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2021年09月18日15:13

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札幌交響楽団 第640回 定期演奏会

【プログラム】

1 シューベルト:交響曲ロ短調D759「未完成」
2 ブルックナー:交響曲第7番(ノーヴァク版)

 札幌交響楽団(管弦楽)
 マティアス・バーメルト(指揮)

2021年9月12日(日)13:00開演,札幌コンサートホール


久しぶりに,札幌交響楽団の定期演奏会へ行ってきた。

定期演奏会へ出かけた理由は3つほどある。ブルックナーの交響曲第7番を取り上げるというのが一つ目の理由。1年7ヶ月ぶりに首席指揮者のバーメルトが振るというのが第2の理由。そして第3の理由は改修が終わった札幌コンサートホールで開かれた最初の定期演奏会であること。

オーケストラのコンサートを聴けた喜びよりも,久しぶりに接したステージに戸惑いを覚えてしまった,というのが率直な感想だ。さまざまな事情で札響の定期演奏会から遠ざかっていた間に生じたギャップを完全に埋め合わせることはできなかったように感じる。

より端的に言えば,アンサンブルが期待していたよりも粗かったということだ。音量の豊かなオーケストラだとは思っていないが,アンサンブルが整っていて美しい演奏を聴かせてくれるという印象を持っていた。

考えられる理由の一つは,首席指揮者,マティアス・バーメルトとの顔合わせがなかなか実現しなかったことに伴い,阿吽の呼吸がうまく実現しなかったという事情があるのかも知れない。ステージを聴く限りオーケストラと指揮者の棒に齟齬はなかった。でも,細かいところでは狂いが生じていた可能性もある。特に管楽器パートの入りに関しては乱れが生じていたのではなかろうか。もう一つは各パート間の音量バランスについても,理想からは若干隔たっていたかも知れない。演奏の細部について云々するのもどうかと思うが,率直にいって全面的に没頭できる演奏ではなかった。

ここ何ヶ月間かの期間にオーケストラの団員が交替したことも会場で感じた不満と関係がありそうだ。管楽器のパート,とりわけ木管で人が入れ替わっているように見える。新しく加わったメンバーがまだオーケストラや指揮者に慣れ親しんでいないため,演奏が破綻するような問題は起きないまでも絶妙なアンサンブルが実現しなかったような気がする。「未完成」にしろブルックナーの第7番にしろ,聴かせどころを管楽器が担っているので満足感を得られなかった可能性は否定できない。これはごく微妙な問題なのだけれど,大きく印象を左右することもあるのではなかろうか。

細かいところが気になったのは,これまで聴いていた席よりもステージに近い場所で聴いたこととも関係がありそうだ。ステージに近い分,直接音の比率が大きくなり,響きが粗くなったように聴こえる。とりわけ,フォルテやフォルッテッシモの箇所で聴きたくない音が出ていたようだ。もちろん音量を上げるような演奏をするとミスが目立つことは致し方ない。ただ,以前はこうした問題もそれはど気にならないように処理していたように思うのだが。ホールを揺るがすような大音量であればかえって気にならなかったのかも知れないが,少し強く弾いた箇所でサウンドが汚れたような印象があったのは残念だ。その結果,「未完成」の非日常的な美しさを十二分に表現しえなかったように思う。同じことはブルックナーの第2楽章についても言える。聴く側に問題があるのかも知れないが,もうひとつ演奏に没頭できなかった。

ところで,この演奏会は札幌交響楽団創立60周年を記念する催しでもある。当初,ブラームスの「ドイツ・レクイエム」を演奏するとしていたが,このパンデミックのため「未完成」とブルックナーの交響曲第7番に変更された。残念ながら祝祭気分はほとんどなく,客の入りが少し冴えない演奏会になってしまった。こういう状況なので,攻めのプログラムを組むことが難しいのはよくわかる。本音では演奏会ができて御の字なのだろう。集客はホールの6割程度に止まり,平均年齢も決して低くない。演奏会を続けながら,こうした課題の解決にも取り組まざるを得ないのは大変。
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