業界の最前線で現場を管理していた私がその内幕を言う。
まず、業界の競争がある。
これはモデルチェンジ(MC)と呼ばれる制服のデザインが変わるというムーブメント。よくある話なのですがそれがそもそもの原因でもある。このモデルチェンジ(MC)突然起こる。要するに入札で他社が落札すればそこでメーカーがチェンジするので制服の仕様も変わりますという話。学校側が価格だけでなく、イメージ刷新ということで仕掛ける場合もある。それが数年前から計画されるというのなら分かるが、営業の提案で急に決まるというから問題が起こる。
そうなるとメーカーは在庫を持ちづらくなる。いつ取られるか分からないのに在庫を積めるかという理屈だ。全国津々浦々の学校のどこが取られるか分からない。取られた学校の在庫はあらかじめ作っている製品でありシーズンに向けての工場の作り込みにも当たるが全部ゴミになってしまう。そこに大きな問題がある。業界は各学校を入札で取った時に何年後という話にはしない。協定を結んだら独禁にも触れるのか来年から急に変わるという話になってしまう。だから会社としては在庫を積めなくなって昨年実績から少しづつ在庫を作り始め、納入が確定した物件から一気に作り込みをし始める。
なので、6月以降は金土日が休みで、タップリ休みがあるが、9月以降から段々土曜の休みが少なくなり、2、3月は日曜を全部仕事日にする会社もある。
どうやろ労基法では「ばん、やむ負えない場合はそんな働き方をさせてもいい」という文言があるので大丈夫らしい!
なので、この時期は日曜も無く、残業をさせられている会社も多い。
まぁ、そんなことをしているから人が来ないわけだが・・・
工場はたまらない。
閑散期は金曜が休みでも仕事が無い状態があったり、催促したら制裁を加えられるようなこともあるから(実際私が実質クビになったのもそういう背景がある)なかなか反論も出来ない。それが巡り巡ってユーザーに行くのだから何で?と思う人もいる。
背景にそういうことがあると心の隅に置いておいて欲しい。
銀行も良くない。そういう来年に向けての作り込みを「在庫」と見てしまう。
在庫は持ちすぎると企業業績に影響するとか、会社がつぶれるという恐れもあるからカネを貸す銀行も否定的な目でしか見ない。そういうことも在庫を作らない背景としてある。
更に言うと会社の実績のつじつま合わせがある。
6月決算の会社ではシーズンが終わった後から、4月〜6月末までの間、でも工場は回さないといけないから作り込みをしなければならない。しかし、帳簿を良く見せるために在庫量を押えておきたいという心理がある。工場が回らなければ、社員の給与にも関わるからこの時期給与が安くなるタイミングで転職が起こる。技術を要する縫製の仕事で何年も務めた人が辞めるのは生産にとって致命的である。管理をしている方は閑散期でもそういう不安の中で仕事をしている。
ムサシノがどういう会社かは生産現場では分からない。しかし、名前は聞いたことのある各メーカーは多いのではないか?
しかし、このムサシノを始めとする会社は代理店で全国にも〇〇被服とか○○呉服とかいう老舗の衣類店があると思うがその仲間である。メーカーは各県の各市に販売店を置くと膨大な経費が発生するからこういう「町のお店」と持つ持たれつをやっている。
しかし、中にはムリな注文がガンガン入れてくるところもある。このような町のお店も小さいところが多いから在庫は持ちたくない、銀行から目をつけられるのもあって在庫を持ちたくないという心理もあるからギリギリで注文を入れることが多くなる。つまり「入学シーズンが済んだら在庫ゼロ」にしたいというのだ。それはさっきの決算で業績を良く見せたいというのもある。まぁ、作る方からすれば「ムシの良い話」だ。要る時には法律違反しても作れと言い(実際はあからさまには言わない)、従わないなら納入するメーカーを替えると脅してくる。だから作る方は営業からそういう圧力を掛けられて休まず、寝ずで生産活動をしている。
よく「この時期は私たちは人間の扱いはされなくなる」いったことを口にする工員もいた。私はそういうことを何とかしたいからいろいろ小細工をしていたから(悪いことではないよ)3月に日曜日を休みにしたら反感を食らってクビに追い込まれた。
それがすべてではないが、制服が入学式に届かない背景にはこういったことが銀行、メーカー、販売店の間でいろいろな思惑があることを知っておいて欲しい。
その上で消費者がどう判断するかだ。そんななら制服は要らないというならこの業界は周辺も含めて日本から要らなくなる。それでも制服は素晴らしいから何とか存続させてほしいなら間に合わない場合は貸制服で対応するなど学校、PTAなどで考えて欲しい。
勘違いしないで欲しいが、誰も怠けてはいません!
工場では家のことを犠牲にして2、3月を仕事に捧げている人がたくさん存在している。
中には体調を崩してしまう人もいる。そういう中で何とか間に合わそうとしていることはどうか忘れないで欲しい。問題なのはそういうことの諸問題をウエが変えようとしないことだ。ムサシノはやり玉に挙がっているだけで業界自体に根の深い問題があることも分かって欲しい。
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