昨日も書いたけど、AFIでやってるEU Film Showcase。今日観てきたのはShadow Country。チェコ映画で、オーストリアとチェコの国境にある村、チェコに編入されたりオーストリアに編入されたりの歴史で、1930年代、ドイツがオーストリア侵攻して、ナチがやって来て「ドイツ人かチェコ人か」と聞かれる。ドイツ人と答えた方がいろいろ便宜を図って貰えるのでドイツ人と答える、積極的にナチに協力する人もいたり、立場をころころ変える日和見もいたり。そこに起るヒューマンドラマ。
いい映画なんだけど、観てる時に考えたわ。日本やアジア各国はこういう戦争時の行いの内生的な映画を作っているのか?日本は戦争の悲劇の映画が多いけど、日和見、裏切り、それに伴い発生する罪悪感、葛藤を描いた映画ってあるのかしら?って思ったのよね。日本ではないにしても、中国、東南アジア、朝鮮半島ではないのか?なんか中国も南北朝鮮両国も日本軍=100%悪、レジスタンス=100%善のヒューマンドラマのない勧善懲悪の映画しか作ってない気がするわ。知らんけど。
それでつらつら考えた日本の戦争時代の映画の類型。
●戦争に直に関係する戦記もの
日本の一番長い日
トラトラトラ
さらばラバウル
●お涙頂戴悲劇
あぁひめゆりの塔
二十四の瞳
火垂るの墓
●戦争の悲惨さを描く
野火
キャタピラー
出口のない海
●戦犯追及系
軍旗はためく下に
ゆきゆきて皇軍(ドキュメンタリー)
●原爆関係
黒い雨
はだしのゲン
この世界の片隅に
夕凪の街桜の国
●戦争はつらいよ系
ザ・ウインズ・オブ・ゴッドー雫のかなたへ
拝啓天皇陛下様
●銃後の暮らし
小さいおうち
うしろの正面だあれ
●引き揚げの悲劇
ジョバンニの島
えっちゃんの戦争
ってところかしらね?まぁ1960年位までの映画は全てにおいて戦争がバックグラウンドにあったから、なんだけど、どこにも、日和見、裏切り、葛藤、とかないでしょ?戦中は威張ってたお偉いさんが立場が変わって戦後かって虐めてた奴に横暴にされる、とか、戦争中に積極的に日本に協力したけど、戦後形勢が変わって、村の嫌われ者になるか日和って上手くやって(なので観客に不快に思われる)Villain系のドラマ、アジア発では見たことないわ。ま、戦争映画にアニメが多いのも理由かもしれないわね。お金がないのと、戦争中に日本を手伝った自国人がいる、というのが国のナラティブ的にできない感じなのかしらね?
ま、アジアだけじゃなくって、戦勝国の戦争映画も葛藤がなくって馬鹿らしいのが多いけど(最近の戦争映画ってDunkirkと1917?どっちも葛藤のない戦記ものだものね。バカらしい)。戦争がメインのバックグラウンドで、裏切り、チクリ、背信、罪悪感、心の葛藤が入った映画って鬼畜米英仏には作れないのかしらねぇ?
で、結論。戦争がバックグラウンドにあって、戦争と国に翻弄される人間のドラマ、日本映画だと成瀬の「浮雲」、木下の「永遠の人」あたり?日本人の思想的に、「実は誰にも言ってないけど、大陸にいる時は酷いことをした。心の中で罪悪感があって、あの時の人達はどうしてるんだろうと思う。このままでは自分はいい死に方をしないのではないか?」と悩む系の映画、全然ないわよね。どうして?そういう映画を作れる人いないのかしらねぇ?題材はいっぱいありそうだけど。それを考えるとヨーロッパはその分凄いわね。
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