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2025年09月06日04:19

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無私行為の絆(8)

『死の恐怖』の克服法について、『バンド・オブ・ブラザーズ』にも描かれています。

ノルマンディに降下後、一発も撃てず怯えている兵がE中隊にひとりいました。

降下から数日たち、101空挺師団は、カランタンの攻略に成功したものの、E中隊はカランタン近郊で、ドイツ軍の反撃に遭遇していました。後にE中隊の指揮を執ることになるスピアーズ少尉に、塹壕の中から彼は、「怖くて、まだ一発も撃てずいます」と告白します。

すると少尉は、怯えている彼に対し「お前は、すでに一度死んでいる。自分はすでに死んでいると思えば、兵隊として機能し始める」と助言をしました。

その後、彼は別人のように機能し始め、ドイツ空挺師団所属の下士官を狙撃し殺します。それからは他の兵士と同様に、彼は黙々と任務を遂行するようになりました。

日本軍と違いは、体罰のなさに注目すべきです。怯えている兵士に体罰を与えたところで、恐怖心をもったまま銃撃するなら、当然的に当たるはずなく、生存確率も低下するのは必然です。『雪風』は、昭和18年末から体罰のなくなったことも、また幸運艦になる運命でした。

「一億総特攻の先駆けとなっていただきたい」という草鹿参謀長の言葉で始まった沖縄特攻は、第一波の攻撃から5時間で、『大和』を含め10隻のうち6隻が撃沈させられました。そして、近年の調査で判明した『大和』の大爆発は、二番主砲の弾薬庫と判明しました。

弾薬庫内に可燃物はあるはずなく、同じ部位への複数の魚雷や爆弾の直撃などの原因で防護壁が破られたと推測されます。主砲46cm砲の砲弾数は、主砲の真下にある弾薬庫毎に推定最大300発です。それが沈没直後に水中爆発を引き起こしました。その結果、撃沈された複数の艦から海に飛び込み避難しようとしてしていた多くの将兵の命を奪ってしまいます。救助に向かった『雪風』は、海面に漂う無数の死体の中で、生存者を探していました。

その時、西崎少年の近くにいた、ある新任将校が「元気な奴を先に救助しろ」と声を張り上げたそうです。

すると『専任兵曹殿』は、「なに、まだこれから戦うつもりか!」と名古屋弁で一喝。それを聞いていた甲板上の将兵達は、生存者を誰彼かまわず、手を差し伸べ救い続けたと西崎少年は回想していました。

敵機襲来もあり得る中、3時間かけ『雪風』の救助出来た生存者は、軽巡洋艦『矢矧』の乗員をあわせても、わずか100名程度でした。


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