二大怪獣、宵闇の決闘

なんてな。

疲れてんだよぅ。

いや、疲れてはいるがそれだけではない。

理由は明白だ。

年明けで同僚が異動になり。
彼のやってた仕事が全部俺が引き受ける事に。
増員はなし。

当然だ。

で。

引き継ぎで本日はずうっと彼と行動を
共にした訳だが。

問題があるのだよ。

彼は。

重度の腋臭なのだ。

要するに。

臭いのだ。

どうにもこうにも、臭いのだ。

分かっている分かっている。

人の身体的問題をあげつらうような事を
してはいかん。

だから、この二年以上席が隣同士でも
ひとっことも、誰にもこの事を云わなかった。

だが。

ついに最後だと思ったら。

そして、初めて終日一緒にいてみると。

我慢ならんのだ。

どうしても無愛想になる。
会話など最低限にしたい。
外ならばまだ外気で紛れるのだが、一歩室内などに
入ったら、すかさず『むわぁ〜〜〜ん』という
擬音と共に酸っぱい臭いが鼻に入る。

なんだか、こちらの体臭にも付きそうで
たまに大声で叫び出したくなる。

ああ、分かっている分かっている。

自分が今みっともない事を云っているのは。

だがなぁ。

いや、いいや。何でもない。

ちなみに引き継ぎは明後日までフルラウンド。

そして、今月末まで続く。

理性が保てるか否かが不安で仕方ない。

そんな不安に駆られたら、こんな妙な写真でも
撮ってしまうというもんだろ？

とりあえず。

生きて帰って来れますように。