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2011年03月17日20:14

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被曝について

○登場人物
偽上諦 ニセガミアキラ(以下:偽)
生半可な知識で、なんかそれっぽいことを知ったかぶりで解説。
としあき (以下:と)
東京在住で放射能が心配。

○概要
と 「東京が放射能でテラヤバス。
  でも、イソジン飲んでアルミホイル身体に巻けばイナフって聞いたけどマジ?」
偽 「全くの無意味と言えばウソになるけれど、オレならそんなことしないよ」
と 「ニセガミ解説キボンヌ」

○「そもそも、放射能って何よ?」
放射線、放射性同位元素、放射能、
この3つの単語はよく混同して使われているので、それぞれの意味を説明。

・放射線
実はかなり広義の言葉です。
光、つまり可視光って、波です。
波には波長があり、波長が長ければ赤色、波長が短ければ紫色に見えます。
そして、赤色よりも波長の長い波が赤外線であり、
もっと波長が長くなると遠赤外線となります。
逆に、紫色よりも波長が短い波が紫外線で、
紫外線の中でも特に波長が短く、電離のできる波長の波が電離放射線です。
「光が波ってのは高校の物理だよね。
 放射線も紫外線も光も赤外線も波長が違うたけで、
 波という意味においては同じものだってわかったけれど、
 電離放射線ってなにさ?」

・電離放射線
土も水も空気も、分子で出来ています。
分子は原子が集まったものです。
そして原子は、陽子と中性子でできた原子核の周りを電子が周回したものです。
「高校の化学だよね」
この、原子に放射線がぶつかると、電子が離れてしまいます。
「だから電離か」
光など普通の波当たっても電離は起こらないけれど、
波長の短い波が当たると電離が起こる。
この波長が短い波を電離放射線と呼び、
通常、放射線っていう時は、この電離放射線のことを示します。

・粒子線
放射線は波と言いましたが、
アルファ線、中性子線、ベータ線は粒なので粒子線です。
ただし、ぶつかると電離を起こすという意味では同様なので、
放射線として話を進めます。

・放射性同位元素
物質は全て原子で出来ており、酸素や炭素の違いは陽子の数で決まります。
「え、中性子は?」
実は、同じ元素でも中性子の数は異なります。
原子の中に中性子過剰にあると、
原子は不安定になので原子崩壊を行います。
つまり、放っておいたら原子核が勝手に壊れるということです。
この原子核が壊れた時に放射線が放出されるので、
放射性同位元素と呼びます。
例えば炭素でも、0.01%未満の極微量ながら、
原子崩壊するものがあります。

・放射能
放射性同位元素は原子崩壊を起こし、放射線を出す能力がある。
これが放射能です。
しかしニュースでは、放射性同位元素を含む埃や風雨などを放射能と呼んでいるようです。

・半減期
因みに、放射性同位元素は前述の通り、
放っておくと原子崩壊により減って行きます。
始めにあった量が半分になる時間、
それがその放射性同位元素の半減期です。
例えばヨウ素の同位体ヨウ素131の半減期は約8日。
つまり16日もすれば半分の半分で1/4になります。
またヨウ素129の半減期は約1500万年以上。
放射性同位元素によって半減期は様々です。

○「じゃあ、ヒバクって何よ?」
原子爆弾の強大な威力で被害を受けることが被爆で、
放射線を受けることが被曝です。
バクの偏が違い、「日暴」と「火暴」です

○「被曝して、何が問題なの?」
人体への被曝の影響を大きくわけて、確率的影響と確定的影響があります。
・確率的影響
人間の細胞の中にはDNAがあります。
これが細胞分裂して複製されることで、生命を維持しています。
「高校の生物だよね」
DNAは細胞内で水に浮いているのですが、
このDNAの周囲の水に放射線が当たると、
水の分子の中で電離が起こります。
この電離した水が活性酸素になり、
DNAに損傷を与え癌細胞になってしまいます。
「じゃあ、被曝したら癌になるじゃん」
ところが、DNAは多少傷ついても、
二重螺旋構造のため23時間で修復が開始します。
又、DNAが過度に損傷した場合細胞は癌化しますが、
癌化の原因は被曝だけではありません。
癌細胞の修繕修復は、
被曝をしなくても体内で絶え間なく行われているのです。

勿論、被曝によって癌になる可能性はゼロではありません。
被曝線量が増えると、将来、骨髄の癌である白血病などになる可能性は上がります。
だから確率的影響と呼びます。

・確定的影響
それに対し過度な被曝は確実に障害を与えます。
一昨日の「3号機付近で毎時400ミリシーベルトを観測」というのは誤報だったようですが、
このくらい多量の線量だと、確定的影響が生じます。
尚、粒子線では、DNAに直接損傷を与えることも起こります。

○被曝防護3原則
放射性物質は放射を出し続けているので、
長時間接するよりも短時間の方が被曝線量は減ります。
放射線物質から離れると、被曝線量は減ります。
遮蔽物が厚ければ、通過してくる線量も減るので被曝線量は減ります。
つまり、被曝線量を減らしましょうってことです。
「話を最初に戻し、
 コンクリートの壁を突き抜けてきた放射線が、
 アルミホイルを巻いたくらいで止まるわけ無いよね」

○「イソジンは何処からきた話なん?」
ヨウ素の放射性同位元素を、人体はヨウ素として扱い、甲状腺に蓄積します。
体内に取り込まれたヨウ素から被曝し続けたため、
チェルノブイリ原子力発電所事故の後、甲状腺癌が多発しました。
あらかじめ、体内を安全なヨウ素で満たせておけば、
放射性同位元素のヨウ素を摂取しても、
吸収せずに排出するという策があるようですが、
実際に行われた例は知らないです。

○「最後に、放射線は目に見えないから恐いって聞くけど?」
被曝は痛みも無く、知らない間に侵され、もし被曝に気付いても治療法が無い。
やはり、非常に恐い存在だと思います。
しかし現代では、放射線を測ることができます。
病原菌だって肉眼では見えないのだから、
被曝だけを過度に恐がるのでは無く、
ラジオやインターネットで正確な情報を得て、
状況に応じて迅速かつ冷静に対応することこそが大切です。



○ニセガミのガセ
被曝を現す単位として、
[Gy]グレイ 放射線のエネルギーの単位
[Sv]シーベルト 放射線と粒子線では人体における影響が異なることを加味した単位
現在この二つが使われています。

[Ci]キュリー [R]レントゲン [rad]ラド [rem]レム
これらは古い単位で、平成元年以降使われておりません。
「1万レントゲンが降り注ぎ、東京が壊滅の危機」
なんて書かれている記事は信憑性に欠けるよね。
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