mixiユーザー(id:8306745)

2010年08月08日19:55

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灰はかなしい追憶のやうに

お仕事でふらふらと歩いていると、
ふいに植え込みに落ちていた土に
塗れた携帯電話を見つける。

ついと手に取り、ひっくり返してみると
そこにはボロボロに汚れたストラップと
色褪せきったプリクラが。

いいなぁ、こういう物悲しいの。

最早相当に時間を経ているようで、
起動は元より、電池等の機能も
雨や露汁で完全に停止しているようだ。

プリクラには学生らしき三人の男女の姿が
写っていた。

この子たちは今頃どうしているのだろう。

この頃の関係のままでいるだろうか。
もし、いなかったとしても。
この朽ち果てていくばかりの携帯電話の
裏側に貼られたプリクラで。

その関係は、今だ凍っている。

まるで童話の呪いのように。
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