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2025年03月18日10:37

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音声合成ではない

NHK「新プロジェクトX」で「初音ミク誕生秘話」4月放送
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=8243076
ボーカロイドの話題があればその記事の内容を見て「音声合成」という言葉があれば否定する記事を書くことにしている。
販売元がそう言っているからそうなるのだろうがこの「合成」という言葉は非常に勘違いを生んでいる。今もなお「電子的、機械的なものが人の声を合成している、つまり人工的な声を作っている。そんな声を聴いて感動するなんて理解できない、呆れる。」という意見。
こういう勘違いが多いのでその誤解を解く必要がある。

未だにこの言葉に勘違いしている人向けに書くとボーカロイドは人の声を人工的に生成しているのではなく「実際の俳優や声優の声をサンプリングしている」に過ぎず、決して機械で合成した声ではない。合成という言葉が出てくるのは例えば「あ」と「い」のつなぎの部分が単発の声のつなぎだとぎこちないからそこを自然に聴こえるように「調整された」ものであると言える。それは合成と言ってもごく一部の話であり、聞えてきている声そのものは人の声に他ならない。

こういった技術は楽器の世界ではすでに90年代にはパソコンで音楽を制作するソフトと共に販売され音を鳴らすという点ではすでに一般的になっていた。今、テレビや一部の音楽ではDTMというDAWを使った電子音で作った音が主流で生演奏を録音している方が少ない。アーティストなどのロックバンドは演奏を録音しているが、電子音はパソコンで作っていたり、演奏前のテスト制作ではパソコンで作るケースも多い。

楽器を鳴らすということも先ほどは「電子音」と書いたがギターやベース、ドラムなどの音はバイオリンやチェロなども含まれるが楽器として鳴らされるサウンドはすべて本物の楽器を鳴らして「サンプリング」して出している音なので電子音と言ってもなっている音は本物の楽器の音が鳴っている。
そうなると人の声もサンプリングで出来ないか?という発想は自然に生まれるもので別に日本でのみ開発されたわけではなく外国でも同時進行で開発されていた。
つまりボーカロイドと言っても音楽を制作するための一つのツールでしかなく特別なものというわけではない。実際、黎明期に発売された外国製のボーカロイドもあるし、日本でも開発元のヤマハ、クリプトンF社が販売したがそんなに盛り上がった話ではなかった。
それは音楽制作にかかわる人にとっては福音であっても一般の人にとっては無用なツールでありそれもごく自然のことであった。

初音ミクの販売前にMEIKOとKAITOが発売されたがMEIKOの方はロックシンガーのような系統の女性の声質で、KAITOは女性が好みそうな優しい感じの男性の声だったがそれほどは刺さらなかった。というか世間的には全く無感で本当に音楽を制作している人の間では使われたかもしれないがそこまでではなかった。

流れが一変したのが初音ミクの登場だった。これは私感を書くがバリバリの女性ロックシンガーでもダメ、アイドルのような男性ボーカルでもダメと来たから今度はオタクに刺さりそうな少女キャラのアイドル歌手という設定でアプローチしたというところだろう。
番組ではどう語られるか知らないが、これもまた自然な流れでそうなると考えられないことも無い。

起死回生の一撃は本当にブレークスルーを起こして動画再生サイトで話題になったがどちらかというと2Dに次制作の部分が先で、音楽は後から来たようなもの(私感)のように思う。実際、私も2009年頃にはボーカロイドの存在を知っていたが当時の感じでは「何やら歌わせることのできるツールがオタクの間で流行っている。」という感じだった。
ルックスもまさにそんな感じだった。しかし、それが功を奏したということは否定できない事実でもあった。もしこれがなければ前と同じようにそんなに世間で言われるようなムーブメントにはなっていなかっただろう。自分としてはけなしているのではなくオタク文化自体はすでに否定されるような存在ではないということだ。漫画文化の外国での広まりとマッチし、ボーカロイドは世界的なものになって行った。それは開発元も販売元も当初は意図していなかっただろうと思う。
しかし、この合成という言葉が未だに一部の人々の間で抵抗感としてあるのは間違いない。それは勝手にすればいいという話ではなく誤解は解く必要があると思っている。
実際私もそういうヘンな固定観念から否定派の一部だった過去がある。
ここからは自分の歴史について一部書く。

自分としては導入するのをためらっていた部分もあった。
しかし、自分の声で録音する機器を持っていても自分の歌がヘタということもあり真剣に導入を考えたが初めに考えたのはヤマハのエンジンだったり、MEIKOやKAITOだった。
しかし、どう聴いても自分の音楽を表現するには初音ミクが合っているというのもあって導入した。それは「オタクのおもちゃ」という世間の偏見を乗り越えた末の決断であり自分がそういう者を使って歌わせることはあまり肯定していなかったし、割と値段も言うので勇気が要った。使えないものだったらどうしようということだ。

しかし、V2の歌声ライブラリーであっても割とちゃんと歌ってくれた。性能は若干イマイチな部分もあったがそれでも90%のクオリティで自分としては革命だった。
申し訳ないが2Dコンテンツとしての先走りが強すぎて本来の使い方そのものの凄さが伝わっていない部分が大きい。
特に音楽制作をしている人からするとこれは画期的なブレークスルーで自然の流れから生まれた開発劇もこれほどまでに制作者の期待に応えてくれるとは思っていなかった。
これも申し訳ないがやはり2Dコンテンツの影響の方が大きく音楽制作ツールとしての優秀性が二の次になっている部分がある。

楽器の音も、歌声もパソコンで制作できるようになって、ネットというツールがある以上、音楽制作をして公開しないという理由がない。感動した楽曲のように自分も音楽を作ってみたいという人は簡単に始められる(実際は操作が難しいのでそう簡単ではないが)のでチャレンジして欲しい。番組がそういう方向であることを期待する。


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