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2021年02月18日17:47

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中共牽制のため南シナ海に原潜を潜入させた仏の隠れた意図

南シナ海に攻撃原潜を潜入させたフランスの真意
フランス版FONOPで中国牽制、それだけではない狙い
2021.2.18(木)
北村 淳

 2月8日、フランス国防大臣フロランス・パルリはツイッターで、フランス海軍攻撃原潜「エムロード(エメラルド)」が南シナ海を航行(潜航)したことを公表した。

 通常、どの国も潜水艦の作戦行動に関しては公表しないことが原則になっているが、中国がそのほぼ全域を主権的海域であると主張している南シナ海に攻撃原潜を送り込んだ事実をフランスが明らかにした真意に憶測が持たれている。

 エムロードはフランス海軍が運用している6隻のリュビ級攻撃原潜の1隻で、攻撃原潜としては小型(水中排水量2640トン、全長73.6メートル)である。ちなみに海上自衛隊「そうりゅう型潜水艦」は水中排水量4200トン、全長83メートルと、リュビ級原潜より大型である。

フランス版「FONOP」を実施

 パルリ国防相によると、昨年(2020年)9月からマリアンヌ特命作戦に従事中のフランス海軍攻撃原潜エムロードは、海洋支援艦「セーヌ」とともに、これまでインド太平洋の1万5000キロメートルに及ぶパトロールを実施したという。

そしてこのほどエムロードは南シナ海の航行を完了した。この海域の航行は、オーストラリア、アメリカ、日本といった戦略的パートナーとの協力関係を示すための輝かしい行動である、と国防相は特記している。

 彼女は、領域紛争中の南シナ海におけるパトロールは、国際海洋法秩序が尊重されなければならないことを示す意義を有しており、アメリカ海軍による「FONOP(公海航行自由原則維持のための作戦)」類似の作戦であったことも明言している。FONOPは、南シナ海に対する国際海洋法秩序をないがしろにした中国の侵略的拡張姿勢に異議を唱えるため、中国側が領海と主張する海域を航行する作戦である。

 それと同時に、フランスはインド太平洋地域に多くの海外県・海外領土(マヨット島、レユニオン島、ワリス・フツナ諸島、南太平洋のフランス領ポリネシア、ニューカレドニアなど)を有しているため、それらの領域に対する主権と国益を保護する能力を有している事実をデモンストレーションしている、ともツイートしている。

沈黙する中国

 フランス海軍攻撃原潜が南シナ海を航行したとはいっても、南シナ海のどの海域を潜航したのかは、もちろん明かされていない。

 一方、南シナ海の覇権を手にしつつある中国といえども、アメリカの攻撃原潜とも日本の潜水艦とも違った不審な潜水艦を探知して、フランス潜水艦と特定することは至難の業である(潜水艦の特性上そのような可能性は極めて低い)。また、自らの対潜水艦戦能力を開示してしまうことになるため、この種の情報は(探知してようが、全く気づかなかろうが)一切公表されることはない。したがって、エムロードの南シナ海パトロールは、あくまでもフランス国防相による一方的主張である。

 それに対して、中国国防当局や中国外交当局は至って静かである。その沈黙は、“強力無比”な中国海洋戦力にとってフランスのちっぽけな原潜など何の脅威にもならない、という自信の誇示であると言ってもよい(中国は水中排水量7000トン、全長110メートルの09III型攻撃原潜を9隻運用している。さらに中国海軍は09III型を含めて少なくとも12隻の攻撃原潜と50隻前後の通常動力潜水艦を運用している)。

フランスにとっても重要な公海航行自由原則

 フランス自身の主権や国益は南シナ海に直接関係しているわけではない。にもかかわらず、パルリ国防相が攻撃原潜エムロードによる南シナ海での「FONOP」実施を公表したのはなぜか。

 その理由は、やはり国防相自身が触れているように、インド洋や太平洋地域に海外県や海外領土を有するとともに、船舶による貿易活動も国家経済を支える重要手段となっているフランスにとって、現在の国際海洋法秩序の根幹となっている公海航行自由原則維持が、いかなる海域においても踏みにじらるような事態があってはならないと考えているからにほかならない。


 南シナ海で、現行の国際海洋法秩序が中国によって突き崩された場合、中国によって生み出された新たな海洋原則がインド洋や太平洋にも波及しかねない。その結果、フランス本国からインド洋や南太平洋を隔てたはるか彼方の海外県と海外領土との間の海上交通は容易に遮断されてしまいかねないのである。

オーストラリアへの潜水艦売り込み作戦?

 もっとも、南シナ海潜航はともかく、フランス海軍がこの時期にインド洋と太平洋を1万5000キロメートル以上も小型艇であるエムロードに航海させたのにはもう1つの重要な目的があると考えられる。

 それは、フランス潜水艦の優秀性をオーストラリアにアピールするという目的である。

 オーストラリアは老朽化した潜水艦の後継艦に、日本、ドイツ、フランスの潜水艦の中からフランスの潜水艦を採用した(本コラム2016年3月3日、2016年4月14日、2016年5月5日、参照)。しかしながら、フランスの国営メーカーが受注したオーストラリア海軍の12隻もの次期潜水艦「アタック級潜水艦」(フランス海軍の次期攻撃原潜をベースにして通常動力に入れ替えて製造されることになっている)建造計画は、膨れ上がったコストや、遅れに遅れている進捗状況などによって、キャンセルの話も浮上している状況である。

 そこで、アタック級潜水艦よりも旧式で小型なフランス原潜がいまだに大航海に耐えうることを実証して、オーストラリアがフランスの潜水艦から日本の潜水艦などに心変わりしてしまわないようにデモンストレーションを行ったという可能性も考えられるのだ。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64112
武器輸出3位が仏国で、その約3割がエジプト、約1割がインド向けです。
潜水艦のエンジン等部品の外注は有りましたが、新規顧客で潜水艦丸ごと受注は初めてです。

500億豪ドル(約4兆円)の予算が付く、何がなんでも成功させたいビックプロジェクトですが、作業工程の6割を豪州で行う予定である為、多くの労働力を豪州で集めなければなりません。
豪政府は、地元に潜水艦建造のための人材や設備がないことを考慮せず、政治的な判断で決定したため、設備投資から始める段になり、当然工期は遅れ、コストも膨らみます^^;

契約キャンセルも? 難航する仏受注の豪潜水艦プロジェクト
Jan 25 2021
https://newsphere.jp/topics/australia_attack_class/

焦ったフランス政府が、デモンストレーションで、潜水艦を南シナ海を航行させた可能性は十分考えられますw
1隻目をフランスで作らせて、豪州国内でメンテナンスをしながら、人材と設備を整えて、4隻目辺りを豪州でエンジン以外を作る方が現実的です。・

受注に敗れた日本は、当時まるでダメダメみたい言われてたけど、日本は受注しなくてよかったねw

焦点:日本敗れ潜水艦「ごうりゅう」幻に、仏勝利の裏側
2016年4月28日7:37
https://jp.reuters.com/article/submarine-australian-navy-idJPKCN0XP1BX
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