これ観たかったんだよね、当時。
結局、行かなかったんだけど。
それをふいに思い出して、発作的に観た。
こういう勘違い系は、好物なんだよね。
勘違いの方向性が逆だけど、『チャンス』(1979年)って映画も好きだった。
あっちは無名の庭師を、大物の実業家かナニカに勘違いするんだけど、こっちはタイムスリップしてきた本物のヒトラーをモノマネ芸人と勘違いしちゃう。
自称ヒトラーのなりきり芸人と思い込んだTVマンが、ヒトラーを番組に出演させる。
登場から聴衆(観客)の心をつかんでいく一連のシーンは一番の見どころ。
ここはかなり好き。
が、ここが一番の見どころってことはだ、あとは「それ以上がない」ってことだ。
おもしろいっちゃおもしろかったんだけど、もう一歩欲しかった、かな。
バンド解散理由のアレじゃないけど、作品性の違いってやつかな。
おれとしては、もうちょいフィクションとしてのおもしろさを盛って欲しかった。
ほら、徳川家康なんかも、見方、描き方次第で、印象がまるで変わるじゃない。
大河でいえば、まんま主人公だった『徳川家康』と、敵役だった『真田丸』みたいに。
チンギスハーンだって、モンゴルじゃ大英雄だけど、他国では苛烈な侵略者。
でも、ヒトラーだからねぇ。
見方を変えるといいやつだった。みたいな描写は出来なかったんだろうなあ。
吠えるヤツが多くて…。
まあ、日本も他人の事いえないけどね、菊タブーとか戦争アレルギーとか…
それを思うと、よくこの映画をドイツが作ったよな、と思う。
だって、日本で「帰ってきた東條」とか作れないよね。
戦後、ドイツではナチスタブーがそれはそれは重かったんだけど、一方で、悪かったのはナチス(おれたちは騙されちゃったんだよ)ナチスは悪(おれたちじゃない)
って感じだったらしい。ドイツ行ったことないけど本でそう読んだことがあるw
でもさ、ナチスを支持したのは他でもないドイツ国民だよな?
国家社会主義ドイツ労働者党を第一党に押し上げたのは、紛れもなく選挙の結果だぞ?
と、この映画では突き付けてくる。
現代ドイツの移民問題。外国人流入過多による摩擦と社会不安。
それでも、二次大戦で負ったユダヤ人迫害の十字架の重さに抑えつけられ、外国人への悪感情を表わすことをタブーとされ、さらに溜まる鬱屈。
言いたくても言えなかったことを、堂々と言い放つヒトラーの演説。
ヒトラーと街頭での市民との対話シーンが数多くあるんだけど、これホンモノらしい。
ヒトラーの恰好をした俳優を歩かせて、市民が指差したり、写メ撮ったり、興味を持って話しかけてくるのを待つ方式で撮られたそうな。
相手はフツーの市民だから、ヒトラー側の応答も完全アドリブ。
役者はヒトラーについて相当勉強したと記事で読んだ。
いやホントすげぇ役者だと思うわ。
最初はコメディータッチで始まるのだけど、最後は警句のように終る。
そうでなければ大人の事情が許さなかったんだろうけど、おれとしてはもっとやっちゃってほしかった!!(無責任w)
でも、おもしろい映画なので一見の価値アリ
それと、ドイツ国防軍の軍服はやっぱりカッコイイ!!w
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