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2018年04月20日11:38

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もの忘れ1

ヨガ仲間のAさんからいただいた随筆集「思いつくままに」に「もの忘れ」について書いてありました。参考になりますので転載します。

最近、家の中の話題はもの忘ればかりである。今まで持っていたものを置き忘れる。人や土地の名前が出てこない。はじめの中は歳をとったな、と笑っていたが、回数が増えてくると、もしかしたらと心配になってくる。
自動車の高齢者研修でも、これから認知症検査が必須科目になるとのことで、その普遍的な広がりに驚いていた矢先、「もの忘れをなくす50の生活習慣(大島清著)KKベストセラーズ」に出合った。著者は大脳生理学者である。
冒頭に、なぜ人は加齢と共にもの忘れがひどくなるのか。それは生きていく上で重要な知識と、そうでもない知識を取捨選択できるようになったからである。もの忘れをするようになったのは、生き方上手になった証拠である。と書かれていてひと安心した。以下内容を項目ごとにまとめてみた。

まあまあ主義

脳は刺激されていないと老化してしまうので。上達しなくても良いから新しい趣味にタメラワズに挑戦することである。

「遠い眼差し」で考える
ときには高い所に登って遠くの風景を眺める。遠く水平線とか地平線を望むことがもの忘れしない方法となる。人間は大きな決断をするときには遠くを見ながら考える。

「下手の横好き」が脳に効く
青春時代にやりたくてもできなかったことを始めよう。楽譜が読めなくても、楽器演奏は出来る。楽譜より脳のなかにある音楽こそ大切である。好きこそものの上手なれという諺は、大脳生理学的にも正しい。

手と足で脳をリフレッシュ
人間の脳は三層構造になっている。一番下が脳幹でどんな動物にもある心臓を動かし、眠りを司るなど生命維持の脳である。その上にあるのが大脳辺縁系と呼ばれる脳。これは好き嫌いや食欲など本野的な欲求を司る。その上にあるのが大脳新皮質、これは計算など論理的思考や芸術的活動をしたり、理性で欲求をコントロールする。これこそ人間だけにある脳である。
ところで人間生活には悩みごとがつきまとうが、これを修正するには手足を動かすことである。哲学の道という散歩道があるが、難しいことを考えるのは歩きながらということである。本では料理の効用(手を動かすこと)と散歩の達人になろうと奨めている。

左脳と右脳をバランスよく使う
脳にはタテの関係に加えてヨコの関係がある。左脳は言葉を理解すること、論理的思考や計算などデジタル情報を処理する。反対に右脳は直感とか想像、人の感性に関わるアナログ情報を処理する。技術革新の進む現代を左脳偏重として、右脳回帰が盛んに言われるが、要は左右バランス良く使うことで、脳の特性を活かせば歳をとっても記憶力は衰えない。

美味しいスープは絵画より創造的
スープ作りの上手な主婦は、いつもスープのことを考えている。それを喜んで食べている家族をイメージする。それが脳内ネットワークを活性化させる。きまりきった食事ではネットワークは寸断されてしまう。要はスープ作りに限らず、自分が楽しい、やりたいと思うことで頭の中をフル回転させれば良い。

「そんなことムリだ」より「こんなことできないかな」
人間の脳細胞は20歳位から徐々に減り80歳位になると4/5位になる。これを補うのに脳細胞同士の要となるシナプスを沢山作って年齢に関係なく能力を伸ばす。これを脳の可塑化(かそか)という。可塑化すればひらめきや直感が働くようになる。年老いて頑固になった人は、知っていることだけにコダワリ、知らないものは排除しようとする。身の回りの常識を疑ってみる位の好奇心が不老の基となる。

「齢をとったので・・・」は禁句
年寄りの冷や水という諺はあるが、何もやらずに老後の余生を送る時代は疾うに過ぎた。やりたいことを続けている人を見るとこちらにも、その幸福感が伝わってくる。これからの長い人生、やりたいことを探しながら生きていく姿勢が脳を健全に保つ基本となる。
やりたいことはカードに書き留めておく 。

ボケには二つの原因がある。一つは脳血管障害。その代表的なものが脳梗塞である。動脈硬化で血管が詰まり、脳に酸素や栄養分が送られなくなり脳機能が低下する。
もう一つはアルツハイマー病で、特定の大脳新皮質の部分の神経細胞が脱落して、記憶力だけでなく、判断力、計算力が極端に低下する。長年原因が判らなかったが、最近になって脳を使わないために委縮して発症する廃用委縮であることが判ってきた。感動や目標のない余生を送り、五感を使わず筋肉も動かさない生活が最も悪い。好奇心に火がつけば脳は好転し始める。同じパソコンを2台置いても脳の使い方次第でその活用の仕方は全く違ってくる。脳に快適な差激を与え続けることがボケを防ぐ最善の方法である。
写経をやってみる 。
パソコンの漢字変換機能はおそろしく便利だ。しかし、考えてみると今まで人間の脳がやっていた仕事を外部に委託したようなものである。便利さのかげに失われてゆくものを見逃せない。本ではこのような時こそ写経を勧めている。手を動かすことは脳を刺激し言葉を覚える。日本語の複雑さが、日本人の脳を活性化してきたのだ。

脳には忘れたいという本能があるから、忘れたかなと思ったころ思い出す習慣をつくる
なるべくなら記憶したくない。これが脳のホンネだという。人は物忘れをする。これは本人の怠慢や性格に起因するものではなく、脳の仕組から自然のことである。むしろ忘れるという能力は、神様が人間に与えて下さった才能と思うべきである。記憶というのは、覚えたいという意志と、忘れたいと思う脳の本能のせめぎ合い結果である。さて記憶する方法は一つしかない。自宅の電話番号を覚えるのと同じで反復行為である。

体で覚えた記憶は、頭で覚えた記憶より強固に残る。小脳は記憶の天才だ
野球にしてもゴルフにしても。プロとアマの差は記憶力の違いである。運動性記憶は小脳が担当する。環境や状況に応じて身体を適応させる働きである。例えば熱いものを掴んだとき、すぐ手を話すのは小脳のおかげである。運動性記憶の特徴は一回では覚えられないことである。日本人が箸を巧みに美しく使えるのは、子供の頃からの運動性記憶のおかげであり、ボケてしまっても体で覚えた運動性記憶は消滅することはない。

「老いては子に従え」と思うのは間違い
一度に大量の学習をしても、そう簡単に保有量を多くすることはできない。しかし、毎日少しずつ覚える行為を続けていけば記憶する力は着実についてくる。老いても新しい情報に敏感になり、絶えず好奇心をもつ姿勢こそ人間らしい本来の生き方である。また、もの忘れした場合でも根を詰めて思い出そうと考えるよりは、一度ほかのことを考えるようにした方が遥かに思い出しやすい。脳はすべてを使って活動させた方がその能力を発揮する。新しい記憶の積み重ねこそが創造力の源泉である。

人の顔と名前は取っ手をつけて覚える
脳は私たちの創造を越えた能力をもっている。どんな昔のことでも「そう言えばそんなこともあったナ」と思い出せるのである。私たちがもの忘れするのは、それを思い出すキッカケがないにすぎない。だから記憶を引っ張り出しやすいように取っ手をつけて覚えれば容易に記憶力を上げることが可能だ。「いいくに(1192)作ろう鎌倉幕府」のようにだ。理論的な左脳を使った記憶よりも、イメージ力の右脳のほうが膨大な記憶を覚えられる仕組になっている。駄洒落や語呂合わせをどんどん活用すべきだ。もの忘れしないというのは、言い換えればいつでも思い出したいことを頭から引っぱり出せるということだ。

こうして読んでくると、事あるたびに私たちは生活習慣という言葉を使うが、もの忘れも生活習慣によるものだということが判る。齢をとっても好奇心旺盛な人は自ら脳を鍛えているのである。

好きなことに夢中になれば、子供の記憶が蘇ってくる
記憶力の低下は集中力の低下が原因である。子供の記憶力の良さはその抜群の集中力にある。大人が子供のように集中力を高めるには好きなことに夢中になることが一番である。又、脳に、より沢山の記憶の断片を貯蔵させることである。そのために五感の働きをフル活用させる。自然の中に浸れば五感は活性化し、次に第六感までも期待できる。

「面倒くさい」は大敵である
元来、脳は怠け者である。ぬるま湯に浸っているのが大好き。しかし、この怠け細胞が一旦活動を始めると、限りなく上を目指して進みだす。ところが時に脳は甘い誘惑に負けて活動を停止してしまい、更にその悪循環に陥る。そのキッカケは「面倒くさい」である。物質は古くなると傷みが出てくる。これを経年劣化という。しかし脳は違う。齢をとってもボケない老人はいっぱいいる。反対に若者でも老け込んでしまう人もいっぱいいる。好奇心と意欲を忘れた者は若くてもボケるのである。
新しいことは寝る前に覚えよう。

人間の記憶はコンピューターと違って混乱しやすい。記憶を脳内に定着させるに相応しい環境は記憶を一つしたら後は何もしないことだ。
動物実験によれば新しいことを学習した直後に、ショックを与えると学習効果は殆ど失われてしまう。学習の後はしばらく静かにしている方が記憶効果が高い。
従って、記憶した後で睡眠をとることは記憶の効率化になる。現在の大脳生理学では、夢は短期記憶を整理統合するのに重要な働きがあると考えられている。人は夢を見ているとき、外部からの干渉が殆どない状態を利用して、脳の中に蓄積された記憶を再生し無意味な情報と重要な情報を選別しているようである。寝る前に覚えたいものを五つ用意する。暗記出来ないものは語呂合わせでよい。次の夜に前の日の記憶を確認する。これが長期記憶の強化で、就寝前は記憶のゴールデンタイムである。

「カキクケコ」主義が脳と身体の健康を保つ秘訣
ある新聞に掲載された記事だが、名付け方も内容も脳の仕組に非常によくかなっている。
●カは感動。感じて動く、動くとさらに感じる。これが人間の精神状態の原理であり、脳の基本的活動パターンである。
●キは興味、好奇心である。齢をとると感動がうすくなる。また感動のきっかけを見逃すようになる。毎日同じような生活環境から一歩踏みだして、異なる自然や異なる人たちとつき合っていれば脳は自然に活発に動きだす。
●クは工夫。仕事でも人間関係でも、人生はあらゆる場面が工夫の連続である。困難をいかに工夫して乗り切るか、正に脳の出番である。工夫することが脳に素晴らしい刺激を与えることになる。
●ケは健康。健康と脳の健全さは切っても切れぬ関係にある。人は菌と共生している。人の体内に病原菌が入っても発病する人としない人がいる。いかに病原菌や病気と上手につき合うかである。脳が活性化していれば免疫機能の強さも加わってくる。
●コは恋。老いても素敵な異性に心がトキメクのは脳にとって自然のことである。性は生なり。脳の健康を保つ秘訣である。

人が学ぶのはそこに感動があるからだ
子供が勉強嫌いになる原因は自分の意志でやろうと思ったことでないことである。先生は一方的に授業を進め、生徒は暗記に務めるだけである。良い学校を卒業し社会的地位を得るための手段となってしまった。人はなぜ学ぶ必要があるのか。脳の仕組みからいえば、それは感動するためなのである。健康飲料の違いも、電子レンジやテレビの仕組みも知らない。判っているつもりだった。それが理解できたらどれだけ楽しいだろう。これが知的好奇心であり、興味である。老いたときこそ結果や見返りを求めない本当の勉強の喜びがわかる。
情緒の安定している人,ボケない人の共通点はよい食事習慣をもっている

人間の体内にある筋肉で一番大きいのは大腿筋で次に大きいのが顎(あご)の筋肉である。この大きな筋肉を動かすと沢山の血液が体内を巡る。これで脳にも十分な養分が送られる。ヒトは噛んで美味を堪能することで人間になった。一回の食事で噛む回数の理想は900回、現代人の平均咀嚼数620回。噛まない食事を続けることはボケへの道を辿っているに等しい。

人間が食を楽しむのは脳で食べるから

人間だけが味覚を楽しみ、共に食事をする相手と楽しい一刻を過ごす。食に文化のあることが他の動物と異なるところである。人間は脳で食べ、人間の食事には思考がある、思考のない食事はただのエサとなろう。

朝の脳は好奇心旺盛である。

人生をうまく生きるコツは早起きすることである。睡眠中の夢は昼間入ってきた情報を整理してしまうので朝に目覚めた脳は一段とフレッシュである。ゲーテは「朝の時間は金貨を貯えている」と言ったそうだ。また忘れてならないのは朝食だ。ある大学の寮で記憶テストを行った結果、朝食を食べない学生の記憶力は最悪であった。米のめしを良く噛んで食べるのが一番良い。

上手に歩ける人は、上手に脳を使える人だ
雨の日に足下にハネをとばす人が多い。ハネがとぶのは小指の方に体重をかけているからだ、意識して親指の方に体重をかけるようにすればとばない。最近はどこへ行ってもエスカレーターで、歩く機会が減ってしまったが歩く習慣を失った人間は、やがて脳への端末神経刺激が不足し老化が早まってしまう。少しでも歩こうとする習慣が脳の若さを守ることになる。また姿勢が悪ということは見た眼は勿論、脳にも悪い。脳への刺激が上手くいかないため若々しさが失ってしまう。

安定した精神状態は人との交流の中でこそ生まれる
脳は孤独に耐えられない。人間の本能は三つある。食欲、性欲、群居欲でこれがある程度満たされないと精神活動に変調をきたす。集団欲を満たせない人間は生きる気力を失い寿命を縮めることになる。齢をとったからこそ積極的に友だちを見つける努力が必要だ。
未知の場に飛び込む小さな勇気を持とう。

新しい趣味は新しい友を連れてきてくれる。多くの男性は会社以外の人間関係を築いてこないため退職後人との付き合いが減ってしまう。その点女性は新しい場に入れば新しい人間関係を自然に築いてゆく。

脳の健康を維持する「三かく運動」
一.汗かくこと。散歩でも少し早足で汗をかくように務めると、頭にゆく酸素量が目立って増えて脳の活動が促進される。
二、恥をかくこと。脳細胞の活動を停滞させる最大の原因は、決まりきった生活パターン。そんな日常は思考活動も停止する。この齢になって今さら恥ずかしい! を乗り越えるところに新しい世界が待っている。
三、書くこと。手は外に出た脳だ。自分が頭の中で考えたことイメージしたことを忠実に実行してくれるのは手が最も優れている。老いが進むほど手を動かすことで、衰える脳の健全さを保ちたい。

笑うこと、退屈しないこと
人の表情で最も美しいには笑顔だ。この素晴らしい表情は人間だけに与えられている特権である。しかし、「いい笑顔」となると、やはり日々笑っている人にしかできない。いい笑顔を作るには然るべき顔の筋肉が必要だからだ。大声をあげて笑うことは口を中心とする顔面を動かし、手や足を運動させるため、体性運動野を大いに刺激し脳内の活性化を促す。「笑う門には福来る」とは言い得て妙である。

私たちは生活習慣病について、偏食や運動不足によるものを警告されることは多いが、もの忘れやボケ対策も生活習慣の工夫によって果たせることが判った。


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