mixiユーザー(id:22359459)

日記一覧

 ビルの中は、縦ストライプの赤と銀とわずかな白の配色で、部屋番号がない。室数は100以上あるのに。通路に掲げられた案内図を頭に叩き込み、端から数えながら進むしかない。みな、何度もわからなくなって戻り、復唱しながら歩く。ドアの高さは3mにも達す

続きを読む

 B 28(夫)はまったく死ぬことを恐れず、人生に執着しなかった。それでもわたしと子供より先に死なねばならない現実を悲しんだ。わたしは「その感情には意味がない」と言った。どんな気持ちでいても人は、どうせ/必ず/誰しも/いずれ 死ぬのだから。臨終か

続きを読む

 わたしは営業時間が19時から20時の店を任された。場所は新橋の西エリア。売るものを自分で考える。調達も。はぁぁ〜ん? どう収益を出すんだ。定休日は土日。 月曜日はみたらしだんごを中心に追分の菓子を売った。火曜、とらやの生菓子。水曜、フロの

続きを読む

帰路を絶たれた夢
2012年04月16日00:17

 歩道橋の先にうちがある。階段を降りることなく、家につながる。2階が玄関だ。 橋はクリーム色で、いくつもの曲がり角を持つ。ところどころ、足元から人の肩や頭にも達する高さに渡って黒い塊が見えるが、形は流動的である。不気味。気持ち悪い。困った。

続きを読む

 わたし達は駅のホームに住んでいた。その地下鉄の乗り場は、白のタイルで覆われ、黄緑のラインが少し入って、利用者は本当に少なかった。いつも快適な温度であった。 家族より、もっとゆるやかな繋がりの人々かもしれない。5〜6人いた。毛布にくるまって

続きを読む

 案内者は遠くに離れて、ぽっぴんH達の監視を中断中だ。わたしは美人の肩を激しく叩いて耳に叫ぶ。「写真写真! 撮れ写真!」「えっ、なになに!」「あそこ、あれ“PAC3”、ほらパックスリーだから!」「えっ、爆睡、爆睡??!」「パッックスリーって! い

続きを読む

 3年前は元気だったから、わたしは“PAC3”を見たいと思って、行動した。案内してくれる人を捕まえた。前日の夜、たしか12時近くに、わたしは現場の下見に出かけ、多くの報道機関が詰め掛けているのを知った。 さて当日。わたしはいつもより6時間も早く起

続きを読む

24時間、一切飲食しない。その24時間のスタート時からさらに24時間、飲み物を控える。眠る時間を極力増やす。今、自分は「トイレに行かない24時間」を過ごしているのだと、よく自覚して忘れない。トイレに行くのがどれだけ面倒かということを否定しない。体を

続きを読む

遠い昔の泊まりの思い出
2012年04月06日22:31

 わたしは指定された場所に車を着けた。時間は「9時くらい。でもわからん」と言われていた。まだ10分あるけど。 夜9時の日本橋。わたしは車から降り、歩道から中が見えるそのオフィスに近づいた。通行人のふりをしながらふわふわと歩いた。すると男が床

続きを読む

 食卓でのミーティングが続行中である。弟「うどんができたら、そばもできるかもな」妹「うん」兄「やきそばはちょっと違うかな」弟「汁がないから簡単かも」妹「そうかも」兄「じゃあ『麺類』ってことだな」弟「やきそばさぁ、できるかもよ」妹「うん」弟「

続きを読む

 小学校4年のそのクラスでは、全員が夕飯の時間を訊かれた。家庭のしつけの度合いを探るこうした調査は、統計のためでなく、ただ担任の先生の関心によるものだ。今回は夕ごはんの「だいたいの」開始時刻。(データの欠損をハイフン記号で表す。理由はわたし

続きを読む

 10年使っています。愛着まみれの枕です。中の炭が出て、布団カバーが黒く染まって久しいけれど、それが何ですか? 枕カバーは、泣いたところがカビました。顔の近くの黄ばみも目立ちます。中身なんて、怖くて見ることが不可能です。知りたくありません。 

続きを読む