そもそも購買力が低い日本では賃上げしても貯蓄に回るだけで景気は良くならない。そりゃあ、コロナ明けなので旅行や何かで業績は上がるだろうけれども。
日本は災害の多い国なのに東日本大震災のような大災害が起こっても自己責任の国なので自己防衛しておかないと誰も助けてくれない。だから賃上げで得た収入は来たるべき災害に備えるために貯蓄に回る。
国が全部保証するとしない限り消費には回らない。一つだけ回るのがある。住宅だ。
耐震強化の為に住宅にはカネを使う。もっと安全な場所に、もっと強い住まいにということで。
ところが、そういう住宅需要でも景気が良くなることは無い。資材が外国製だからだ。特に中国製。日本で大災害が起こって復興の動きが起こってもカネが中国に回る。そして中国で建材を作らせている会社の経営者が儲かる。
東日本大震災でもそうだったように。
ことの根源には日本人の安いものを買って小銭を節約できたという小さい、非常に小さい快感を得るということにある。何でもかんでも安いもの、5円得したとか。住宅なら30万円やすく上がったとか。こういう小さなお得感の積み重ねが、工場移転を助長し、日本経済にダメージを与えてきた。
しかし、その根底にあるのは将来への不安だ。どんなに高いものを買っても生活が崩壊しないなら日本製を買うし、生活が崩壊してもサポートがしっかりしていれば小銭で得した気分を持つ必要もなくなる。その1点改革で日本経済は何とかなるのに国はそれをしようとしない。台湾危機が来た時に75%もの肥料を中国に頼る日本はたちまち食糧危機に直面する。そういう危険をちゃんと考えて対峙しようとしている風には見えない。
中国を見限る判断をする(アメリカと道を同じくする)なら資源も生産も大転換をはかる政策がいるがそれをしようとしていない。食糧危機や部品調達が出来ない、在留日本人が人質に取られてから考えるのだろう。そして人質に取られてもその命は諦める。
ちょっと前までは景気が良くならない理由は買いたいものがないからと思っていたが、最近はちょっと変わってきた。買いたいものが昔に比べて少なくなってきている。消費は家電、娯楽など多種、多方向に広がっていたが今はスマホに集約されている。映画も有料で掌の中で見れる時代だ。余程見たいと思わなければわざわざ映画館に行くことも無くなった。テレビですら有料生配信さえ見ればテレビも見ないし、今でもツベのような動画で十分という人も多いからテレビそのものがそこまで必要とされない時代になってきている。
言ってみれば賃上げとか言う前に様々な業種が時代背景が原因で縮小していっていて日本の大多数が中小企業だから賃上げしても一部の人が恩恵に与るだけでほとんどの日本人は何も変わらないし逆に悪くなる傾向にある。
賃上げしても年金生活者の年金は上がらないのに物価は上がるから生活は厳しくなる。
年金の受け取りも70からとか言い始めているし、働けるスキルを持ち体力、気力もある人はそれでいい。しかし、病気や老化で働くにしてもムリがある人はどうするのか?と言う説明はない。年金の受け取りは先延ばしにしてくれとはしきりに言うのだが。
そして少子化だ。個人的には日本の領土的な大きさを考えれば今の半分程度で良いと思っているが、減少の推移は「なだらか」ではない。コロナの影響もあるのだろうが、それにしても酷すぎる。
中間層の復活と言う話も日本の生産の拠点が戻って来なければ話にならないし、その日本の会社の大多数の中小企業の経営者の考えが変わらなければ日本回帰はムリな話になる。ことあるごとに書いていることだが、中小企業経営層も個人商店的思考が主流なので問題だろう。そんなことを続けていては日本回帰への道はムリだし、回帰しても働く人はいない。何を於いても経営者の一族優先。次期社長は息子だし、主要ポストは家族、親戚。給料の外様との差も歴然だし、そういう希望のないところへは人は行かない。
就職しても表ではニコニコしているが内心穏やかではない。給料くれるからとりあえず会社勤めする気概しかないからモチベも上がらない。
外様の給料は上がらないのに経営者の車は高級外車を次々乗り換える。それを横目に従業員に働く意欲がわくはずもない。
今書き上げた一つ一つのことは取るに足らない小さなことかも知れないが問題が混在しているため、大きな社会的な問題となっている。しかし、それが小さなことだけに人々があれこれ言ったところで政治で解決するところまで上がっていかない。
政治家も官僚(行政)もやる気がないから国会では鋭意努力と言いながら時は30年経った。年金の問題一つにしても問題は30年も前からあったのに何も手を打っていない。
打っていないから、先延ばしだの、減額だのの話になる。それは努力したとは言わない。
戦後の中小企業の経営者には「戦後復興」という大きな目的意識があった。働く側もより良い暮らしをという向上心もあった。少々のことには目をつむるというおおらかさもあった。しかし、今は国際的な人権意識も上がって何をするにしてもコンプラ意識が要求されるようになった。だから変わらなければならないのだが、中小というだけで大目に見てもらっている面がある。しかし、日本の7、8割は中小企業というのだからそんな「甘い」ことは言っていられない。重要な産業は経営者がそういうことでやけを起こして廃業という選択をしても行政が介入して事象存続もしなければならない。
日本の中小企業の経営者を改革しようとするならそれくらいことこをしなければ変わらないだろう。外圧というものが掛かりにくいから大企業のようにはいかない。
そもそも会社の経営とは利益の追求も大事だが、国民の生活を守るという大事な役割もある。が、何かに付け儲からない、利益が出せない、経営が難しいと言いながら自分たちの生活水準は落とさない。それで苦しいというのだから筋が通らない。
税金対策でわざと赤字にする会社もあるくらいだ。国はそういうところにメスを入れずに中小企業は日本の根幹だからという理由で大目に見ている。それも甘い考えだろう。
改革はしようと思えばいくらでもあるのに誰もやろうとしない。外圧が無いと出来ない。江戸幕府も、戦中軍部も結局、最後の最後でも改革できなかった。
賃上げの話ではあるもののこれは日本人の根底にあるある種の特性なのかも知れない。
しかし、唯一明治維新だけは権力的立場にある人々が日本の為に地位と財を放出し、新しい時代を乗り切るために動いた。これができれば日本もまた変わると思うが、それは程遠いし、出来るという保証もない。
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