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2017年06月16日23:07

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言語学者が主役の映画 Arrival

昨日は仕事帰り、夜10時から地元のシネコンで、Arrival(邦題「メッセージ」)を見てきました。

Amy Adams演じる言語学者が主役というので、見たいと思っていた映画です。

linguist(言語学者)というと、言語学の研究者、と言う意味が原義ですが、一般的には「多くの言語を話せる人」みたいに考える人も多いかと思います。

この二つの意味は別に両立しないわけではなく、中にはKenneth Pikeの様に、全く新しい言語をあっという間に分析してしまう強者もいるのですが、実際はなかなか難しい。

それをAmy Adams演じる言語学者Louise Banksは宇宙人の文字言語をいとも簡単に分析してしまい… 現代理論言語学の大御所Noam Chomskyは、人間の言語能力は進化の過程で偶然手に入れたもので、ホモサピエンスとしてすべての人類に共通しているが、別の進化の過程を経た宇宙人と「言語」を通じてコミュニケーションできるとは限らないと言っていますが、この映画だと、意外と簡単にできちゃいますね。

言語学入門で、よく出てくる概念にサピア・ウォーフの仮説(the Sapir-Whorf hypothesis)というのがあって、これは要するに「ある言語の母語話者は,その言語の構造に影響を受けて、世界を見ている」という仮説です。

日本語だと、普段は名詞の単数、複数を気にしないので、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」とか「古池や蛙飛び込む水の音」という文を聞いたとき、いちいち、蝉や蛙が単数なのか複数なのか気にしませんが、英語話者にとってはこの区別は絶対的なもので、常に可算名詞の数を意識している、ということで、世界の認識の仕方が違うという仮説です。

映画ではこのサピア・ウォーフの仮説を極限まで強く解釈して、この宇宙人の言語をある程度使えるようになったLouise Banksは、そのおかげで、その言語に特徴的な時間の概念に関係する、我々からすれば物凄い超能力を身につけてしまうわけですが、これも、なんか「言霊」の様な概念をそのまんま使っている感じがして、おいおい、現実の言語にそんな力はないよ、と突っ込みを入れたくなりますが、映画自体はとても面白かったです。



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