カエルを水にいれて徐々に水温を高くしていくと、やがてカエルは茹であがります。逃げずに耐えてしまうので、耐えられない限界が来たときには既に逃げられなくなっているのです。
さて、日本の社会は原則として脱落者を出さないように相互フォローする仕組みになっています。逆に言えば、その限界を超えると一挙に脱落者が大量発生する仕組みになっています。限界に達していたときには既に彼らを救済する余力もほとんどありません。
「日本は豊かな国なのに、どうして敗者復活制度が発達してないのだろう」という意見を聞くたびに、「日本は、敗者復活制度が不要なほど豊かだったので、敗者復活制度が発達しなかったのだ」と思います。現在において、困難に直面している人たちをすべて救うのは不可能でしょう。
私たちは、戦後の最貧国だった時代のことをもう少しだけ勉強しておいた方がいいかも知れません。その上で、社会の仕組みというものを改めて考えるのが大事だと思います。
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