民放テレビ局がすべて「負け組」になってしまう3つの理由
2018.1.5
鈴木貴博:百年コンサルティング代表
フジテレビだけにあらず
好調なテレビ局などもはやない
「フジテレビの凋落が止まらない」という報道がある。長寿バラエティ番組の『めちゃ×2イケてるッ!』『とんねるずのみなさんのおかげでした』の打ち切りが決まったことは、視聴率の低下と番組制作予算の払底を象徴する出来事とされている。
一方で、「日本テレビが絶好調だ」「テレビ朝日が日テレの週間三冠王記録をストップさせた」といった、好調なテレビ局についての報道もある。さて、テレビ業界に本当に「調子のいいテレビ局」と「調子が悪いテレビ局」があるのだろうか。
実は、これから先はもう、調子のいいテレビ局など存在しなくなる。なぜならば民放テレビ局はすでに構造不況業種だからだ。なぜ民放は構造不況業種なのか、なぜ構造不況業種になると儲からなくなるのか、その3つの理由を解説しよう。
まず1つ目の理由。「テレビとはそもそも何だろう」ということから考えてみると、わかることがある。視聴者から見ればテレビは無料の娯楽だが、ビジネスとして見ればテレビは広告メディアである。テレビはかつて2兆円産業と言われていた。この金額はテレビ局にスポンサーが支払う広告費の合計だ。
テレビの広告収入規模は今では1兆8000億円へとやや目減りしているが、それでもテレビは今でも日本最大の広告メディアである。過去15年間のトレンドを見てみると、新聞や雑誌の広告量は悲惨なほど急激な下降トレンドを描いているが、テレビはそれほど下がってはいない。「テレビへ広告を出すのが最も効率がよい」と考えるクライアントが、まだまだたくさん存在しているからだ。
でも、この先どうなるかが問題である。普通に周囲を見回せば、以前のように「テレビが一番見られているメディアである」と言えないのは、読者の皆さんもご理解いただけるだろう。そう、今一番見られているメディアはスマホである。
統計を見ると、今でも家庭のテレビはスマホがなかった時代と同じくらい見られている。以前、ゴールデンタイムの視聴率合計は75%と言われていたが、今でも60%の水準をキープしている。
しかし以前と違う点は、テレビは「ついているだけ」の状態であることだ。テレビをつけながら家族はみなスマホの画面を眺めている。ちょっと面白そうなシーンになるとテレビ画面に目を移すが、CMが始まると皆、スマホに目を落とす。
つまり、「一番見られているメディアだから一番広告費がたくさん落ちてくる」という基本前提がすでに崩壊している。これがテレビ業界が構造不況である1つ目の理由だ。
2番目の理由に移ろう。力が落ちてきたとはいえ、世間の注目を集める番組はまだまだ多い。サッカー日本代表の試合は、たとえ親善試合でも相変わらず高い視聴率を集める。人気ドラマシリーズの『相棒』『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(ともにテレビ朝日系)は新しいシーズンごとに高視聴率を記録する。
「そういう番組がある限り、テレビは大丈夫じゃないか」という意見がある。テレビ業界的にはそういう見方はあると思うが、経営学的に見るとこの現象はちょっと違って見える。少なくとも他業界であれば、このような場合、パワーシフト(力学の移行)が必ず起きる。
「局の力」は薄れつつある
米国では鮮明なパワーシフトが
日本ではまだパワーシフトが暗黙でしか認識されていないが、資本主義先進国のアメリカでは、すでにそれが鮮明になっている。1990年代から、ラリー・キング、ビル・コスビー、ウーピー・ゴールドバーグといった数字がとれる出演者の地位が、現場の力関係だけでなく、収益の取り分でもテレビ局より上になっているのだ。
アメリカがなぜ先にそうなったかというと、ケーブルテレビの普及による多チャンネル時代が日本よりも先に訪れたからだ。地上波の視聴が全視聴の25%程度に落ち込む中で、パワーがテレビ局よりも人気番組の出演者や権利者に移行した。
日本の場合、局の力が強いうちは人気番組を終わらせて次の番組を育てることができるし、スポンサーに対してはおいしい番組以外の枠も抱き合わせてCMなどの計画を立ててもらうこともできる。
しかし、視聴者に見てもらえる番組と見てもらえない番組の差が開いていくと、この構造は維持できない。こうした点においても、そろそろテレビ業界のビジネスモデルに限界が見え始めている。
そして3つ目の理由に、アマゾンに代表される新興プレーヤーの参入がある。実は、テレビ業界が凋落しているにもかかわらず、世間で信じられているほどインターネット広告市場は伸びていない。市場規模は今でもテレビの半分以下である。
理由は、従来のインターネット広告は「アクション(直接の購買行動)」を起こさせるところが守備範囲で、テレビのように「アテンション(注目を集める)」の部分を担当していなかったからである。しかし、1日中スマホを眺める消費者がここまで増えてくると、アテンションもスマホに任せるという新しい流れが出てくる。
むろん、「そのようなイノベーションを引き起こすプレーヤーがいれば」の話ではあるが、実は「アマゾンがそろそろそこに入ってくる」ことが予想されるのだ。
アメリカでは、アマゾンプライム会員向けに無料で提供されているプライムビデオの人気が高まっている。これは一般には「動画配信サービス」と考えられているが、独自のドラマやバラエティ番組の製作も行っているという観点で見れば、実質的には「グローバルな多チャンネルテレビ」であるという見方のほうが的を射ている。
日本で視聴できるスマホ向けの動画配信サービス(アマゾンを含め、多くの場合はテレビでの視聴もできる)には、他にもHulu、Netflix、AbemaTVなど様々なプレーヤーがいるが、話をわかりやすくするために、仮にアマゾンのプライムビデオが日本で天下をとった場合のことを考えよう。
「テレビをつけても見るのはスマホ」
民放はアマゾンにとって代わられる
もしやろうとすればの話であるが、プライムビデオはいずれ地上波と同じ規模でテレビCMを流せるようになってくる。ビジネスモデルとしてそうするかどうかはまた別の話だが、それだけメディアとしての影響力が出てくるということだ。
しかもその場合、アマゾンはCMを流す人を選ぶことができる。「この車に乗っている人は、このメーカーのこの車のCMを見たほうがいいですよ」とか「このブランドの化粧品を買っている人は、ライフスタイル的にはこのキッチン洗剤の宣伝をご覧いただくといいですよ」など、アマゾンが得意な「おすすめ広告」を配信できるようになるからだ。
つまり、テレビにいよいよ広告配信が行われる時代が訪れる可能性が出てくるわけだ。そうなると、ここでもパワーシフトが起きる。広告メディアよりも、広告配信エンジンを持っている会社の力のほうが上になるのだ。それは、テレビ局からアマゾンやグーグルに収益が移行するということである。
構造不況とは、それまでビジネスを成立させていた前提が変わり、どうやっても収益が上がらない構造へと変化することを指す。地上波のテレビ番組を、一般大衆が1日中娯楽として楽しんでいたからこそ成立していた「テレビ局」というビジネスモデルの「栄華の構造」が変わりつつあるのだ。
皆、テレビはつけていても見ているのはスマホ。人気があるのは一部の番組のみ。そしてスマホで見られる番組の視聴時間が増え始めている。そうしたことによって、テレビ局が収益を上げられる構造はもう崩れてしまっているのである。
(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
http://diamond.jp/articles/-/154625
>テレビの広告収入規模は今では1兆8000億円へとやや目減りしているが、それでもテレビは今でも日本最大の広告メディアである。
まだこんなに金をドブに捨ててるのですね。
ショックです^^;;
>「テレビへ広告を出すのが最も効率がよい」と考えるクライアントが、まだまだたくさん存在しているからだ。
まだ金出してる企業は考え方を変えて欲しいです。
例えば「タンスにゴン」みたいな衝撃的なCMなんて滅多に無いですw
テレビに金出してる企業の株買うのやめよw
>アマゾンはCMを流す人を選ぶことができる。
ネットで見ている映像に関連したCMが流れます。
うんざりすることも多々ありますが、テレビでオムツの宣伝見るよりマシです^^;;
昔なら家族そろってテレビを見てたので何でもありでしたが、世帯人数が一人か二人の核家族が多くなるとCMの効果は薄れていきます。
民放だけ取り上げてますが、NHKだって同じです。
ただ、民放と違い企業が広告費を出さないだけです。
ソウルで起きた火事の報道をなぜ日本で流すのでしょう。
トランプ大統領のアジア歴訪で日本を訪れてるのに、韓国大統領と並んで歩いている画像を流す。
偏向報道の度合いはフジテレビやTBSに負けてませんw
世論を動かせなくなったテレビはもうオワコンです。
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