幼少の頃、両親に連れられて行ったプール。
そこで食べたアメリカンドッグが、めえちゃくちゃ旨かった。
今の知識で理屈をつければ、
「泳ぎ疲れた身体に脂質と糖分と塩分が沁みただけ」という、
身も蓋もない結論になるだろう。
けれど当時の私にとって、
アメリカンドッグは「最高のご馳走」として記憶に深く刻まれてしまった。
それから10年以上が経ったある日、
糖質制限に厳しいボディビルダーの上司が、
コンビニのサービスでもらったというアメリカンドッグを私にくれた。
パキッ、と例の容器を割る。
赤いケチャップと黄色のマスタードを のののの と慎重に乗せていく。
私にとってアメリカンドッグは、今でも「一番美味しいもの」のままだ。
そんな背景を知るはずもない上司は、私の手元を覗き込んで笑った。
「真剣な顔して食うなー。
仕事中もそれぐらいの顔をしてくれよ」
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