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2016年03月02日18:05

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聞く力を高める

元松下政経塾塾頭 上甲晃氏は講演で次のように話をしていました。

松下幸之助さんは、自分の成功の理由の一つとして学歴がなかった、そのため人の話をよく聞いた、これがよかったと言われています。事実、幸之助さんは聞くことの名人でした。

上手に喋ることと、上手に聞けることの二つを比べる時、どちらが困難でしょうか。
自分の考え方を、堂々と述べられることも確かに必要です。しかし人の話を、心の底から聞くというのも大変難しいのです。話す力と聞く力を比べる時、私は聞く力のほうがもっと難しいのではないかと思います。

聞く力は、相手を受け入れる力であります。そして聞く力は、相手の人を喜ばせる力でもあります。

聞き届けてもらえる、最後まで聞いてもらえると、心が熱くなってくるものです。途中で話をさえぎられるとムカッとします。

人を喜ばせるということの第一として、あるいは、人間成長のために、自ら変わってみせるという試みとして、人の言うことを聞き届けるという何でもないことに、全力を尽くすということが非常に大切だと思います。
・・・・以上。

佐藤一斉「言志四録」にも次の言葉があります。

【現代語訳】だいたい、人と話をする場合には、ぜひ相手をしてその長所を話させるべきである。そうすれば、自分にとって益するところがある。(言志録62)

【原 文】 凡そ人と語るには、須らく渠(かれ)をして其の長ずる所を説かしむべし。我に於いて益有り 。

相手の長ずる所を聞くことは自分の知見を広めるというだけではない。相手との人間関係をもよくするところになる。誰でも、自分の長ずる所を本気で聞かれるということは、悪い気持ちがしないものだからである。

このことは中々容易なことではありませんが、日本の教育の父と言われた森信三先生も、『修身教授録』の中で以下のように述べられています。
「そもそも人間の長所と短所とを並べますと、これは共に相殺してしまって、つまりお互いに帳消しになって、結局プラスマイナスゼロになるわけです。そしてその場合、もし欠点の方が強ければ、マイナスが残るのはもちろんのこと、仮に長所の方が強い場合でも、結局は相殺となって、残ったプラスは微々たるものにすぎないでしょう」。

「ですから、われわれが相手から自分の心の養分を真に吸収しようとする場合には、かような傍観的では、ほとんど何も得られるものではないのです。すべて真に自分の身につけるには、一時は相手の長所に没入して、全力を挙げてこれを吸収するのでなければ、できないことです」。

つまり、人の長所と短所は合算するのではなく、主に長所だけを見てそこから学ぶべきだということです。

ところが得てして人を見るにおいては、客観的に見るという名目のもとに、プラス面とマイナス面を合算してしまいます。
こうなると、プラス面はマイナス面を差し引いた分だけがプラスとなり、そのプラス面の評価は取るに足らないものとなってしまいます。

マイナス面を差し引かずに、そのままプラス面を見て、そこから学ぶ姿勢を取ることのほうがはるかに有益であることは言わずもがなです。

けちな批判心は胸の奥にしまい込み、常に相手の長所に焦点を当てて、そこから学ぶことができる人間でありたいものです。


★私の知るかぎり、成功している人のほとんどは、話すことよりも聞くことに多くの時間を費やしている。・・・・バーナード・バルーク(ユダヤ人富豪家)

★よりよい聞き手、偉大な聞き手を目指してください。これは人を大切にする道です。いや、人を愛する道といったほうが正確かもしれません。 ・・・・ロバート・コンクリン(生涯教育家)




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