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2022年04月12日00:06

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ウクライナを支援するアノニマス諸君へ

ロシアのサイバー攻撃、ヨーロッパ全域の衛星モデムやドイツの風力発電2000基を監視不能に
2022年4月11日(月)18時00分
青葉やまと

<ロシアからとみられるサイバー攻撃を受け、ウクライナ周辺で衛星通信が遮断。発電施設の監視が行えないなど、現在も影響が続く>

ウクライナ侵攻当日、ロシア軍が米Viasat社の通信衛星網をハッキングしていた可能性があることがわかった。ロシアの軍事諜報機関「GRU」がサイバー攻撃を主導し、ウクライナおよび欧州で展開する衛星通信サービスを妨害したとみられる。

影響範囲はウクライナだけで数千件、その他ヨーロッパ地域を含めると数万件規模にのぼる。発電施設などの社会インフラや一般家庭など広い範囲で通信が断たれており、現在もヨーロッパの一部では重要施設の稼働状況の監視に支障が出ている。


この攻撃では、衛星通信の利用に必要な通信機器に対し、「ワイパー」と呼ばれるデータ消去ソフトが仕掛けられた。衛星本体は被害を免れたものの、企業や家庭などで衛星通信を利用するためのモデムが攻撃され、結果として数万ヶ所で衛星通信が利用できなくなっている。攻撃を受けたモデムとは、いわば通信回線とパソコンの間にある橋渡し役であり、通信に不可欠な装置だ。

Viasat社は同社モデムに対して更新ファイルを配布し、復旧を進めている。ただし米ZDネット誌によると、一部モデムはソフトウェアでの復旧が行えず、物理的な交換が必要になっている。Viasat社はリモートでの復旧作業と並行して、大量のモデムの配送手配を進めている。

英BBCは、本件がウクライナ侵攻に関連した「最も重大なサイバー攻撃」であり、軍と政府の通信にも影響を与えたと報じた。ウクライナ政府に対しては今年1月ごろから、悪意のあるソフトウェアを用いたサイバー攻撃が相次いでいる。ウクライナ侵攻に関連して仕掛けられたワイパーソフトは、本件を含めすでに7種類を数える。

現在も攻防続く 風力発電2000基が監視不能に
攻撃から1ヶ月以上が経過したいまも、ハッカーと衛星会社の攻防は続く。ロイターはViasat関係者の証言として、「ユーザーたちの通信を回復させようと米通信企業のViasat社が作業にあたる一方、ウクライナとヨーロッパ全域で数万台の衛星モデムを稼働不能にしたハッカーたちは、現在も同社を妨害する試みを続けている」と報じている。

攻撃以降、Viasat社はセキュリティを高めるべく、新たな防護措置を導入している。だが、ハッカーたちもこの防護網をかわそうと躍起だ。新たな攻撃を繰り出してはその効果を観察し、有効な一手を見定めている。

攻撃による影響は、ウクライナ国内に留まらない。WIRED誌イギリス版は、攻撃発生から1ヶ月が経ついまもドイツでは2000基の風車との通信が途絶え、発電状況を監視できない状態だと報じている。衛星通信はケーブルの敷設が難しい遠隔地の通信を支えており、回線の不通によって発電所を含む重要な社会インフラに支障が生じている。

徐々に解明される攻撃手法 地上設備をねらう
2月24日の攻撃から1ヶ月が経過し、その手法が少しずつ明らかになってきた。攻撃の難しい衛星本体を避け、モデムにねらいを定めたとみられる。

技術解説誌『ARSテクニカ』によると、ハッカーは攻撃の準備段階として、Viasat社が利用している通信衛星「KA-SAT」の管理用ネットワークに侵入した。本来であれば高いセキュリティで守られているはずの管理用ネットワークだが、高い安全性を確保するVPNネットワークの設定に一部誤りがあり、そこを突かれたという。

続いて攻撃者はこの管理用ネットワークを通じ、Viasatユーザーのモデムに対してソフトウェアの更新処理を実行した。各施設や家庭などで使用されている数万という数のモデムがこのアップデートを受け取り、自動的に更新処理を実行している。

ところがこの更新ソフトの正体は、モデムの動作に必要不可欠なデータを消去してしまう「ワイパー」だった。結果としてウクライナとヨーロッパの数万各所でモデムが使用不能となり、こうした施設では衛星との通信手段が絶たれてしまうこととなった。

ロシアによる攻撃が確実視
攻撃者の詳細は不明だが、侵攻当日に起きたサイバー攻撃という観点から、ロシアによるものだとの見方が濃厚だ。欧州当局の関係者はBBCに対し、「最終的にロシアによるものだったとすれば、サイバー空間での戦闘能力を使って軍事行動を支援するという、いかにも彼らがしそうだと我々が考えている内容とも非常によく一致する」と語った。

ウクライナ政府は、衛星通信を積極的に採用していることで知られる。2012年の最高議会選挙では、1万2000ヶ所の投票所を衛星網で結んで投票状況をモニタリングした実績をもつ。ロシア側としては、衛星通信網に頼るウクライナ政府と軍の通信を破断し、混乱に陥れようとした可能性がある。

ただ、蓋を開けてみればその影響は限定的だったようだ。BBCは「しかし欧米当局によると、全般的には大方の予想を超え、ウクライナがサイバー攻撃に強いことが証明された」と述べている。1月から行われている複数のサイバー攻撃を含め、欧米当局筋は「ウクライナの防衛網が非常によく持ちこたえたとみている」と評価している。

ウクライナのサイバー当局は、アメリカおよびイギリスの関連部局とも協調し、攻撃の全容解明と防衛にあたっている。サイバー攻撃で名の通るロシアだが、現在のところ著しい成果を挙げるには至っていないようだ。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/04/post-98482.php
攻撃するのは良いけど防御も忘れずに^^;
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