お仕事でふらふらと歩いていると、
ふいに植え込みに落ちていた土に
塗れた携帯電話を見つける。
ついと手に取り、ひっくり返してみると
そこにはボロボロに汚れたストラップと
色褪せきったプリクラが。
いいなぁ、こういう物悲しいの。
最早相当に時間を経ているようで、
起動は元より、電池等の機能も
雨や露汁で完全に停止しているようだ。
プリクラには学生らしき三人の男女の姿が
写っていた。
この子たちは今頃どうしているのだろう。
この頃の関係のままでいるだろうか。
もし、いなかったとしても。
この朽ち果てていくばかりの携帯電話の
裏側に貼られたプリクラで。
その関係は、今だ凍っている。
まるで童話の呪いのように。
ログインしてコメントを確認・投稿する