いつになればぽっぴんＨへの愛が冷めるかな。
「ところで、まだわたしを好きなの？」
「心配になったー？ だいじょうぶだよー」
そうではなくて！ しかしわたしは続けた。
「いつまで？」
「ずーっとだよ」
どう切り出せばいいだろう、早く別のお相手をお探し下さいと。わりと切実。彼への同情票を募集します。５０票はカタイですね。
Ｋは頭が悪すぎる。読売新聞のオンライン版に、ぽっぴんちゃんが追っている情報があるとメールで知らせてきた。わたしはアクセスできる環境になく、該当箇所の印刷を頼んだ。「読売新聞の記事をプリントアウトして下さい」と。そうしたら、
「何月何日のどの記事でしょうか」
「その、○○に関する内容を」
１０分後。
「検索するといくつかありすが、どれでしょうか」
「あなたがさっき教えてくれた記事です」
「そういうことでしたらお安いご用です」
ん〜。よく仕事になりますね。職場の方がかわいそう。
久しぶりに会うと、印象が違う。アレンジ・ザビエル。別の床屋へ行ったらしい。つまり実家に帰った際に。ほぅ、本国の理髪店ですか。なんか変だけど所詮ザビエル。わたしは通販雑誌で、「ボリュームシャンプー」っていう商品を知った。Ｋに教えてあげなくちゃ。もう買って渡してしまおう。セットのコンディショナーも一緒に、ドイツから取り寄せてみるー。これで薄毛に希望の光。（票でなく）同情シャンプー３セット。ふさふさザビエル遠からじ。
ある晩、風呂上がりのさっぱりザビエル。
「ぽっぴんちゃんはどうするー？ 入っておいでよー」
「帰ります」
「え〜？！！（混乱）」
先にシャワーを浴びれば、女性は自分だけ汗っぽいのが恥ずかしく、急いで浴室に向かうものである。……そういうザビエル思考は通用しない。
「もうちょっといてもいいけどー１０分したら出ます」
わたしへの説得を試みたが成功には及ばず、がっくりうなだれながらＫは少ない髪にドライヤーを当ててセットする。完全に乾いてサラサラザビエルになるまで、２分もかからなかった！
ソファにちょこんと腰掛けるぽっぴんＨの正面にて、両手をやさしく握る。
「ねぇベッドに行こうよぅ」
「断ります」
「どうしたらベッドの方に来てくれるのー」
「あなたがソファに座ったら」
「意味ないじゃーん」
「何の」
「それはそのーォ」
「じゃ、そろそろ帰ります」
「え〜、ええー？！」
焦るザビエル、去るわたし。同情票、Ｋに１００票。
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