あれから14年
高橋研
帰れない町
あの日から僕は無口になったって友達も家族もみんな言うのさそう言うママだって洗い物しながらフリーズしてる時がよくあるんだ
やっと新しい町にもどうにか慣れてきた仲間たちはみんな いい奴らさ週末は原宿へでかけたりするんだ埼京線か 湘南新宿ラインで
自転車をこいで 防波堤に立てば水平線が金色に輝くふるさとは今もゲートの向こう僕が生まれたのは 帰れない町
おじいちゃんは去年 空へ旅立った酪農に生きた強い人だったもうすぐ帰れるよ なぐさめの言葉はおじいちゃんに初めてついた嘘さ
一度だけ許されて あの町に戻った商店街を野良犬が走った防護服の中から見上げた空は悲しいくらい高く青い空だった
自転車をこいで 防波堤に立てば水平線が金色に輝く僕が生まれたのは原発が見える町僕が生まれたのは 帰れない町
帰れない町
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