ぽっぴんＨの財政はやや潤っている。特に１月。働いた場合に得るお金（２万円〜２万５千円／月）の３倍をお年玉でもらうからだ。しかも今年はクリアランス・セールにも行かなかったし、両親はお年玉とは別に枕元にお札を置いてくれる。ＡＴＭに預けていないため、「貯金しすぎて生活に困窮」という事態も起きない。消費は食料品だけ。スターバックスでときどき散財するくらい。あとは病院のときの交通費をいくらか。医療費はおうちから。いつも多めに持たされる。したがってわたしのお金は貯まる一方である。
入院には全部の物を家から送った。向こうで調達することのないよう。着替えは元より、箱ティッシュ・ウェットティッシュ、入浴・洗面用品、おかし、本。途中、足りないものはおかーたまに電話して宅急便してもらった。ボディソープ、箱ティッシュ、霧吹き、果物、一味唐辛子・七味唐辛子、サプリメント各種。
コーヒーとジュースとお茶と水だけ毎日買った。無料の飲料水があることを知ってからは、水代も減った。売店ではお菓子を２回買う。でも余って結局持って帰った。
基本的に入院慣れしているので、必要なものとか完璧わかる。慌てない。ただ、湿度が低いのには焦った。おかーたまに相談したら狂ったように心配すると予想できたので、別の方法を考える。すなわち知人に、湿度計と加湿器を見舞い代わりに注文してもらい、届いた。ありがたやー。
わたしの顔を見るなり、母は厳しく問いただした。吹き出物だらけの理由である。ボディソープで顔を洗ったから。石鹸持ってかなかったの？！！ 一応あったけど、風呂場に持ち運びするのが面倒だった、移動の荷物は少ない方がよかった、だからボディソープ使った。……わたしは袋やかごに入れないで、シャンプー類と着替えをじかに手に掴み、部屋とを往復するのだった。
顔だけ洗面所で洗いなさいよ。だって男女共用だし、いつも誰かいた。え、部屋に洗面台ないのっ！？ うん、がっかりした。もしかしてシャワーもなかったの？ あるもんか。わたしのときの個室にはあった！ いくら？ １５,０００円。１日？ そう。何日いたの？ ２週間！ どこそれ。赤坂。いつ。２８年前。お金って大事ね。そうよ！ ……５,２５０円で贅沢気分を味わったのもなんか白ける。十分に高い気がしたのに。毎日毎日、入院費にプラス５,０００円ってことは。今回は１ヶ月で総費用は５０万円と少しくらいになった。治療の効果はなかった。
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