に押したんだね。

目黒不動もあった。コレは彩色。色紙のスケッチブックに描いてあって、コレ、面白かったな。元の紙が、青・ピンク・黄なの。清めの場の絵などがあった。

他、上海や、杭州に旅行に行った時に描いたものもあり。女性のヌードなどもあった。でも、私が気になったのは、細かいメモ書き。数字が沢山書いてあって、計算してるみたいなんだ。何だろう?支出帳代わりにしてたんでしょうか?

んで。澤部さんは、満州国の宮廷室内装飾に携わっていたりしていたようなのだが。
でも、デッサン帳には、檜垣(能よね?)のデッサンがあったり、お寺の門柱らしき彫り物のデッサンが細かく描いてあったり。
能の動きを追ったようなデッサンもあった。翁面を凄くマジメに描写してたり。
あと、パリ時代に描いたモノの中には、古代ギリシャの壷のような絵も。美術館で見たのかな?

他、クロッキーとしてダンサーや、ヌードデッサンなども沢山あった。画家は描いてないと下手になってしまうらしいので、クロッキーは、ガンガン描いてたみたい。

他、油彩作品や、水彩画の作品もあったのですが、私は『コルドバ』と言うタイトルがついた水彩画が好きでした。ちょっと師匠の浅井忠を思わせる水彩。エスニカルな建物に強い日差しが当たっている風景画。

小川さんは、パリから帰って農村風景などを多く描くようになったみたい。農村風景の作品が沢山あった。何でもパリに滞在してたら、日本の良さに気が付いて、原点回帰をしたらしい。
でも、私が好きだったのは、南国のような風景に仙人らしき人物がいる絵。ちょっとユーモラスです。

そんな感じのデッサン展。9月19日までやっています。

絵葉書。前述2名のは、絵葉書になっていなかったのですが・・・。
ここで、私が大好きな銅版画家の作品の絵葉書を見つける!
清原啓子さんと言う画家なのだが。
因みに、我が地元に『夢美術館』と言う美術館があるのですが、彼女の作品が沢山あります。何故なら、我が地元出身だから。回顧展もやって、画集もその美術館で出した。
でも、ポストカードがあんまりないのよ・・・。
何故かと言えば、おそらく、「気持ち悪い」からだと思うんだ。
幻想絵画に分類されると思うのだケド、絵がどうにも妙に気持ち悪い。ちょっとボスを思い出させる絵かな?とも思うも、それより、さらに感覚的でザラリと神経舐めれるような気持ち悪さ。
久生十蘭の小説がお好きだったりするようで、そんな幻想小説にも通じるような衒学的な感じ・・と言えば良いのか。この版画家さん超好きなのです。
その絵葉書が、地元ではなく、目黒区美術館で沢山買えるって言う、この不思議(^_^;)。銅版画だから、何枚か摺るだろうから、それで、目黒区美術館も所有してるんでしょうね。
目黒区美術館さん、彼女の絵葉書作ってくれて有難う!!しかも、私の大好きな『魔都』と言う絵の絵葉書もあった!!不思議な鳥さんが中央にいる魔都。
なので、彼女の絵葉書を5枚ほど購入しました。今度は、彼女の回顧展もやって下さい。

母が喉渇いたと言うので、目黒区美術館の喫茶スペースでお茶をする。マドレーヌ付きで250円。良心的ですな。
あと、「腹減った」と言うので、区民センターでご飯を食べた。区民ホールの対面にあるレストラン。区民ホールには何回も行ったケド(お笑いライブを良くやっていたのです)、このレストランに入ったのは初。味噌ラーメンを食べました。こちらもリースナブル価格。
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