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2025年08月22日19:22

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2025年ロシア軍とウクライナ軍の戦い 第11回目(7月8日から8月11日)迄 米ロ首脳会談の舞台アメリカがロシアからアラスカを購入した経緯 

 <2025年ロシア軍とウクライナ軍の戦い 第11回 7月8日から8月12日迄>

 ロシア軍とウクライナ軍の戦いは、2025年以降停戦交渉が行われているものの、両国の間で隔たりは大きく、解決には至っていない。余力があるロシア軍が、停戦に応じる姿勢を見せながら、西欧からの追加経済制裁を交わす。独自に名々した「特別軍事作戦」は、自国の兵士を犠牲にして、成り立っていた。停戦の仲介役を引き受けた米第49代ドナルド・トランプ大統領は、お手上げ状態である。第1次政権で、ロシア疑惑がかかった影響により、西欧諸国から対応の甘さが指摘されていた。手詰まりになった停戦交渉の行方と共に、ウクライナの政治情勢、戦況に焦点を当てた。第5章では、8月15日米ロ首脳会談の舞台となったアメリカがロシアからアラスカ州を購入した経緯について紹介する。

目次
・第1章 キーウへの攻撃の手を強める。
・第2章 イタリアの首都ローマで開催された第4回ウクライナ復興会議について
・第3章 2025年3度目の両国による実務者協議を開催する
・第4章 米ロ首脳会談に向けて、ロシア軍とウクライナ軍の攻防
・第5章 アラスカがロシアからアメリカへ渡った経緯
・第6章 米ロ首脳会談に向けた戦況の変化
・番外編 その後の展開

�〜芦鵝‖�10回 7月8日付 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990300210&owner_id=32437106

��第5章の関連日記 アレクサンドル二世について
2021年6月23日付 19世紀ロシア帝国統治下のフィンランド大公国の108年
 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979607629&owner_id=32437106

第1章 キーウへの攻撃の手を強める。

 ロシア軍は、疲弊したウクライナ軍に圧力を加えるべく、春先から攻撃をエスカレートさせている。7月9日と7月10日には、首都キーウを狙って、二夜連続ドローンとミサイル攻撃を行った。少なくともキーウ市内で、22歳の女性警官と68歳の女性の2人が亡くなった。翌7月11日に、マレーシアでロシアのラブロフ外相とアメリカのルビオ国務長官との会談の最中だった。

 ゼレンスキー大統領は、ロシア軍が18発のミサイルと400の無人機を投入したとの見方を示した。前日となる9日には、さらに数が多く、13発のミサイルと720の無人機で攻撃を仕掛けていた。2夜連続、消防隊が出動した。無人機の破片の直撃による火災現場で消化活動に当たった。

 詳細 7月9日と7月10日の首都キーウへの無人機攻撃について AFP BB News 2025年7月10日18時2分付 

 同7月10日、マレーシアの首都クアラルンプールで、ASEAN会合の傍らで、アメリカのルビオ国務長官とロシアのラブロフ外相が、会議室の机で向かい合いながら対面した。ルビオ国務長官は、和平へ応じないプーチン大統領に対して、トランプ大統領が不満を示していることを、率直に伝えたという。ラブロフ外相も、苛立ちを募らせるトランプ大統領の気持ちを理解していた。会談後ルビオ氏は、記者団の前に現れ、「いくつかの考えやコメントを共有した」と短く説明して、終えた。進展はなかったとみられる。

写真=マレーシアでのルビオ国務長官(左側)とラブロフ外相(右側)の会談の様子 出展:Mandel Ngan/AFP/Getty Images 掲載元 CNN.co.jp 2025年7月11日12時15分付 https://www.cnn.co.jp/usa/35235415.html
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 第2章 イタリアの首都ローマで開催された第4回ウクライナ復興会議について

一方、7月10日と11日、イタリアのローマにて、ウクライナ復興会議(URC2025)が開催された。70カ国から6000人が出席する。ロシアの軍事侵攻を受けて以降、開催は4年連続になる。会議では総額130億ユーロを超える200件以上の協定や覚書が締結された。当事者のゼレンスキー大統領は、復興基金に拠出する参加者に謝意を示した。「ウクライナの共同復興プロジェクトには、ロシアの戦争継続に加担しない真のパートナーのみを歓迎する。ウクライナの経済や技術の復興に加わるのは、われわれの友人だけだ」と民主主義陣営としての一体感を示した。URC2025では、欧州委員会や世界銀行、欧州投資銀行、欧州の各国政府や機関により、ウクライナ支援について明らかにされた。欧州委のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は10日、支援の詳細を発表する。一つは、補助金と融資保証からなる23億ユーロの新たなパッケージを提示する。もう一つは、株式ファンド「ウクライナ復興のための欧州フラッグシップ基金」を創設した。ウクライナでプライベート・エクイティー・エコシステムを構築し、復興につながる資本誘致を目指す。日本も積極的に復興を後押しする。日本政府内の経済産業省とスビリテンコ第1副首相兼経済相と国連工業開発機関(UNIDO)の間で、取り決めが交わされた。日本の経済産業省が資金を提供するウクライナのグリーン産業復興プロジェクトの本格的な協力に関する協定について署名された。同プロジェクトの総額は1億8,800万ドルになる。約30社の日本企業がウクライナのパートナー企業とともに、フィージビリティースタディーと実証実験を行う。
首相として最後の任務となるシュミハリ氏は、会議の閉幕にあたり、西側諸国の一員との認識を示した。「URC2025は国際社会の揺るぎない結束と連帯を示した。ウクライナの復興は世界的なプロジェクトで、その成功は世界の安全保障と経済に影響を与えるだろう」と総括した。同7月17日に、首相の座は、スビリテンコ氏に交代した。次回2026年はポーランドで行われる。

写真=メローニ首相(中央)とゼレンスキー大統領夫妻(Diia City提供)掲載元 復興会議の詳細記事 JETRO ビジネス短信 2025年7月22日付
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 徐々にロシアへ批判に転じるトランプ大統領は7月13日に、ウクライナへの支援に踏み込む発言をした。首都ワシントン郊外の空軍基地で記者のインタビューに応じ、「彼ら(ウクライナ)が必要としているパトリオットが送られるだろう」と語った。決断力のある大統領らしからぬ、言葉を濁していた。なぜなら、費用は西欧諸国が負担するからである。

 トランプ大統領側からしてみれば、前バイデン政権のように、ウクライナへの支援体制に傾けば、プーチン大統領に交渉のテーブルに付かせることは出来なくなる。あくまでもロシアに敵対姿勢を示す西欧諸国が、アメリカから買い込む方法を採用した。トランプ大統領は、利益を得るために売却を決断したのである。。

記者団に対して、プーチン大統領についても言及した。「彼は自分で言ったことに本気である人物だと思っていた。彼はとても美しいことを話すのに、夜になると空爆する」

 彼の言い分では、ウクライナの求めに応じたわけではない。高額での購入を希望するヨーロッパ諸国に「パトリオット」を売り渡したのである。いわゆる「ディール」である。プーチン大統領からみれば、明らかにウクライナ寄りの姿勢に傾いたと移っているはずである。トランプ大統領の心境にも変化が起きていた。

 写真=米国防省が所有するパトリオット 掲載元 詳細記事 NHK NEWS WEB 2025年7月14日11時48分付 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250714/k10014862771000.html
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 ウクライナのゼレンスキー大統領は、アメリカを繋ぎとめておくため、決断を下した。7月17日に、大統領の権限として首相の交代に踏み切った。新たに1985年生まれのスビリテンコ氏を起用した。前任者である1975年生まれのシュミハリ氏と比較して、アメリカと強いパイプを持つ。現にスビリテンコ氏は、4月30日に米国の首都ワシントンで行われたウクライナ産鉱物の共同発掘権に関する書類にベッセント財務長官の横で署名していた。

 ロシア軍による長引く侵攻により、西欧諸国から援助を受けるものの、全て賄えるわけではなかった。新首相の任務として、IMF(国際通貨基金)に支援を求める意向を示した。アメリカのブルーム・バーグ社のインタビューにおいて、財政の厳しさについて打ち明けた。今後2年間で必要とされる750億ドル(約11兆円)のうち、国際支援では確保できた金額は約半分に留まる。約160億ドル規模のIMF融資プログラムの期限が、2027年に終了予定であることを踏まえれば、新たに支援策を協議する必要が生じる。停戦が実現したとしても、復興までの道程は長い。スビリテンコ氏は、ロシア軍との戦いは2026年も続くと見て、財源確保に勤しんでいた。

 詳細 スビリテンコ氏の就任から実務 Bloomberg 2025年7月22日17時51分付



  第3章 2025年3度目の両国による実務者協議を開催する

 7月23日、2025年に入り、5月16日、6月2日に次ぎ、トルコのイスタンブールにて、3度目となる両国の実務者協議が行われた。合意がとりやすい捕虜交換や遺体の返還については概ねまとまった。近いうちに1200人規模での捕虜交換を行う。ロシアのメディアは、会議の時間について、過去3回で最も短い45分で終了したと報じている。出席したウクライナのウメロウ国防省は記者団の前に現れた。停戦へ向けて、3つの重要な点を提示したと自身のSNSで報告した。

�� .完全かつ無条件の停戦、
�� ウクライナとロシアの首脳による会談の実現、
�� 人道的取り組みの継続特に首脳会談に関しては、米国のドナルド・トランプ大統領やトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領らの参加を得て、8月末までの開催

一方ロシア側は、捕虜交換や戦死者遺体の収容を目的とした短期停戦、軍事、政治、人道に関する3つのオンライン作業部会の設置などを提案した。会議後の記者会見で、代表団を率いたロシアのメジンスキー大統領府補佐官は、「第4回目の開催を期待する」と述べた。両国の間で一致点が見出せず、長期戦になることを想定して進めていく。

 詳細 2025年7月23日にトルコのイスタンブールで行われた停戦交渉について JETRO ビジネス短信 2025年7月28日付 https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/07/dd7981009e8e643c.html

ロシア側は、過去にも対面での実務者協議や米国のトランプ大統領との電話会議後に、攻勢を強めていた。7月24日の未明のことだった。紅海に面したオデーサ中心部にロシアの大規模ドローン攻撃があった。市民や観光客に人気の市場「プリボーズ」で火災が発生し、施設の一部が焼失し住宅にも被害が及び、4人がけがをした。ゼレンスキー大統領は、改めて欧米に防空システムの供与を求めた。

 写真=プリボーズでの火災現場 詳細記事 オデーサでの火災 FNNプライムオンライン 2025年7月24日午後10時34分 https://www.fnn.jp/articles/-/906893
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7月31日、ロシア軍は新たに成果を誇示する。16ヶ月に渡って戦闘を続けていた東部ドネツク州の要衝チャウシヤルの制圧を宣言した。ロシア国防省は「解放した」との言葉を使う。対してゼレンスキー大統領は「偽情報だ」と批判する。ロシア軍が2023年の春先に制圧を宣言したバフムトのすぐ西の高台に位置するチャウシヤルは、平原を一望できる。見晴らしの良さから、砦を築くと、敵の気配に気付きやすい。ドネツク州完全制覇へ着々と進めている以上、停戦交渉において強気の姿勢を貫く。ウクライナ軍は、防衛にも苦しくなった。

 同7月31日の未明には、キーウにもミサイルとドローンを駆使した大規模攻撃があった。子ども2人を含む少なくとも16人が死亡、155人が負傷した。
ゼレンスキー大統領は、ロシアが300機以上のドローンと8発のミサイルを発射したとテレグラムに報告する。救助隊によると、負傷者のうち子供16名は、一都市の攻撃で最多になる。キーウの軍当局トップは国営テレビで、負傷者の中には生後5カ月の乳児も含まれ、子ども5人が入院していると、事実を伝えた。

詳細 7月31日未明のキーウへの大規模攻撃について Reuters 2025年8月1日午前 8:33
https://jp.reuters.com/world/ukraine/CEBNLJK5SNM73M5RPDREUYR2EA-2025-07-31/

ロシアは、民間人を省みず、軍事力を誇示することにより、ウクライナ政府に妥協を迫っていく。


 第4章 米ロ首脳会談に向けて、ロシア軍とウクライナ軍の攻防
  
アメリカのトランプ大統領は、停戦を引き延ばしにするプーチン大統領に対して、次第に厳しい対応をとりつつある。8月6日を期限に交渉のテーブルに乗るか否か、返事をしなければ、追加制裁を課すと明言した。

 現場のロシア軍は、トランプ大統領の発言におびえることなく、忠実に任務をこなした。ロシア国防省は8月5日付、ドニプロペトロウスク州東部の村を制圧したと主張した。対してウクライナ軍は、否定している。隣接するドネツク州の要衝ポクロウスクも包囲されていない、と奮闘振りをアピールした。

 詳細 ロシアの軍事作戦の状況について ロイター通信 2025年8月6日午前 9:36


 米ロの交渉も着実に進んでいる。8月6日に、ロシアは米国のウィトコフ特使を首都モスクワのクレムリンに招待した。プーチン大統領と会談前に、ロシアのキリル・ドミトリエフ氏が、ウィトコフ氏の案内役を務め、市内を散策して、緊張感を解いたという。キリル・ドミトリエフ氏は、ロシア直接投資基金のCEOを務め、米国との繋がりが深い。両国の政府のパイプ役を務めている。日本時間の午後8時40分から、ウィトコフ特使は、プーチン大統領との会談に臨む。地元ロシアメディアは、3時間に及んだという。プーチン大統領は、従来の主張を繰り返し、ウクライナのNATO非加盟、領土割譲を迫った。ウィトコフ特使は、プーチンの停戦への要求を聞き入れ、トランプ大統領に伝える。

 詳細 ウィトコフ特使のモスクワ訪問 NHK NEWS WEB 2025年8月6日21時8分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250806/k10014886481000.html

 トランプ大統領は、停戦に関して条件を緩和しないプーチン大統領に対して、初めて制裁を下す。ウィトコフ氏からの報告を受けて、アメリカ東部時間8月6日に、ロシアに対して「二次関税」を課す法案に署名した。ロシアから直接的・間接的に石油を輸入するその他の国にも同率の関税がかかる。ロシアとの貿易量が多いインドには、一律関税25%を課した。

 詳細 トランプ関税について JOGMEC 2025年08月15 日 原田 大輔
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1010309/1010572.html

トランプ大統領の本気度から、プーチン大統領の方も決断する。8月8日に、トランプ大統領は、プーチン大統領との直接対面となる米ロ首脳会談を15日アラスカ州で開くと、SNSに書き込んだ。8月6日のウィトコフ特使との訪問で、首脳会談について調整していた可能性がある。トランプ大統領は、2025年1月20日の2期目の就任以来、6度電話協議を重ねたものの、埒は明かなかった。直接対面することで、トランプ大統領としては、停戦へ向けた本気度を示す。


   第5章 アラスカがロシアからアメリカへ渡った経緯

アラスカ州は、米国とロシアの両方に属した経緯がある。1728年に、ロシアで初めてエンペラールの照合を得た時のピョートル一世の命令に基づき、探検家ベーリングによって発見された。ベーリングは、未知なる資源を求めて、東方へ開拓していく中、地峡に行き着き、対岸へとわたった。後に探検家の名前をとり、「ベーリング海峡」と名づけられた。

写真=ベーリング海峡 掲載元 NHK NEWS WEB 2025年8月15日13時37分付
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250815/k10014894691000.html
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ベーリングの死去により、意思を告ぐ仲間らが、1741年に対岸のアラスカを開拓した。アメリカ合衆国といえば、イギリスの植民地から逃れ、1776年7月に東部13州による独立宣言が行われる。自由を求めてヨーロッパから移り住んだ人々の間では、アラスカ州にまで手が及ばず、徐々に西側へと開拓した。ロシアの方は、1799年に、パーヴェル一世の時代に、ロシア・アメリカ会社を設立した。アラスカを足がかりに、現在のカナダへと支配地域を広げる準備を整える。実際時の帝政ロシアは、ナポレオンが台頭したヨーロッパへの対応に忙しく、アメリカ大陸開拓へ予算も人員も避けなかった。アメリカ合衆国は、共和制による人々の結びつきが強く、一気に中部から西部へと人々が移り住む。ロシアは優先順位を後回しにしたことにより、干渉できなくなったのである。1823年に、アメリカは第5代目ジェームズ・モンローが、他国への不干渉を提言した「モンロー教書」を発して、自己防衛した。いわゆるアメリカ孤立主義を明言したのである。時のロシア帝国は、専制主義体制により、貴族による農民が搾取されていた。イギリスに端を発した産業革命により、近隣諸国が工業化へ着手する。一方で古い体制のロシアは大きく取り残されていた。1956年、オスマン帝国と一戦を交えたクリミア戦争の敗北により、大転換を迎える。時のアレクサンドル二世は、工業化に向けて、速やかに資金を調達する方法を考えた。1867年3月30日にアメリカに対して、アラスカを売却し、720万ドルを得た。アラスカは、当時未開の土地だった。1799年にアラスカを拠点に会社を設立したものの、目だった成果は上がらなかった。領土を保持するには、人員を割く必要がある。冬の寒さが厳しく、人の居住区として適さない。効率よく投資をするべく、領土保持へ見切りを付けたのである。アラスカをアメリカ合衆国への売却資金を国内の設備投資に充てる。機械化に適した米国産の綿花を中央アジアに移植することに成功した。大国としての威信を示すため、生産を急ピッチで上げたのである。ヨーロッパへの不干渉の立場から、アメリカは広い国土を探求する。19世紀末から20世紀初頭にかけて、アラスカには金鉱が発掘された。1951年1月3日に、飛び地でありながら、米国の49番目の州に認定される。1977年には、アラスカ州北部のブルドー・ベイ油田で生産が開始された。1980年にピークを迎え、米国全体の生産量のうち25%をアラスカ州で賄った。

 詳細 ロシアのアラスカ売却についてラム  国際交流  2020.06.02
語られないロシアの歴史とアメリカとの深い関係 より

 ロシアは、アラスカで得られたはずの権益を確かに失った。次のソ連時代を通して、歴史代の指導者達は、アレクサンドル二世の決断を尊重したのか、アメリカへ返還要求はしていない。プーチン大統領は、2014年4月17日に、国営放送にて、国民からクリミアに続き、アラスカを取り戻して欲しいと懇願されていた。彼は「寒すぎる」と短く返答した。帝政からソ連時代を跨ぎ、歴代の指導者と同じく、プーチン大統領もモスクワから東、または南へと視線を向けている。近代的な兵器を備えるアメリカと一戦を交えたくない。その本音が見えていた。

 詳細 プーチン大統領のアラスカへの発言 AFP BBNEWS 2014年4月18日付
https://www.afpbb.com/articles/-/3012928
 

 第6章 米ロ首脳会談に向けた戦況の変化

ウクライナへの軍事侵攻は、2014年からすでに始まっていた。今後民主主義陣営の西側諸国と、ロシアと同盟国ベラルーシの間の安全保障政策について議論することで、新たに戦争を回避できる。世界に影響力を持つアメリカには、その役割を担っていた。

 ロシアは、停戦に向けた実務者レベルを含む協議を前に、一段を現場の戦闘体制を引き締める。ドネツク州の要衝ポクロウシクの制圧を狙って、13日までのこの数日、ロシア軍はドプロピリャ方面にかけて、1日10km前進している模様である。

 写真=ポクロウシクの位置 西日本新聞 2025年7月31日付https://www.nishinippon.co.jp/image/942009/
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 詳細 TBS NEWS DIG 2025年8月14日付け https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/2108168?display=1



 ウクライナ側も、一矢報いるべく、8月12日にスムイ州にて、ステプネとノボコスチャンティニウカの2集落を開放したと明らかにした。既に10日には、ベズサリウカ村を奪還したと主張している。

 詳細 スムイ州での攻防 2025年8月12日午後3時58分付 ロイター
https://jp.reuters.com/world/ukraine/ZL4FRWRJPNPT5FX42GUZJSQMXM-2025-08-12/
スムイ州は、昨2025年8月に、ウクライナ側が越境攻撃を成功させたロシア領クルスク州に接する。ロシア側は、北朝鮮兵の力を借りて、徐々にウクライナ軍を追い詰めた。2025年3月にウクライナ側は、クルスク州の州都スジャから撤退し、越境領土を失った。ロシア軍は、報復としてウクライナ領スムイ州で攻勢を強め、ロシア領との間に緩衝地帯を築く。現在その最中にある。軍事作戦の本丸は、ドネツク州とルガンスク州から成る「ドンバス地域」の完全制圧だった。兵士を犠牲にしながらも、着実に軍事作戦は進んでいるといえる。

 ウクライナの安全保障政策は、我が国のことのように受け止める西欧諸国は、米ロ首脳会談の結果を注視する。8月10日に、イギリスで休暇中だった米国のバンス副大統領が、イギリスの首都ロンドン近郊の外相公邸に呼ばれた。同国のラミー外相、ウメロフ・ウクライナ国家安全保障・国防会議書記、イェルマーク・ウクライナ大統領府長官が参加した。その他、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、フィンランド、欧州連合、北大西洋条約機構(NATO)の安全保障担当者らが加わっている。

 写真=イギリス外相公邸の模様(出展先:英国外務省より)。左から、ウメロフ・ウクライナ国家安全保障・国防会議書記、ラミー英外相、ヴァンス米副大統領、イェルマーク・ウクライナ大統領府長官 


掲載元 詳細記事 2025年8月10日付 BBC NEWS JAPAN https://www.bbc.com/japanese/articles/c5y0gw8dndqo
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米国の経済紙として最大の発行部数を誇るウォール・ストリート・ジャーナルによると、欧州の高官らは、ウクライナの領土の行方に関心を持っていたとのことである。会談の内容は公開されていない。ロシアは停戦の条件として、2022年9月30日に一方的に住民投票の末に併合を宣言した東部4州からのウクライナ軍の撤退をあげている。もちろん、2014年にも西側諸国から不公平と指摘された住民投票の結果併合したクリミア自治共和国の放棄を突きつけた。少なくとも2022年2月24日の軍事侵攻以降併合した地域をロシア領と認める分けにはいかない。力による現状変更は、民主主義に反し、大国の論理が通用することになる。つまり、小国は、大国に屈し、取り込まれることになる。仲介を務めるトランプ大統領は、ポピュリスト、民主主義には懐疑的な立場だった。ロシア軍による軍事侵攻は、第2次世界大戦後、「民主主義の最大の危機」、「ポピュリズムの台頭」が進んだといわれている。ロシアは、北朝鮮から軍事支援を受け、中国の理解を得て、領土拡張を狙っている。まさに大国の論理をふりかざし、小国を封じ込めていた。

   番外編 その後の展開

 その後8月15日に米ロ首脳会談が開催された。後に会談内容が明らかにされている。欧米のメディアは、終始ロシアペースだったといわれている。停戦へ向けた糸口はなく、ロシアは従来の主張を繰り返した。米ニューヨークタイムズ紙が、8月16日に報じた内容によると、プーチン大統領は、停戦へ譲れない条件として、ドンバス地域の完全な明け渡し、恒久的にクリミア自治共和国の主権放棄を含め、2つあげた。ウクライナ側は、クリミアを含めた領土割譲は認めていない。プーチン大統領は、トランプ大統領との会談の中で、一定程度譲歩したとのことである。ウクライナへ東部4州のうちザポリージャ州とヘルソン州で停戦し、スムイ州内の実行支配地域を返還する意図をちらつかせたとのことである。

 次回は、米ロ首脳会談、その後の西側諸国を交えた米ウ首脳会談について掘り下げてかたっていく。その他、ロシアの協力国ベラルーシの政治体制、ロシアの影響力が低下した中東のナゴルノ・カラバフ地区を巡る、アルメニアとアゼルバイジャンの和平について紹介する。
 
 
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