2015年の年越し。2016年の正月。
この年末年始をどう過ごしていましたか? と問われたら、私はその回答をひとつしか持たない。
エロゲであるw
素晴らしき日々 〜不連続存在〜
え〜っと、なにをどう書いたらいいだろう……。
この作品の内容について? それとも個人的な感想?
前者については、ネタバレを避けつつ分かり易く簡潔に紹介するのは不可能。
少なくともおれの力量ではムリだw
形而上、という言葉がある。
あまり日常で使われる言葉じゃない。「けいじじょう」と読む。
それについて考える形而上学というものもある。ウィキペディア先生によると……
感覚ないし経験を超え出でた世界を真実在とし、その世界の普遍的な原理について理性的な思惟によって認識しようとする学問ないし哲学の一分野である。(以下略
わかったかね? おれはわからんがねw
てか、こんな説明でわかるかーっw
まあ、あれだ。
ガキの頃、一度くらい経験ないかな。自分の存在について考えたこと。
自分は、親から生まれて、いまここにいる。
二本の足で立ち、怪我したら痛いし、腹が減って、うまいものを食えば美味いと感じ、物を考える。
なんてことを、今まさに考えている。思っている。
自分が生まれたことは、途方もない確率の上に立った「偶然」
精子の数を思えばもちろんのこと、その夜両親の気が乗らなきゃ、たぶん自分は生まれてない。
そうなったら、「別の子」が両親の子供として生まれていただろう。
そうなっていたら、今ココで物を考えている自分はどうなっていたのか。
もしかしたら生まれるかもしれなかった「別の子」は、いまどうなっているのか…?
な〜んてことを考えた経験はないだろうか。
そういったことを「形而上」 そういったことについて考えることを「形而上学」という。
"そういったこと"には、自己だとか、世界だとか、そういうモンが含まれる。
ちょっと違うかもしれないが、「経験を超え出でた世界を真実在」云々より分り易かろうw
で、回りくどくなったが、この作品には、そういう形而上学的とも、電波ともつかないものがゆんゆん飛んでる。
相当に人を選ぶと思う。
中世の詩人やら、神学者、哲学者の言葉、戯曲の台詞、自殺したインテリの遺書。
そういったもんが、びゅんびゅん引用される。
しかも、原文ママなので、とっても分りにくい、という分らないw わかるかw
んで、ストーリー展開が鬱。
途中、かなりえぐい。読んでて正直つらかった。
じゃあ、つまらなかったのかといえば、そういうわけではない。
この年末年始をどう過ごしていましたか? と問われたら、私はその回答をひとつしか持たない。
と、初めに書いたが、大晦日から三が日にかけて、最低限の家事やらを除いたほとんどの余暇をこれに費やした。これやってる間に年越してたし、紅白?なにそれうまいの?
それから丸三日、私を拘束し得たのだから、「おもしろかった」というべきなのだろう。
ただ、素直に「おもしろかった」と言うには、あまりにアクが強い。
これを書いたやつは、学も教養もあるんだろう。ライターとしての力量もたいしたもんだと思う。
でも、おれには合わなかった。斜に構えた言い方をすれば、おれとは哲学が違う。
この、「素晴らしき日々〜不連続存在〜」という作品は、いつかやるエロゲリストのひとつだった。
なぜ、いつかやるリストに載っているかといえば、巷で(そっち方面でw)凄い凄いと絶賛されているから。
へぇー、そんなに凄いならいっぺんやってみようかな。ってわけだ。
あの絶賛してた連中は、全部消化したうえで云ってんのかなぁ、と疑問に思わないでもない。
たまねぎの皮を剥くたびに、「なるほど、それでか」と思わせる力。三日間私を拘束した牽引力。
でも、さんざん形而上学的な引用を多用しながら、たまねぎを剥き切った真核には大したものは残ってなかった。
「幸福に生きよ」
これまた実在の哲学者の言葉を引用して、「全てのものは救われているのだから」なんて、それらしくキレイにまとめようとしてたけど、劇中、どう考えても救われないまま自殺した人物もいて、とてもじゃないが素直に頷けない。この展開でソレなの?
名作だと称える声もあるが、決して名作ではないよ。
傑作でも多分ないと思う。
鬼作ではあるかも。
好みをいえば、引用は最小限、要所だけに留め、あまり形而上的なものは振り回さず、
サイコサスペンスに徹していれば、すんなりいい作品になったと思う。
小難しい哲学っぽい韻文的な言葉など使わずに、ひたすら散文的な現実を積み上げたその先で、読む者を「考える人」にさせてしまう作品もあるのだから。
結果論だが、この年末年始を丸ごと費やしたことに後悔はない。
内容的に言って、仕事が終わって寝るまでの時間など、日々日常の間に挟むものではない。
いくときは、隔離したまとまった時間に一気に言ってしまうべき。じゃないと明日に障るわw
褒めそやして薦める作品ではないが、もし積んであるならそのままにしておくのももったいない。
褒めたらいいのか、貶したらいいのか、ちょっと思案に迷う。
言いたい文句はあるが、無視できない牽引力がある。そんな作品だった。
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