⁂アウフヘーベンとしてのまとめ
縄文—国津神—アイヌ的アニミズム世界観が国家理念として制度化されていたと仮定するなら、国家は❶「排他的領域化」❷「利潤最大化」❸「軍事的動員」という近代国家を構成した三つの基礎原理を採用せず。
むしろ土地を超越的循環の場として扱う非所有的空間論。
更には互酬性を交換の規範とする非競争的経済倫理、そして自然循環の調整主体としての国家という非主権的統治観が制度的正統性の源泉となります。
この結果として、近代世界システムを駆動した帝国主義的膨張と総力戦体制(日露戦争:日中戦争)は政治哲学的に成立し得ず、更には一次・第二次世界大戦を生み出した“暴力の構造的条件”そのものが歴史的に発生しない別系統の政治的近代が開かれて確りとした恒久平和理念が論じうる事が出来ます。
⁑テーゼ
縄文〜国津神〜アイヌ=シャーマニズム・アニミズム の 自然崇拝 世界観 即ち
●土地は所有物ではなく、カムイの循環の場
●人は自然と共に生き、互いを支え合う存在
●交易は暴利ではなく、互酬性(お返しの循環)
●社会は競争ではなく、関係性の維持を目的とする
これは、アイヌ社会だけでなく、縄文的な「定住しつつも所有しない」世界観とも連続しています。
もしこの●世界観が天津神の世界観で「国家理念」になっていたら何が変わったか。
*アンチテーゼとして
「二つの世界大戦さえ避けられた可能性」は、歴史学的にも検討に値します、何故ならば。
◎ジンテーゼ
1. 領土の概念が変わる
稲作と資源貯蓄の近代国家は領土を「排他的所有」とみなし、資源・人口・市場を囲い込むことで国力を競いました。
しかし、土地=共有資源/カムイの場 という理念が国家の根本にあれば、領土拡張の正当化が成立しないです。
また、国境は「線」ではなく「関係の帯」になり〜資源争奪戦が構造的に起こらないのです。
これら●は、第一次世界大戦の原因である「帝国主義的競争」を根本から無効化します。
2. 経済が「互酬性」を基盤にする
近代資本主義は「利潤最大化」を目的とし、国家はその競争を産めよ増やせよと後押ししました。
しかし互酬性が国家理念なら、経済は「返礼の循環」=関係維持が目的で市場経済は競争ではなく「贈与の連鎖」になり、今の様に貧富の格差が構造的に拡大しないのです。
これは●第二次世界大戦の原因である「資源・市場の奪い合い」を抑制します事に成ります。
3. 国家の正統性が変わる
近代国家は「統治・管理・動員」を正統性の源としました。
しかし上記の様な●アニミズム的国家理念なら、国家は自然の循環を守る「場の管理者」で且つ人々は国家の構成員ではなく「共同体の育み手」になり、軍事動員の正当性が当たり前ですが成立しないのです。
此れは、●国家の役割が「支配」ではなく「調和の維持」になるため、戦争は制度的に起こりにくくなり恒久平和の理念に繋がります。
(政治哲学的構文)
アニミズム的世界観(テーゼ)が提示する非所有・互酬性・自然循環の理念は、
近代国家(アンチテーゼ)が前提とした排他的領域化・利潤最大化・軍事的動員という
“暴力の制度的構造”と対立するが、
両者の矛盾は、国家を自然循環の調整主体として再定義することで止揚され、
その結果、帝国主義的膨張と総力戦体制を生み出した近代世界システムそのものが
歴史的に発生しない別系統の政治的近代が開示される。
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