【収録曲】
モーツァルト:ミサ曲 ハ短調 K.427(エーダー版,1985)
�� キリエ
�� グローリア
�� クレド
�� サンクトゥス
�� ベネディクトゥス
(独唱)
アナ・マリア・ラビン(Sp�機�
アンブロワジーヌ・ブレ(Sp�供�
スタニスラス・ドゥ・バルビラック(Tn)
ノーマン・バッケ(Bs)
(合唱)
コンスタンス・マルタ=ベイ,レア・フルテ,ソフィー・ガルビッシュ(Sp)
オーウェン・ウィレッツ,マリー=アンドレ・ブシャール=ルシュー(Al)
フランソワ・バルダイルエ,リサンドロ・ネシス(Tn)
アントワーヌ・フーロン,シドニー・フィエロ(Bs)
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル(管弦楽)
マルク・ミンコフスキ(指揮)
録音:2018年12月,MC2,グルノーブル(ライブ)
PENTATONE PTC5186812
モーツァルトの「ミサ曲 ハ短調 K427」は,2013年の来日公演で披露され話題となった作品。ミンコフスキとレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルは,2018年12月,彼らの本拠地であるグルノーブルのMC2で,この通称「大ミサ曲」を録音した。
彼らの演奏は「大ミサ曲」の通称にふさわしい,ヘンデルを彷彿とさせる堂々とした演奏である。歌手(独唱と合唱)が充実しているのも,この録音の強みだ。どこか捉えどころなく聴こえることもあるこの作品の性格をはっきりと把握することができる。
「大ミサ曲」は,モーツァルトの「レクイエム」と同じく未完の作品である。1781年にザルツブルグからウィーンに移り住んだモーツァルトは,父の大反対を押し切ってコンスタンツェと結婚する。彼女を伴ってザルツブルグを訪れる機会を得て,その際に新作を携えて行き,教会に奉献しようと考え,作曲に着手した。だが,そのような好機に恵まれることなく,「大ミサ曲」も未完に終わった。
ミンコフスキがこの録音で用いたのは,新モーツァルト全集に採用されたヘルムート・エーダー版(1985年)。エーダーは作曲家であり,モーツアルテウムの教授を務め,モーツァルトの作品の研究でも知られる。エーダー版は1977年にポーランドのヤギエロン図書館で発見された自筆譜を底本とする。
この演奏の管弦楽編成は,第1ヴァイオリン8,第2ヴァイオリン6,ヴィオラ4,チェロ3,コントラバス2,フルート1,オーボエ2,クラリネット1,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,トロンボーン3,ティンパニ1,オルガン1である。また,声楽は独唱4人,合唱9人。
器楽も声楽も小振りな編成であるが,ミンコフスキは小編成の機動力とアンサンブルを生かして,楽曲へ鋭く斬り込んでいる。作品の彫琢は精緻で申し分ないのは言うまでもないが,ミンコフスキらしい抜群の安定感が聴いていて気持ちがいい。さらに,古楽演奏で弱点となりがちな迫力に関しても,物足りなさを感じることはない。腕利きの器楽奏者と練達の声楽家を名匠が縦横無尽に操った「大ミサ曲」である。
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