杉山彦一「中村天風“心身統一法”解説 いのちを活きる」より。
生命は力を持つ
ひたむきに生きぬく本質的な働きをやりとげてゆくために、生命はたくましい力を持つ。
ザクザクする霜柱が消えるとすぐ、蕗(ふき)の薹(とう)が浅緑の芽を出す。たくましい生命の力だ。木々の緑の芽ぶきは、木の命のたくましいほどばしりである。
亭々とそびえる杉の大木も、もとは小さな種であり、苗であった。永い風雪の時を、たくましい力で生きぬいているのである。
水中の小動物も、柔軟な体を屈伸させ、回転させながら泳ぎ回る。小さいがたくましい力だ。鰯は魚扁に弱い魚と書くが、決して弱くない。大群をなし、大洋をスピーディに泳ぐ。全身に力を出して疾走する馬は、たくましくも美しい。
人間の心臓は、お盆も正月も休むことなく、ポンプのように70年も80年もはたらき続ける。すばらしい命の力だ。植物も動物も人間も、それぞれの生命を生きぬくたくましい力を持つ。「生命は力だ」、「生命は勢いだ」と、中村天風は生命の特質を、鮮やかにいい切る。
ログインしてコメントを確認・投稿する