10月8日(水)
日本時間午後6時45分頃、ノーベル化学賞が発表された。3人の受賞者の一人は、京都大学の北川進特認教授(74歳)だった。他2名は、、オーストラリアのメルボルン大学のリチャード・ロブソン氏(88歳)、米カリフォルニア大学バークレー校のオマー・ヤギー氏(60歳)である。狙った物質を内部にとじ込められる「金属有機構造体(MOF)」の研究が、脱炭素や創薬、化学など幅広い産業の発展に寄与することが評価された。日本人の個人や団体の受賞者は、同2025年10月6日に医学・生理学賞を受賞した坂口志文教授に続き、30例目である。化学賞の受賞は、2019年の旭化成の吉野彰名誉フェロー以来、6年振り9人目となった。
写真=ノーベル財団の配信動画より 掲載元 詳細記事 日本経済新聞 2025年10月8日18時50分より
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC245KR0U1A920C2000000/
続いて化学の一分野、亜鉛の性質について迫っていく。
関連日記
��2025年ノーベル生理医学賞 坂口志文特認教授の功績について
・10月6日23時59分付け
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990839143&owner_id=32437106
�◆�2023年7月29日付 夏の花火大会 金属の炎色反応から花火の仕組みを説明する
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985590832&owner_id=32437106
�� 2023年7月31日付 (1) 2023年度小中学校の学力調査の結果 三角形の面積の求め方の低い正答率について
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985606644&owner_id=32437106
<化学 亜鉛の性質について(1) 名わき役として暮らしに役立つ>
写真掲載元 詳細記事 日新インダストーリー株式会社 豆知識 2022/10/11
なんで亜鉛なの??
https://www.nissin-industry.jp/column/1665475106-378032
金属の中でイオン化傾向が大きい亜鉛は、名わき役として実用品でも活用化されている。鉄、アルミ、銅に次いで4番目に消費量が多い金属は、加工するさいに役立つ。5円玉や金管楽器、仏具の素材で使われる真鍮は銅と亜鉛の合金である。銅の割合が6から7割に対して、亜鉛は3割から4割に上る。
最大の役目は、錆止め効果にあった。なぜなら、金属のイオン化傾向の大きさを示す列で、鉄より一列前に位置するからである。
写真=イオン化傾向の解説図
イオン化傾向が大きい程、錆びやすい。鉄製品に亜鉛をコーティングすることで、先に溶けてくれる。いわゆる「亜鉛メッキ」は、犠牲防食作用により、機械部品や建築資材、日用品を守っていた。もう一つの役目は、保護皮膜作用が働くことにある。亜鉛メッキの表面に、空気や水を弾く酸化皮膜を形成する。保護剤として重宝された。
写真=犠牲防食作用の説明図 写真=保護皮膜作用の解説図

マンションの土台を支える鉄筋コンクリートも、亜鉛メッキが威力を発揮した。コンクリートの原料は、セメントと水、砂利である。 複数の物質を混ぜ合わせると、セメントに含まれた成分が水に溶け込む。科学用語では「水和反応」という。生成されたアルカリ性の水酸化カルシウム(CaCl2)は、大気中の酸素に触れることにより、少しずつ中性化していく。
以下 化学の基礎について 写真掲載元 詳細記事 中学理科 ポイントまとめと整理
中3化学{中和反応}より 2021年9月20日付
https://chuugakurika.com/2018/02/28/1874/
化学の基礎に立ち返ると、酸とはH+を生じる物質のことを差す。一方アルカリは、電離してOH−を生じる物質のことである。酸とアルカリを混ぜ合わせると、H+ と OH− が結びついて水 H2O が生じる。いわゆる中和反応という。
式で書くと、H+ + OH− → H2O
中和反応を起こすと、以下のことが起こる。
・酸性を示す原因であるH+がなくなる
・アルカリ性を示す原因であるOH−がなくなる
<参考記事終わり>
アルカリ性のコンクリートに、塩酸(酸性)を入れると、緑色(中性)から黄色(酸性)へと変色していく。アルカリ度が低くなり、塩害と同様に鉄筋の不動態被膜が破壊され、腐食が始まる。
コンクリートの精製過程を辿ると、圧縮に強い一方、引張力には弱い。コンクリートの引張力は、圧縮力の1/10〜1/13程度である。
引張力が弱い背景は、セメントペーストの結合や構造上の問題である。変形性能が小さいうえ、ペーストと骨材との付着力が小さい。気孔・空隙が異常に多く組織が不均質で、引張力が作用した場合、骨材表面・気孔・空隙などの欠陥へ応力集中が生じる。
詳細 鉄筋コンクリートの性質の解説 コンクリートメディカルセンター 2018年3月21日付記事 コンクリートの圧縮強度試験について
https://concrete-mc.jp/compressive-strength-test/
建物においては、地震に備えて、コンクリートの弱点を補うため、鉄筋を配する。
すなわち、さびやすい鉄筋に、酸化防腐剤の亜鉛メッキをコーティングすることにより、経年劣化を抑え、長持ちさせるのである。
写真=鉄筋と亜鉛メッキの比較 掲載元 TOLED 2023年12月27日付 「亜鉛めっき鉄筋をご存知ですか?」より
https://www.toledo-ex.com/example/2023/12/post-20368.html
亜鉛メッキのコンクリートへの付着力は、黒皮と同等だった。黒皮は、主に鉄や鋼を高温で熱した際に、空気中の酸素と反応して自然発生する酸化鉄の皮膜のことを差す。 材料の加熱温度が高く(800〜1300℃程度)、空気にされされた状態で圧延や鍛造などの工程を経ると、表面に複数層の酸化鉄が形成される。
この黒皮は、以下のような酸化鉄で構成される
・FeO(ウスタタイト)
・Fe₃O₄(マグネタイト)
・Fe₂O₃(ヘマタイト)
注意しなければならないのは、母材とは化学的に結合しているわけではない。比較的簡単に薄利する。黒皮は、いわゆる空気中で生成される「副産物」となり、建物の外観や寸法精度に影響すると、除去される。
写真=黒皮 詳細記事 株式会社アスク 2025年9月1日付 黒皮(ミルスケール)とは?金属加工におけるその正体と重要性
https://www.askk.co.jp/contents/blog/black-skin.html
亜鉛メッキをコーティングしたコンクリートは、大気中に存在する炭素ガスによる中性化予防にも効果的だった。
鉄は錆びると体積が2,5倍に膨張する。鉄筋コンクリートの剥離・剥落へと進行し、耐久性は急速に低下する。
酸化反応式は以下のとおり。
Fe(鉄)+ 3/4O2(酸素) + 3/2H2O(水) → Fe(OH)3(酸化鉄) + 熱エネルギー(温かくなる)
化学について興味を示さなければ、亜鉛が我々の生活にどのように関わり、影響を及ぼしているのか、意識することはない。最も身近なところでは、資材不足に伴い高騰を続けるマンションの長寿化の鍵を握っていた。世界初のバッテリーであるボルダ電池にも亜鉛が使用されていた。機を見て、改めて紹介する。
■【速報】ノーベル化学賞に京都大学・北川進さんの受賞決定 「多孔性材料」のひとつである金属と有機物の複合体「多孔性金属錯体」を開発
(TBS NEWS DIG - 10月08日 18:56)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=8508622
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