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2025年05月11日20:02

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名画と共に振り返る旧約聖書物語第2弾 神のお告げが下ったヤコブと兄イサウの物語 アラブ人の祖イシマエルについて 新教皇が選出される

     <名画と共に振り返る旧約聖書物語第2弾>

旧約聖書物語、第1回目は、天井の世界に送り出されたアダムとイブから、ノアの大洪水、イスラエル人を飢饉から救ったとされるヨセフまでの一連の流れを紹介した。今回、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の祖アブラハムの教えに立ち返っていく。時に名画を持ち出しながら、その次男の二人の息子であるヤコブとイサクの物語に迫る。

 第1弾 2025年4月22日付 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989829132&owner_id=32437106

<コンクラーベ選挙 第4回目で 267第教皇が選出される>

 関連日記 2021年10月31日付 コンクラーゲの起源となる14世紀の教皇のバビロンの補修を含む https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1980736367&owner_id=32437106

以下 写真掲載元 参考記事 NHK NEWS WEB 2025年5月9日10時17分付
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250509/k10014800461000.html

2025年4月21日に第266代フランシスコ教皇の死去に伴い、次の第267代を決める選挙コンクラーベが、5月7日に始まった。舞台はバチカン市国、教皇に次ぐ地位となる枢機卿133人が、会場のシスティーナ礼拝堂に入り、投票に関する秘密厳守を誓う。日本時間8日未明に、礼拝堂は閉ざされた。1回目の投票において、有効投票数の3分の2を上回る候補者は現れず、8日に行われる2回目へと持ち越された。人々が見守る中、午前中に行われた2回目の投票時、新教皇は選出されず、黒い煙が上がった。詳しい獲得票数については明らかにされない。全く展開が読めないまま、午後の3回目を経て、4回目に白煙が上がった。信者達から歓呼の声が上がる中、大聖堂から祝福の鐘が鳴った。
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 程なく、枢機卿団のプロトディアコノより、次期教皇に選ばれた枢機卿名と教皇名が明らかにされた。

 白煙が立って、1時間後のことである。日本時間5月9日午前2時過ぎ、大聖堂のバルコニーに姿を見せたのは、アメリカ出身のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿(69歳)だった。教皇名はレオ14世。アメリカ出身者としての選出は史上初である。

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2023年、司教の選出を担当するバチカンの司教省長官に任命され、フランシスコ前教皇によって枢機卿の座を与えられた。貧しい人々に寄り添い、移民にも寛容な姿勢で接したという。

 第277代となる新教皇レオ14世の出身国アメリカのメディアは、前フランシスコ教皇との違いも指摘する。プレボスト氏は、司教としてベルーで在任中に学校でのジェンダー教育に反対し、同性愛者に対しての理解も深くないと、報じた。

 ローマ教皇は、全14億人とされるキリスト教カトリックのトップとなる。神の下は平等の理念に従い、困った人々へ救いの手を差し伸べた。各地域で起こる紛争に際しては、平和へのメッセージを送り続けることにより、緊張の緩和に努めてきた。世界では2020年から2021年にかけてのコロナパンでミックを経て、大きく揺れ動いている。

   <旧約聖書物語>

・第5章 イスラム教の神イシュマエル
・第6章 ヤコブとエサウの物語
  (1) ヤコブ、兄エサウから長子権を奪う
(2) 苦難の生活を歩むヤコブ
(3) 故郷を目指す旅 
(4)兄弟の再会 和解へ


            第5章 イスラム教の神イシュマエル

ユダヤ教、イスラム教、キリスト教は、元は一つ、それぞれ天井の神様を信じる。ノアの代から10代目、アブラハムまでは共通する。ヘブライ語で多数の父という意味。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教を信仰する「啓典の民」の始祖。ノアの洪水後、神による人類救済の出発点として選ばれ祝福された最初の預言者。「信仰の父」とも呼ばれる。
以下 ウィキペディア アブラハムより

ユダヤ教の教義では全てのユダヤ人の、またイスラム教の教義では、ユダヤ人に加えて全てのアラブ人の系譜上の祖とされ、(ヤハウェ、ヤーウェなどと発音。日本語聖書では主に「主」と表記。ここでは最大公約数的に神と表記)の祝福も救いもアブラハム契約が前提になっている[1]。イスラム教ではイブラーヒーム(アラビア語: ابراهِيم, Ibrāhīm)と呼ばれ、ノア(ヌーフ)、モーセ(ムーサー)、イエス(イーサー)、ムハンマドと共に五大預言者のうちの一人とされる。キリスト教の正教会においてはアウラアムと称され、聖人に列せられている。

                          <引用終わり>

以下 サイト名「粋なカエサル」アラブ人の祖イシュマエルと「旧約聖書」2017年12月12日午前6時51分 https://julius-caesar1958.amebaownd.com/posts/3376000/



話は「旧約聖書」の信仰の父アブラハムまでさかのぼる。信仰心が篤いアブラハムとサラ夫婦は子宝に恵まれなかった。神からは「あなたを大いなる国民にし・・・あなたの子孫を大地の砂粒のようにする」(創世記 15章5ー7節)と約束された。子供ができないまま、月日を重ね、後継者が育たず、自分の代で途絶えることになる。女として最低限の役目を果たすべく、サラは妙案を思いついた。エジプト人の女奴隷ハガルをアブラムの側女にしたのである。ハガルはまだ若く、出産に適した体をしていた。奴隷のハガルから産まれた子供がイシュマエルだった。晴れて、子孫繁栄を約束されたアブラハムの後継者になる。妻のサラは、夫の望みを適え、一安心した。実のところ思いがけないことが起こった。サラ自身は高齢ながら身ごもったのである。自身が90歳、アブラハムは100歳だった。産まれた子供がイサクだったのである。長子権は、奴隷の血が入ったイシュマエルにある。サラは、自分の子供の行く末に不安を感じ、夫アブラハムに頼みごとをした。奴隷ハガルとその子イシュマエルを些細な口論をきっかけに、アブラハムに追放処分を出すように請願したのである。

 写真=名画「ハガルとイシュマエルを追放するアブラハム」グエルチーノ作 ブレラ美術館所蔵
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神は次の言葉を申した。
 「あの女(ハガル)の息子(イシュマエル)も一つの国民の父とする。彼もあなたの子であるからだ。」(創世記 21章 12−13節)
 
追放され荒れ野をさまよい、飢えと渇きにより、疲労困憊のハガルに、神の御使いが、ささやきかけた。
 「ハガルよ、どうしたのか。・・・あの子を抱き上げ、お前の腕でしっかり抱きしめてやりなさ
  い。わたしは、必ずあの子を大きな国民にする。」(創世記 21章 17−18節)
 
苦しみを抱えても、息子イシュマエルを見捨てなかった。ハガルの母性愛により、イシュマエルは順調に生育し、全アラブ人の祖先としてあがめられている。

キリスト教の聖典である聖書自身がイシュマエルを、「一つの国民の父」であり「大きな国民」の祖先と記している。蔑視したり、嫉んだりすることはない。ただし、アブラハムの愛し子としてイサクを重視する。ムスリムは一般に、キリスト教徒とユダヤ教徒を「啓典の民」と呼び、ほぼ同じ教えに従ってアブラハムの伝えたただ一人の神を崇拝(タウヒード)する人々とみなす。イシュマエルを「アブラハムの種」とであると言及し、神の正当な継承者と認めている。いわゆるアブラハムの後継者をめぐる違いから、イスラム教は、キリスト教徒とユダヤ教徒と分かれてしまった。元は一つの宗教、その原点に立ち返る日は、訪れていない。次にキリスト教とユダヤ教の祖、エサウとヤコブの兄弟の物語を紹介する。


 第6章 ヤコブとエサウの物語

 創世記の引用文 聖書研究 創世記42章 兄弟たちとの再会 2019年10月8日より
https://crossroads-church.jp/?p=4515

 鹿追キリスト教会 2020年8月27日より https://shikaoichurch.com/2020/03/11/settlement/

     (1)ヤコブ、兄エサウから長子権を奪う

神から子孫の繁栄を約束されたアブラハムから数えて3代目、ヤコブもまた数奇な運命を辿っていた。実兄のエサウとの長子権の争いから、恨みをかい、生まれ故郷のカナンを離れざるを得なかった。アブラハムのゆかりの地であるハランにて、羊飼いの少女ラケルと出会ったことをきっかけに、人生が左右される。澄んだまなざしでスカーフを被りながら、羊の群れを連れ歩く清楚な姿をしたラケルに一目ぼれをした。兄イサウを欺いて、長子の権利を得て、反感をくらい、流浪の身となった。孤独を抱える中、ラケルの澄んだ眼差しに希望を見出した。

エサウを瞞着した方法は、食べ物に由来する。生い立ちを遡ると、イサウとヤコブの兄弟は、父イサクと母リベカから産まれた。兄弟の性格は対照的、イサウはもっぱら狩人、対してヤコブは、農業従事者だった。同じ我が子とはいえ、父イサクは、血気盛んなイサウに目をかけていた。対して母リベカは、弟のヤコブへ思いを傾けていたのである。

写真=豆料理を作って長兄エサウを待ち受けるヤコブ 掲載元 聖書と歴史の学習館より
https://www.lets-bible.com/jacob/take.php
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夫のイサクは、年老いて目くらの状態で動けなかった。母リベカは、イサクの跡継ぎを次兄ヤコブとするように計らった。ヤコブも長子の特権を獲得するべく、リベカと協力して、芝居を演じる。兄のエサウが留守にしている間、弟ヤコブは、鍋に豆を入れて煮込み料理を作りながら、帰宅を待った。香ばしい匂いから、疲れている状態だと食欲をそそられる。エサウは、分けてくれと、お願いする。ヤコブとリベカの展開どおりだった。そこでヤコブは、具をかき混ぜながら、その代わり、長子の権利をくれないか、と頼んだ。エサウは、料理に目を奪われ、承諾した。長子には、先祖アブラハムから与えられた神の子としての特権がある(創世記12:2-3、15:1)つまり、エサウは、目の前のえさに釣られて、放棄してしまったのである。後先ない父からの2倍の財産権も長子が引き継ぐ。父イサクは、目が見えない状態では、息子二人を判別できない。次兄ヤコブを前に、祝福をしたのである。エサウは、全てを知り、自分を出しぬいた弟ヤコブに憎悪の念を抱く。ヤコブは、殺気立つ兄エサウから逃れるべく、カナンを離れた。一転して先が見えない中でも、神から「子孫繁栄を約束する」お告げがあった。自分には神がついてくれている。祖父アブラハムのゆかりの地で、一目ぼれしたラケルと共に歩みたかった。

写真=ラケルに一目ぼれするヤコブ 作品名「ヤコブとラケルの出会い」1853年 ウィリアム・ダイス作 出展西洋絵画公式Xより
https://x.com/koni_art/status/1620365522826051585
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         (2)苦難の生活を歩むヤコブ

そのラケルの父親ラバンから、7年働いたら嫁がせるとの約束を戴いたのである。身を粉にして働き、7年目で村人を呼んで婚姻式を開いた。ただし、連れてこられたのは、ラケルの姉である「レア」だった。父親のラバンによると、長女より先に次女であるラケルを嫁がせてはならないとの仕来りがあると、説き伏せた。ラケルと婚姻関係を結ぶには、7年の追加労働が必要だった。ラケルを諦めきれず、ラバンの下で14年費やした。主人であるラバンに使えること14年、転機が訪れた。


 写真=レアとラケルのイメージ画 掲載元 january http://koshigaya.m24.coreserver.jp/kisetsu/jan05/jan05.htm
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レアとラケルの姉妹を娶ったヤコブは、子宝にも恵まれた。その背景には、姉妹ならではの、レアとラケルの歪な感情から引き起こされた。レアは、どういうわけか、4人の子供を産み、夫ヤコブに父親の権利を与えた。対照的にヤコブが目をかけていいたラケルは、子供に恵まれなかったのである。姉のレアに蔑まれたことで、計略を練る。女奴隷を夫の下へ生かせて、妊娠を期待した。見込み通り、奴隷から赤ちゃんが産まれると、ラケルは、主人の特権として取り上げる。レアに、自分もようやく子供に恵まれたと、主張したのである。レアは、ラケルの腹の内を見透かしていた。自分はもう5人目の子供を産むことはできない。同じ手法で女奴隷を夫ヤコブの下へやり、妊娠させ、産まれてくると、自分の子供だと宣した。従って、ヤコブの子供の中には、奴隷の血が混じっていることになる。姉妹は子供を残すことが、女の成果だと決め込んでいた。女奴隷に子供を産ませて手柄を上げようとしたラケルだったが、ついに自らも妊娠したのである。最初の子がヨセフ、その次の子がベニヤミンだった。レアとラケルの姉妹、それぞれ使用した女奴隷2名を含め、4人の女性から12人の子供が生まれた。その12人が、イスラエルの部族長となった。いわゆる「イスラエル十二支族」である。

 レアの子、ルベン、シメオン、レビ、 ユダ、イッサカル、ゼブルンである。
 ラケル子、ヨセフとベニヤミン。
 ラケルの女奴隷ビルハの子は ダンと ナフタリ
 レアの女奴隷ジルパの子はガド とアシェル

  愛するラケルが、初めてヨセフを産んだ際、ヤコブの心境にも変化が起きた。兄エサウから逃れた身でありながら、カナンへ帰郷への思いが募ったのである。既にハランの地に着いて21年が立っていた。

 自分は、神のお告げがあり、ラバンの下でつらい労働にも耐え抜いた。長兄エサウを欺いたことによる報いを受けたのである。

 (3)故郷を目指す旅 

 以下 ハランから離れるヤコブについて 水戸無教会聖書集会 2000/04/02
旧約聖書の旅「創世記」第24回「ラバンとの駆け引き」(小山哲司)


出エジプト記21章の一節からヤコブの境遇を考察できる。

 あなたがヘブライ人である奴隷を買うならば、彼は六年間奴隷として働かねばならないが、七年目には無償で自由の身となることが出来る。もし、彼が独身で来た場合は、独身で去らねばならない。彼が妻帯者であった場合は、その妻も共に去ることが出来る。主人が彼に妻を与えて、息子あるいは娘を設けた場合は、その妻と子供は主人に属し、彼は独身で去らねばならない。(出エジプト記21章2〜4節)

 以下 ハランから妻子と共に離れるヤコブ 掲載元 Bible Gateway 創世記31より
https://www.biblegateway.com/passage/?search=%E5%89%B5%E4%B8%96%E8%A8%98%2031&version=JLB

ラバン自身は、財産を預かっているヤコブを次第にねたましくおもっていた。ラバンの息子、つまりヤコブの義兄弟は、父の財産をくすねていると、嫉んでいた。

ヤコブ自身も、奴隷のように扱っていたヤコブに対して用済みだった。頃合を見計らって、ヤコブに対して、帰郷をうながしたのである。しきたりに従えば、家畜ばかりか、妻や子も置いて離れなければならない。せっかく培った家族と共に歩む決意を固めていた。レアとラケルを呼び、ささやいた。夢の中では、家畜の交尾期に しまや、ぶちのある雄やぎを白い雌といっしょにさせろ、と神様からお告げが下ったとのことである。

 レアとラケルの二人の妻は、ヤコブに従った。自分らは父から売られた身で、財産の相続権はない。つまり思い起こすことは何もない、とヤコブに付いていく意思を示したのである。

写真=脱出するヤコブ一行 Jacob's Flight/ヤコブの脱出
1829 illustration by Julius Schnorr von Carolsfeld
次の写真と共に掲載元 聖書と歴史の学習館 ハランからの脱出 ヤコブとラバンの和解より
https://www.lets-bible.com/jacob/flight.php
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 義父ラバンが羊の毛刈りで忙しい頃を見計らって、ヤコブは2人の妻と子供らと脱出した。ラバンといえば、ヤコブを監視しながらも距離をとっていた。実に狡猾でヤコブを配下に置くべく、家畜の数を実質制御するように仕向けたのである。「雄やぎのしまのあるもの、まだらのもの、すべて雌やぎのぶちのもの、まだらのもの、すべて白みをおびているもの、またすべて小羊の中の黒いものを移して子らの手にわたし」
(創世記30章:35)


つまり生まれてくるヤコブの家畜を、全て3日移動しなければ到達できない場所へ移したのである。

「ヤコブとの間に三日路の隔たりを設けた」
(創世記30章:36)

ラバンの思惑通りにはいかず、ヤコブの下には不思議も家畜数が増加していた。仇となったのは叔父ラバンの方だった。ヤコブを陥れるため、3日かかる距離に家畜を集めて暮らしていた。ヤコブがこっそり逃亡しても、簡単に気付かない。監視役が逃亡の瞬間を目撃して、ラバンの下へ向い、現地に急行するまで、3日の距離を往復、つまり6日も要している。追跡部隊を派遣するまでさらに日数がかかる。

 ヤコブ一行は、ユーフラテス川を越えて、ギルアデにたどり着いた。ラバンの方は、使いから報告を受けて、3日の距離を往復して6日、さらに7日かかり、ギルアデに入り、一向の前に立ちふさがった。すでに13日を費やしていた。

詳細 ラバンの逃亡劇 今日の御言葉 2023年11月1日ヤコブ対ラバン(5)
https://mikotoba.org/?p=9231

 
ラバンは、ヤコブの予想に反して寛容だった。黙って抜け出したことをとがめなかったのである。実のところヤコブの行方が見えてきた中で、夢の中で神からのお告げが下った。

「しかし、神は夜の夢にアラムびとラバンに現れて言われた、『あなたは心してヤコブに、よしあしを言ってはなりません』 」
(創世記31:24)

 ラバンは、対等にヤコブに接した。正直に目的を伝える。次女であるラケルが、守り神テラフィムの像を引きさらったので、取り返す必要性があったと、真摯に語った。ラケルには身に覚えがないと、実の父に訴える。実のところラクダの鞍の下にこっそりと自分の天幕から移したのである。ヤコブは、妻の言葉を信じ、身の潔白を証明するため、自分らが野営するテントの中まで確認させた。探していた守り神の像は出てこなかった。ラケルは、馬の鞍に座ったまま動かずに、成り行きを見守っていた。生理中で身動きが取れない旨を伝えていた。さすがに父ラバンは、娘の言葉を疑うことはなかった。実のところ守り神の像テラフィムは財産権の付与を証明する。ヤコブの身を思い、隠し通したのである。ヤコブは、晴れて、直接義父のラバンに、訴えることができる。20年間懸命に働き、妻と子を養い、家畜を大切に守ったと主張した。義父ラバンは、2人の娘や孫、家畜も自分の財産だと、現実を突きつける。主人目線に立てば、ヤコブは雇われ労働者に過ぎない。ただしラバンは、ヤコブとの間で折り合いをつけた。契約を結ぼうと呼びかけたのである。その印としてヤコブは石を一つ立て、記念碑とした。 ラバンの方は、召使に石を集めさせて塚を築く。「証拠の塚」と名づけ、その契りとして、食事をして、最後の別れをする。ラバンの国のことばでは「エガル・サハドタ」、ヤコブの国のことばでは「ガルエデ」という。また、 ミツパ〔「見張りの塔」の意〕とも呼ばれた。もしどちらかが誓いを破ったら、アブラハムとナホルの神、その父祖の神に訴えよう。その者は滅ぼされる。」

写真=証拠の塚 The Heap of Witness/証拠の塚
Illustrators of the 1890 Holman Bible
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そこでヤコブも、父親イサクの信じる偉大な神の前で、境界線を尊重すると堅く約束しまた。
別れは切なかった。ヤコブには労役から解放された喜びと、義父との熱い信頼関係を築き、達成感にも包まれていた。恐れることはなかった。兄エサウから身を守るため、カナンから逃れた際、神のお告げを聞いた。もはや怖いものなどない。事前にエサウには帰郷することを知らせていた。エサウは、400人の者を引き連れて待ち構える(創世記32章)「おまえはおのれの剣によって生き・・」(創世記27:40)と、自負していた。


(4)兄弟の再会 和解へ

 ヤコブは、ほぼ丸腰だった。時がたっても、自分を迎え入れてくれない。自分はともかく、妻子を受け入れてくれるか、疑念はぬぐえなかった。 隊列を二組に分け、愛する妻ラケルと最愛の子ヨセフを列の最後尾に置いた(創世記33章、1,2節)

 兄にもひれ伏し、つつましい態度をとった。ラバンの下で20年働いたヤコブは、無欲で、どんな人にも丁寧にもてなした。兄イサウには最大限の敬意を表し、家畜も沢山差し出した。ヤコブが、ハランの地で過ごした20年、長兄エサウについて、聖書において語られていない。エサウは、カナンへ戻ってきたヤコブを受け入れ、その妻と子らを歓迎した。

 写真=作品名ヤコブとエサウの和解 作者 ピーター・パウル・ルーベンス 1624年
掲載元 feel the art https://app.fta.art/ja/artwork/8f1c9f6e34f5c89ecd94588ceacab3cce419e48f
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 以下 要約 日本キリスト教会 秋田教会 2023年1月15日 投稿者: AKITAKYOUKAI
2023年1月15日(日) 秋田教会主日礼拝説教(駒井利則牧師)
聖 書:創世記33章1〜20節
    ルカによる福音書15章11〜24節
説教題:「ヤコブとエサウの再会」
https://akitakyoukai.chu.jp/2023/01/15/%EF%BC%91%E6%9C%8815%E6%97%A5%E8%AA%AC%E6%95%99%E3%80%8C%E3%83%A4%E3%82%B3%E3%83%96%E3%81%A8%E3%82%A8%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%81%AE%E5%86%8D%E4%BC%9A%E3%80%8D/

神に選ばれたヤコブと、長兄エサウとは、別々の道を歩んだ(創世記33章12節)。二人が和解した場所は、ヨルダン川東側のヤボク川を渡ったペヌエルと呼ばれるにいたった。32章4節によると、兄エサウは、塩の海(死海)の南、セイル地方のエドムに住居を構えた。12節の記述に基づくと、エサウはセイル地方にヤコブ一家を招いたものの、断りの返事がきたようである。15節によると、エサウは自分の一族の複数人を道案内のために残しておく提案をしていた。ヤコブは、兄からの善意の徴と受け取っていたものの、距距離を置きたかったようである。16節には、「エサウは、その日セイルへの道を帰って行った」と記されている。

 エサウとヤコブの誕生の時から、神により、運命が定められていた。すなわち、25章23節の母リベカが聞いた神の言葉である。「二つの国民があなたの胎内に宿っており、二つの民があなたの腹の内で別れて争っている。一つの民が他の民よりも強くなり、兄が弟に仕えるようになる」。

弟ヤコブが神に選ばれ、契約者を意味するイスラエルの民となった。兄のエサウはのちのに現れるエドム人の祖となる。

 写真=ヤコブの遍歴 掲載元 牧師の書斎 36. ヤコブのペニエル経験
http://meigata-bokushin.secret.jp/index.php?%E3%83%A4%E3%82%B3%E3%83%96%E3%81%AE%E3%83%9A%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AB%E7%B5%8C%E9%A8%93
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 弟ヤコブは17節によれば、和解した兄と別れると、ヤボク川の近くのスコテに一端落ち着いた。18節以下によれば、ヨルダン川を渡ってカナンの地に入り、シェケムに定住する。【18〜20節】。創世記12章6節によると、シェケムはアブラハムが神に導かれてカナンに入った最初の土地だった。アブラハムは「この地をあなたの子孫に与える」との神の約束のみ言葉を聞いた。ヤコブは、アブラハムが神から与えられた土地の一部を買い取った。祭壇を築き上げ、「エル・エロヘ・イスラエル」と呼んだ。「神・イスラエルの神」の意味を成した。ヤコブは、神に選ばれた者として、エサウとは一緒に歩めなかったのである。生涯に渡って、礼拝をし続け、神のお告げを聞き、全うに地上での暮らしを歩んだ。

                     <終わり>

 兄弟は、小さい頃、互いに遊び相手となり、友情によって結ばれる。成長するにつれ、遺産を含め、権利の座をめぐって、ライバルへと成り代わる。エサウとヤコブも、互いに協力関係を築きながら、家督権の奪い合いにより、仲たがいした。20年の時を経て、帰郷したヤコブを、エサウは受け入れ、互いに干渉せず、別々の場所で暮らした。次回に紹介するヨセフもまた兄弟とのいがみあいにより、数奇な運命を辿った。我々人の心を読み解くうえで、聖書は、実に教本として使用できる。時を経てもなお、アブラハムの三代宗教の思想に大きな影響を与えている。


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