この日曜日、AFIでエリザベス・テイラーとモンゴメリー・クリフとの「陽の当たる場所」を観てきたのよ。監督がジョージ・スティーブンスで、ジョージ・スティーブンス Jrが彼の描いたMy Place in the Sun(映画の原題、A Place in the Sunに掛けてる)のサイン会もあって。
で、ジョージ・スティーブンス Jr、1932年生まれの90歳なんだけどさ、もう口が下痢してるような人間で(いわゆるVerbal Diarrheaってやつね)。スピーチし始めて、自分が大学行ってる時にスタジオで会ったエリザベス・テイラーがどうした、とか1952年のアカデミー賞の授賞式がどうだった、って喋り続けるので4時半が開始の時間だったのに、5時になっても話終わらないので(最初に二人が挨拶したので30分しゃべり続けてたわけではないけど)、彼を紹介した人が割って入って話を切ってもらわなきゃいけなかった、とか。
で、幾つよ?とかどんな人間なの?と見たら、まぁ、なんとアメリカの縁故社会の寵児ってかさ、なんかアメリカって本当にファミリーダイナスティーですべてが回ってる、って感じの社会よね。この縁故社会を打ち壊さないことにはアメリカに未来はないわよ、って思うくらい。
これがこのジジィのWikiページだけど(
https://en.wikipedia.org/wiki/George_Stevens_Jr.)、有名な映画監督の息子に生まれて、大学卒業してすぐ空軍に入ったけど、空軍での仕事は訓練用映画を撮ること?で、その後すぐハリウッドに製作助手としてはいって、ってもうね、親の七光りで狭き門もすいすい通る、って感じでさ。で、映画人として政府のコンサルタントになってNational Endowment for the Artsの設立にかかわって、National Endowment for the Artsがお金を出してAmerican Film Instituteを作るようアドバイス、で、AFIができたらNEAのコンサル辞めてAFIの理事に収まるって、これを合法的な汚職と言わずして何?って感じよね。
で、奥さんの一家もWikiページがあるような大金持ちビジネスマンの家系で奥さんのお父さんはジェームス・ポーク大統領とも縁のある家系。なんか、アメリカってホント縁故縁故の社会で、内輪の人間だけで回してるってのがよくわかるエピソードだわよね。で、こういう人間が縁故で団体の理事や総裁を務めて、「自分に実力があるから」と思ったり、「アメリカは誰にもチャンスのある実力社会」とか言ってみたり。大嘘ばっかり。
昔さ、学会のキーノートスピーカーが世代間の移動についての話をしたのだけど、その人は「もっと世代間の移動を増やさねば」とか言ってて。アタシが手を挙げて「でも、子供の為にしたことが子供の出世に役立たないような社会を望んでる親はいない。世代間の移動が高い社会なんて実は望まれない社会なのではないか?」って質問したのよね。で、その人の答えは、「今のアメリカみたいに生まれによって教育を受けられる差が歴然とあるのでなくどんな環境に生まれても同じチャンスで教育を受けられるようにしたら、平等になる」とか言ってたのよね。ま、それは理想論としてわかるわ。でも、こういうネポティズムの社会を見ると、「生まれ育ちに関わりなく平等に教育を誰もが受け入れられる」社会になったら、偉くなった人が自分の子供にアドバンテージを持たせたいから、そういう「平等に教育を受けられる社会」を骨抜きにするんじゃないか?って今日思ったわ。
あの恵まれたお嬢さんがちょっと前に言ってた、「学歴よりも経験重視」とか言ってたのも、結局はお金のある層に有利になるようにしよう、って運動よね。なので、「機会の平等」ってのは社会全体がすっごく努力しないと続かないものじゃないか?って思うのよね。だって、人間、自分の子供がいい目をみるのを欲するのは本能でしょ?だから、きっと権力者は自分の子供が競争しなくていい社会を作りたいのよ。
こういう何年も続くネポティズムの寵児を見て、周りの教育の不平等さを見ると、アメリカ、本当に救いがない国だと思うわ
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