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2011年06月09日17:58
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写楽
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東京国立博物館で開催中の『写楽』を見てきました。マイミクさんに、チケットを頂いたのです。マイミクさん、本当に有難うございますm(__)m。
いやぁ〜。混んでたぁ〜。近年、私が行った美術展の中では、ぶっちぎりの混みようでした。閉会間近だったから・・ってのもあるのでしょうが、やはりそこは「写楽」だからなのでしょう。スゲエなぁ〜。月岡芳年だと、こうはならない(^_^;)。
北斎展よりは、それでも少ないのかも知れなかったのだケド・・・。でも、私の体感だと、北斎展と良い勝負だった。
今回は、『写楽』が生涯・・って言っても、写楽って、10ヶ月しか活動してないんだケド(^_^;)・・・のほぼ全ての作品を集めたそうな。世界で１枚しかないモノも展示してあったらしい（私には、それがどれなのか分からなかったのだが・・・）。
音声ガイドを借りました。だって、春風亭昇太さんが、ナレーション担当だったんだもの・・・。でも、正直、歌舞伎に詳しい人は、借りなくても大丈夫だと思った（オイ）。絵の説明って言うより、「これは、お芝居のこの場面〜」みたいな説明が多かったから・・って、写楽は役者絵が主流だもんね。
でも、昇太さんが、蔦谷重三郎の手代さんになりきって喋るのは面白かった。
展示の仕方も結構工夫されてて、同時代の絵を並べて、どんな風に描かれ方が違うか・・みたいな企画もやっていた。例えば、三代目沢村宗十郎（当代きっての美男って言われた歌舞伎俳優）の大岸蔵人の絵を、春栄、豊国、写楽って並べて展示してあったりした。
私は、ぶっちゃけ、豊国の絵の方が、役者絵としては好きなんだが（美しいから）、確かに「じゃあ、どれが面白い？」って聞かれたら、「写楽だよなぁ〜」とも思った。
写楽って、良く「写実的」って言われるケド、で、おそらく、そうなのかも知れないケド、ちょっと「意地悪デフォルメ」をしてるよねぇ〜って思ってしまう(^_^;)。
本人が気にしてるであろう、ウケ口を強調して描いてみたりサ。歌舞伎俳優なんだから、相手は、綺麗に描いて欲しいはずじゃん。それなのに、何か、わざと、そういうコンプレックス的部分を強調して描いているようにも思えるんだ。「何か、ロートレックにも通じる、意地悪さ加減だな。」ってちょっと思ったりもした（笑）。
で、写楽の絵って、第１期〜第４期に分けられるらしいのですが、良く「写楽は第１期が１番良い」って言われるケド、コレは確かにそうかも知れない・・って思った。有名な黒雲母摺りの役者大首絵が、第１期ね。面白いし、恰好良い！
でも、私は、第２期も好きだったな。
では、まぁ、つらつら〜って紹介。
写楽さんって人は、1794年５月に、版元の蔦谷重三郎プロデュースの元、突如鮮烈なデビューを飾り、翌年正月まで活動し（正味10ヶ月）、その間に146図の絵を描き、忽然と姿を消す・・って言う、「ドラマかよ！」みたいな人なんでございます。なので「写楽って誰？」って言う話題は今でもされてて、「蔦谷重三郎本人じゃねえか？」とか「歌麿じゃねえか？」とか、有名戯作者が描いてたんじゃ？とか、もう、何か、色々意見が飛び交っているのですが、最近の調査では、おそらく、徳島の藩お抱えの能役者、斎藤十郎兵衛って言う人がそうじゃないか？って言う説が１番有力らしい。
能役者って、今で言う、公務員みたいな感じなのですが、何でも、10ヶ月拘束されて（藩お抱えだからね）、その後の10ヶ月お休み・・って言うルーティンワークだったらしいのだ。だから、そのお休み期間の10ヶ月で活動してたんじゃないか？ってコトみたい。
でも、不思議なのは、そういう本業絵師でもない絵の上手い人を、どうやって蔦谷さんは探してくるの？？
因みに。蔦谷重三郎さんは、吉原生まれ。粋なところで生まれてるのね。で、太田南畝などの当時の文化人とも交流があったらしい。だから、そういう人から「どこそこに、斎藤って言う能役者住んでるんだケド、絵が超上手いの！」とか、そういう情報を得ていたりしたのかな？コネクションがあったのは確かだろうし。
蔦谷さんは、他にも歌麿やら、無名の北斎などをメジャーにした、超敏腕プロデューサーでございます。
で、会場には、歌舞伎遊樂図屏風の展示などもあり、御高祖頭巾（なのかな？）を被った、若衆歌舞伎の説明もあった。若衆歌舞伎だから美少年歌舞伎ね。日本人のこの「美少年好き」なっ！もう、笑ってしまう。
写楽以前の役者絵もあった。
役者絵って、最初は、絵看板描いてた鳥居派が主流だったらしいのだが、その後、勝川派などが役者絵描くようになったらしいよ。
一筆斎文調の『山下京之助のうしろ面』。この絵面白い。役者の立ち姿なのだが。狐姿なのだ。面の方が人物で、コレが、山下さんなのだろう。山下さんが誰かイマイチ分からないのだが・・・(^_^;)（役者だろうな）。
で、何でも、役者絵って、最初は、立ち姿が主流だったのだが、勝川春好辺りから、大首絵を描くようになったらしい。春好の『三代目市川高麗蔵の平宗成』も大首絵。顔のアップのブロマイドって感じなんでしょうね。
流光斎如圭の『初代芳沢いろはの傾城吾妻』などは、理想化しないで、写実で描いているので、確かに、顔とか男っぽい。この辺り、写楽も影響されたんじゃないか？と言うコトらしい。
で、蔦谷さんプロデュースの他の人の錦絵もあった。喜多川歌麿の『歌撰恋之部 深く忍恋』。薄いピンクバックの雲母摺りなの。粋な長キセルの美女
。
で、私の好きな、おきたちゃん＆おひさちゃんの絵もあった〜！！！
歌麿の『高島おひさ』と『難波屋おきた』。所謂、看板娘を描いた絵。今で言うと「会いに行けるアイドルのＡＫＢ48」である。
色っぽい美少女だよねぇ〜。おきたちゃんもおひさちゃんも。おきたちゃんはお茶碗運んでる姿だった。あと、やっぱり、歌麿さん、絵、上手いやって思った（笑）。
栄松斎長喜『四季美人 雪中美人と下男』。コレ、おそらくドＭ男子垂涎だと思う。下男に美女が寄りかかってる・・と言うか、もう、何か体重かけていじめてるって言うか（笑）。艶っぽい絵なんだケド、構図が面白い〜。
で、ここからは、写楽の絵が一気に出てきます。摺りの違いなどが分かるように、同じ絵でも、後摺りと初摺りを並べたりしていた。
写楽が出てきた頃、和泉屋さんからは、歌川豊国。勝川派からは、春英が出てきて、役者絵大ブームが起こっていたそうな。でも、質素倹約の時代だったから、江戸三座が全部ひかえやぐらになって、歌舞伎興行としては大変でもあったらしい。
何でも、役者絵って、絵師は、役者に芝居の見所とか聞いて絵を描いていたそうだよ。
で、写楽の絵の特徴って、中心に人物を描かないで、前のめりだったり、反りを入れたりしてるらしい。
そう言えば、有名な『三代目大谷鬼次の江戸兵衛』は、前にのめってる感じだよね。
『天王子屋里虹（二代目山下金作の大内屋仲居ゑび蔵おかね 実は貞任女房岩手）』。この絵、『ぶらぶら美術・博物館』で、おぎやはぎ・矢作氏に「コレ、石塚さんですか？」って言われていたやつだ！確かに、ホンジャマカの石塚さんに似ている（笑）。
この金作さんて、60過ぎて娘役やったりして、江戸でかなり騒がれた人気者だったらしいよ。美男・・ではないと思うケド(^_^;)。愛嬌がある。
で、写楽デビュー作。都座、桐座、河原崎座の江戸三座に取材した雲母摺り28図。
黒に雲母乗せるって恰好良いよねぇ。目立つもん！メタリック。
『谷村虎蔵の鷲塚八平次』。コレ、服の色が違ってたり、初刷りと後刷りなのか、比較が出来た。あと、保存によって、退色しちゃって「色、全然違うね！」って言うのもあるのね。紫が茶色になってたり。
『初代尾上松助の松下造酒之進』。コレ、松って書いてある部分が、初摺りだと、緑が入ってて、ちゃんと読めないの。後摺りでは直したらしく、緑は乗ってない。クレーム来たのかな？「コレじゃ、松って読めねえだろう！」みたいな。
『花菖蒲文禄曾我』（所謂、曾我兄弟モノ）やら、『恋女房染分手綱』やらの役者絵ズラリ。でも、私が「ひゃっほ〜」だったのは、『義経千本桜』の『二代目沢村淀五郎の川連法眼と初代坂東善次の鬼佐渡坊』。四段目の吉野蔵の評定場面。吉野の山の僧侶が集まって、義経をかくまうかどうするか相談してるんだが、法眼は、本当は義経をもうかくまっちゃってる。でも、他の人の真意が知りたいから、「打つべきだ」って言うって言う場面。緊張感のある場面ですね。法眼は、ちょっとにらみをきかせて、「コイツの真意は・・・」って感じで坊を見てる。
『八代目森田勘弥の駕かき鶯の次郎作』。何か、次郎作困ってるような顔してるんだケド(^_^;)。
『初代中山富三郎の松下造酒之進娘宮ぎの』。何か全然美人じゃない、皮肉っぽい顔の宮ぎのちゃん。でも、面白いや。
第２期は、ガラリと変わって、全身像になります。
『篠塚浦右衛門の都座向上図』ってのがあったのだが、まぁ、都座の篠塚さんが紙持って口上やってるんだが、字が紙に書いてあって、それには『これから、新しい趣向の錦絵をご覧に入れますよ』みたいなコトが書いてあるらしい。プロデューサー蔦谷からのメッセージなんでしょうね。
『山科四郎十郎の名護屋三左衛門』。スゲエ意地悪そうな三左衛門さんだな・・・。
『三代目瀬川富三郎のけいせい遠山と初代市川栗蔵の義若丸』。傾城遠山の帯に隠れるようにかむろがいるの。可愛い〜。
『三代目大谷鬼次の川島治郎五郎と初代市川女男蔵の富田兵太郎』。コレ、鬼次と兵太郎の足が交差してるのだが、この交差が画面中央に来て恰好良いです。兵太郎は、少し身を屈めてポーズとっててそれも恰好良い。
コレ、ポストカード欲しい！って思ったら、何と、東博さん、今回、第１期しかポストカード作ってなかったって言う・・・(^_^;)。他、無視かいっ！！
第３期になると、背景も描かれ様式化しちゃうらしい。普通の浮世絵っぽくなっちゃった・・ってコトらしい。でも、『近江屋錦車』は、ちょっと１期っぽいかなぁ〜と思ったり。
あと、役者絵以外の相撲絵などもありました。
大童山って言う、何でも７歳で120ｃｍ70�圓△辰拭∋匐〜衙仄茲蠅�人気だったんだって。でも、実際取り組みはしないで、相撲のマスコットキャラっぽい扱いだったみたい。
喜多川歌麿の『大童山文五郎とおひさとおきた』が面白い。真ん中で大童山、おひさちゃんとおきたちゃん両脇にはべらしちゃって、お酒飲んでるの！「ＴＶ局の大物プロデューサーかっ！！」（爆笑）「コレ、いくらなんでもやり過ぎじゃねえか？」って思った（笑）。だって、７歳児だよ？酒飲まんでしょう？
まぁ、当時の人気者大集合ってコトなんでしょうね。
当時の人気女形の瀬川菊之丞を描いても、やっぱり、写楽のは何処か意地悪。皆綺麗に描くのに、写楽のは、デフォルメしてるように見える。
でも、それがおそらくこの絵師の面白さなんだろうなぁ〜って改めて思いました。
あと、当時の摺り師や掘り師の腕の良さね。神業ですは。
お土産は、ポストカード６枚。
で、写楽見た後、１時間じゃ、到底、常設は回りきれなかったよ・・・。でも意地で仏像と刀と絵は見てきた。あ、あと、尾形光琳の国宝の八橋を初めて見た！嬉しかった。
写楽展は、６月12日までやっています。歌舞伎好きな人は、かなり楽しいと思うよ。
いやぁ〜。混んでたぁ〜。近年、私が行った美術展の中では、ぶっちぎりの混みようでした。閉会間近だったから・・ってのもあるのでしょうが、やはりそこは「写楽」だからなのでしょう。スゲエなぁ〜。月岡芳年だと、こうはならない(^_^;)。
北斎展よりは、それでも少ないのかも知れなかったのだケド・・・。でも、私の体感だと、北斎展と良い勝負だった。
今回は、『写楽』が生涯・・って言っても、写楽って、10ヶ月しか活動してないんだケド(^_^;)・・・のほぼ全ての作品を集めたそうな。世界で１枚しかないモノも展示してあったらしい（私には、それがどれなのか分からなかったのだが・・・）。
音声ガイドを借りました。だって、春風亭昇太さんが、ナレーション担当だったんだもの・・・。でも、正直、歌舞伎に詳しい人は、借りなくても大丈夫だと思った（オイ）。絵の説明って言うより、「これは、お芝居のこの場面〜」みたいな説明が多かったから・・って、写楽は役者絵が主流だもんね。
でも、昇太さんが、蔦谷重三郎の手代さんになりきって喋るのは面白かった。
展示の仕方も結構工夫されてて、同時代の絵を並べて、どんな風に描かれ方が違うか・・みたいな企画もやっていた。例えば、三代目沢村宗十郎（当代きっての美男って言われた歌舞伎俳優）の大岸蔵人の絵を、春栄、豊国、写楽って並べて展示してあったりした。
私は、ぶっちゃけ、豊国の絵の方が、役者絵としては好きなんだが（美しいから）、確かに「じゃあ、どれが面白い？」って聞かれたら、「写楽だよなぁ〜」とも思った。
写楽って、良く「写実的」って言われるケド、で、おそらく、そうなのかも知れないケド、ちょっと「意地悪デフォルメ」をしてるよねぇ〜って思ってしまう(^_^;)。
本人が気にしてるであろう、ウケ口を強調して描いてみたりサ。歌舞伎俳優なんだから、相手は、綺麗に描いて欲しいはずじゃん。それなのに、何か、わざと、そういうコンプレックス的部分を強調して描いているようにも思えるんだ。「何か、ロートレックにも通じる、意地悪さ加減だな。」ってちょっと思ったりもした（笑）。
で、写楽の絵って、第１期〜第４期に分けられるらしいのですが、良く「写楽は第１期が１番良い」って言われるケド、コレは確かにそうかも知れない・・って思った。有名な黒雲母摺りの役者大首絵が、第１期ね。面白いし、恰好良い！
でも、私は、第２期も好きだったな。
では、まぁ、つらつら〜って紹介。
写楽さんって人は、1794年５月に、版元の蔦谷重三郎プロデュースの元、突如鮮烈なデビューを飾り、翌年正月まで活動し（正味10ヶ月）、その間に146図の絵を描き、忽然と姿を消す・・って言う、「ドラマかよ！」みたいな人なんでございます。なので「写楽って誰？」って言う話題は今でもされてて、「蔦谷重三郎本人じゃねえか？」とか「歌麿じゃねえか？」とか、有名戯作者が描いてたんじゃ？とか、もう、何か、色々意見が飛び交っているのですが、最近の調査では、おそらく、徳島の藩お抱えの能役者、斎藤十郎兵衛って言う人がそうじゃないか？って言う説が１番有力らしい。
能役者って、今で言う、公務員みたいな感じなのですが、何でも、10ヶ月拘束されて（藩お抱えだからね）、その後の10ヶ月お休み・・って言うルーティンワークだったらしいのだ。だから、そのお休み期間の10ヶ月で活動してたんじゃないか？ってコトみたい。
でも、不思議なのは、そういう本業絵師でもない絵の上手い人を、どうやって蔦谷さんは探してくるの？？
因みに。蔦谷重三郎さんは、吉原生まれ。粋なところで生まれてるのね。で、太田南畝などの当時の文化人とも交流があったらしい。だから、そういう人から「どこそこに、斎藤って言う能役者住んでるんだケド、絵が超上手いの！」とか、そういう情報を得ていたりしたのかな？コネクションがあったのは確かだろうし。
蔦谷さんは、他にも歌麿やら、無名の北斎などをメジャーにした、超敏腕プロデューサーでございます。
で、会場には、歌舞伎遊樂図屏風の展示などもあり、御高祖頭巾（なのかな？）を被った、若衆歌舞伎の説明もあった。若衆歌舞伎だから美少年歌舞伎ね。日本人のこの「美少年好き」なっ！もう、笑ってしまう。
写楽以前の役者絵もあった。
役者絵って、最初は、絵看板描いてた鳥居派が主流だったらしいのだが、その後、勝川派などが役者絵描くようになったらしいよ。
一筆斎文調の『山下京之助のうしろ面』。この絵面白い。役者の立ち姿なのだが。狐姿なのだ。面の方が人物で、コレが、山下さんなのだろう。山下さんが誰かイマイチ分からないのだが・・・(^_^;)（役者だろうな）。
で、何でも、役者絵って、最初は、立ち姿が主流だったのだが、勝川春好辺りから、大首絵を描くようになったらしい。春好の『三代目市川高麗蔵の平宗成』も大首絵。顔のアップのブロマイドって感じなんでしょうね。
流光斎如圭の『初代芳沢いろはの傾城吾妻』などは、理想化しないで、写実で描いているので、確かに、顔とか男っぽい。この辺り、写楽も影響されたんじゃないか？と言うコトらしい。
で、蔦谷さんプロデュースの他の人の錦絵もあった。喜多川歌麿の『歌撰恋之部 深く忍恋』。薄いピンクバックの雲母摺りなの。粋な長キセルの美女
。
で、私の好きな、おきたちゃん＆おひさちゃんの絵もあった〜！！！
歌麿の『高島おひさ』と『難波屋おきた』。所謂、看板娘を描いた絵。今で言うと「会いに行けるアイドルのＡＫＢ48」である。
色っぽい美少女だよねぇ〜。おきたちゃんもおひさちゃんも。おきたちゃんはお茶碗運んでる姿だった。あと、やっぱり、歌麿さん、絵、上手いやって思った（笑）。
栄松斎長喜『四季美人 雪中美人と下男』。コレ、おそらくドＭ男子垂涎だと思う。下男に美女が寄りかかってる・・と言うか、もう、何か体重かけていじめてるって言うか（笑）。艶っぽい絵なんだケド、構図が面白い〜。
で、ここからは、写楽の絵が一気に出てきます。摺りの違いなどが分かるように、同じ絵でも、後摺りと初摺りを並べたりしていた。
写楽が出てきた頃、和泉屋さんからは、歌川豊国。勝川派からは、春英が出てきて、役者絵大ブームが起こっていたそうな。でも、質素倹約の時代だったから、江戸三座が全部ひかえやぐらになって、歌舞伎興行としては大変でもあったらしい。
何でも、役者絵って、絵師は、役者に芝居の見所とか聞いて絵を描いていたそうだよ。
で、写楽の絵の特徴って、中心に人物を描かないで、前のめりだったり、反りを入れたりしてるらしい。
そう言えば、有名な『三代目大谷鬼次の江戸兵衛』は、前にのめってる感じだよね。
『天王子屋里虹（二代目山下金作の大内屋仲居ゑび蔵おかね 実は貞任女房岩手）』。この絵、『ぶらぶら美術・博物館』で、おぎやはぎ・矢作氏に「コレ、石塚さんですか？」って言われていたやつだ！確かに、ホンジャマカの石塚さんに似ている（笑）。
この金作さんて、60過ぎて娘役やったりして、江戸でかなり騒がれた人気者だったらしいよ。美男・・ではないと思うケド(^_^;)。愛嬌がある。
で、写楽デビュー作。都座、桐座、河原崎座の江戸三座に取材した雲母摺り28図。
黒に雲母乗せるって恰好良いよねぇ。目立つもん！メタリック。
『谷村虎蔵の鷲塚八平次』。コレ、服の色が違ってたり、初刷りと後刷りなのか、比較が出来た。あと、保存によって、退色しちゃって「色、全然違うね！」って言うのもあるのね。紫が茶色になってたり。
『初代尾上松助の松下造酒之進』。コレ、松って書いてある部分が、初摺りだと、緑が入ってて、ちゃんと読めないの。後摺りでは直したらしく、緑は乗ってない。クレーム来たのかな？「コレじゃ、松って読めねえだろう！」みたいな。
『花菖蒲文禄曾我』（所謂、曾我兄弟モノ）やら、『恋女房染分手綱』やらの役者絵ズラリ。でも、私が「ひゃっほ〜」だったのは、『義経千本桜』の『二代目沢村淀五郎の川連法眼と初代坂東善次の鬼佐渡坊』。四段目の吉野蔵の評定場面。吉野の山の僧侶が集まって、義経をかくまうかどうするか相談してるんだが、法眼は、本当は義経をもうかくまっちゃってる。でも、他の人の真意が知りたいから、「打つべきだ」って言うって言う場面。緊張感のある場面ですね。法眼は、ちょっとにらみをきかせて、「コイツの真意は・・・」って感じで坊を見てる。
『八代目森田勘弥の駕かき鶯の次郎作』。何か、次郎作困ってるような顔してるんだケド(^_^;)。
『初代中山富三郎の松下造酒之進娘宮ぎの』。何か全然美人じゃない、皮肉っぽい顔の宮ぎのちゃん。でも、面白いや。
第２期は、ガラリと変わって、全身像になります。
『篠塚浦右衛門の都座向上図』ってのがあったのだが、まぁ、都座の篠塚さんが紙持って口上やってるんだが、字が紙に書いてあって、それには『これから、新しい趣向の錦絵をご覧に入れますよ』みたいなコトが書いてあるらしい。プロデューサー蔦谷からのメッセージなんでしょうね。
『山科四郎十郎の名護屋三左衛門』。スゲエ意地悪そうな三左衛門さんだな・・・。
『三代目瀬川富三郎のけいせい遠山と初代市川栗蔵の義若丸』。傾城遠山の帯に隠れるようにかむろがいるの。可愛い〜。
『三代目大谷鬼次の川島治郎五郎と初代市川女男蔵の富田兵太郎』。コレ、鬼次と兵太郎の足が交差してるのだが、この交差が画面中央に来て恰好良いです。兵太郎は、少し身を屈めてポーズとっててそれも恰好良い。
コレ、ポストカード欲しい！って思ったら、何と、東博さん、今回、第１期しかポストカード作ってなかったって言う・・・(^_^;)。他、無視かいっ！！
第３期になると、背景も描かれ様式化しちゃうらしい。普通の浮世絵っぽくなっちゃった・・ってコトらしい。でも、『近江屋錦車』は、ちょっと１期っぽいかなぁ〜と思ったり。
あと、役者絵以外の相撲絵などもありました。
大童山って言う、何でも７歳で120ｃｍ70�圓△辰拭∋匐〜衙仄茲蠅�人気だったんだって。でも、実際取り組みはしないで、相撲のマスコットキャラっぽい扱いだったみたい。
喜多川歌麿の『大童山文五郎とおひさとおきた』が面白い。真ん中で大童山、おひさちゃんとおきたちゃん両脇にはべらしちゃって、お酒飲んでるの！「ＴＶ局の大物プロデューサーかっ！！」（爆笑）「コレ、いくらなんでもやり過ぎじゃねえか？」って思った（笑）。だって、７歳児だよ？酒飲まんでしょう？
まぁ、当時の人気者大集合ってコトなんでしょうね。
当時の人気女形の瀬川菊之丞を描いても、やっぱり、写楽のは何処か意地悪。皆綺麗に描くのに、写楽のは、デフォルメしてるように見える。
でも、それがおそらくこの絵師の面白さなんだろうなぁ〜って改めて思いました。
あと、当時の摺り師や掘り師の腕の良さね。神業ですは。
お土産は、ポストカード６枚。
で、写楽見た後、１時間じゃ、到底、常設は回りきれなかったよ・・・。でも意地で仏像と刀と絵は見てきた。あ、あと、尾形光琳の国宝の八橋を初めて見た！嬉しかった。
写楽展は、６月12日までやっています。歌舞伎好きな人は、かなり楽しいと思うよ。
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