土曜日はNHKホールでBerlioz作曲の_La Damnation de Faust_(「ファウストの劫罰」)を聞きに行きました。この曲、大好きなのでとっても楽しみにしていたのに、、、、最悪でした。
キャストは:
Ruxandra Donose (Marguerite)
Jean-Pierre Furlan (Faust)
Willard White (Méphistophélès)
佐藤泰弘 (Brander)
天羽明惠 (Soprano solo)
天羽は最後にちょっと歌うだけなので、贅沢といえば贅沢なキャスティングだけど、別にだからどうって事ありません。問題は残りの歌手全員があまりにもお粗末だったことです。
Ruxandra Donoseは最近ヨーロッパでよく聞く名前なのでそれなりに期待していましたが、声質、テクニックとも凡庸で、メゾの黄金期の現在、この程度のメゾなどはいて捨てるほどいます。とにかく声が篭りがちで、悪い意味で暗く、どのシーンも単調なのは痛い。
なにもRegine Crespinのように歌わなくても良いけれども、最近僕が生で聞いたOlga BorodinaやSusan Grahamの足下にも及びません。
Villarsの代役のJean-Pierre Furlanも、どこからこんなへなちょこテノールをわざわざ探してきたのか、というくらいどうしようもありませんでした。たしかに昔のフランステノールの伝統では高音を頭声で歌うって言うのがありましたが、Furlanのは明らかに単なる逃げ。歌に品格がなく、Faustの苦悩も全く伝わりませんでした。
Willard Whiteはジャズのragtimeで有名なScott Joplinが書いた唯一の「グランドオペラ」_Treemonisha_(ただし人種差別等で、生前ちゃんとした形で上演されることはありませんでした)の世界初全曲録音(1975年)でNedを歌ったのを聞いて以来のファンで、_La Damnation de Faust_でもザルツブルク音楽祭のライブDVDですごみを利かせた素晴らしいMephistoを歌っているので、生で彼を聞けるのを非常に楽しみにしていました。
ところが、最初の一声から、声が乾燥している感じで、ところどころかすれ声になってしまい、本調子じゃないのかと思っていました。とはいえ、さすがにベテランだけあって、声の力が衰えても、あの存在感で、それなりに「見せて」くれたと思います。しかし終盤、声が本当に前半の半分以下しか出なくなってしまい、前で聞いていてもやっと聞こえるかどうかという感じで、終わりまで持たないのではとはらはらしました。
Dutoitはずいぶんとゆったりとしたテンポで悠々と始めたので、それなりに期待していたのですが、歌手が思うように歌ってくれないことも会って、オケと歌手、そして合唱が遊離してしまい、彼にしては信じられないことに、まとめあげることが出来ない、間延びした閉まりの内演奏になってしまいました。まさに悪夢!
日曜日は初台の新国立劇場でMascagniの_Cavalleria rusticana_とLeoncavalloの_Pagliacci_のダブルビルでした。(続く)
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