■変異型は武漢型より感染力「強い」 東大医科研など研究
(朝日新聞デジタル - 11月13日 10:03)
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ウイルス研究者たちもまだ格闘している最中であるが、彼らがD614Gと呼ばれる突然変異に着目しているのは確かである。続々と研究成果が上がってきているからだ。
新型コロナウイルス に発生したD614Gという突然変異は、スーパースプレッダー(SS)やスーパースプレッダー事象(SSE), 最近発生した航空機内における感染、など様々な事柄と関連しているような気がする。
最近目に止まった論文をいくつか見ていこう。まずはヨーロッパにおける状況に関する調査である。
D614Gが感染力の増強に寄与している証拠について
論文はCell(Elsevier)から発表されたものである。
"Tracking changes in SARS-CoV-2 spike: evidence that D614G incrases infectivity of the COVID-19 virus"
B. Kober,et al.(Los Alamos National Laboratory, USA)
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス の正式名称)の遺伝子解析を行い、統計データをまとめた論文である。時間経過とともに、中国で発生した新型コロナウイルス の遺伝子型がD614というタイプから、G614というタイプに移り変わっていることが示されている。この突然変異をD614Gといい、イタリアで発生したと考えられている。
この突然変異により、ウイルスの表面にある棘(スパイク)のタンパク質構造が変化し、初期型(武漢型)に比べより硬く強くなった。そのため「感染力が強まった」という指摘は以前より相次いでいる。この論文でも、その説を支持する内容が書かれている。
1月から2月の末までは、武漢タイプ(D614)が圧倒していた。たしか、ヨーロッパの感染初期はドイツ周辺が流行の中心だった。あのときの感染では突然変異型G614は蔓延しておらず、武漢系列が圧倒的だったのだ。
2月の初め頃にG614がほんの少しだけ混じり始めた。が、それは無視できる程度である。この突然変異が中国で発生したのか、それともイタリアで発生したのかはこのグラフからはわからない(が、多くの研究者はイタリア付近でこの突然変異が発生したと考えている)。
しかし、おそらく2月22日の付近に起きた「何かのきっかけ」でG614が突然優勢になっていく様子が見て取れる。その「きっかけ」の正体は何かわからないが、イタリアからヨーロッパ全体向けて人が動くようなあるでき事が発生したことが強く予想される。おそらく春の訪れに伴う観光旅行とか、そういうことだったのではないだろうか?
イタリア、スペイン、フランスが感染蔓延に苦しんだ3月、4月とっもなると状況は切り替わり、G614型が主流になる。その後(5月以降)の英国での蔓延などでは、ほぼG614型一色になった。
英国の感染流行の変化
D614が最初に流行った英国では、3月の上旬ごろは、イタリアなどで起きた感染爆発が信じられずにいた。印象に残っているのは、BBCのキャスターがイタリアの専門家に「英国はイタリアと状況が違うような感じがする。英国がイタリアのようになる可能性は低いのではないか?」と質問したのに対し、「英国もいずれ同じようになる日がくる。時間の問題だ」と答えたことだ。
実際、その2ヶ月後に英国はヨーロッパで最悪の状況になった。現在の総死者は英国46,791人(欧州最悪)、イタリア35,396人である。(ちなみに本日の世界1位は米国170,052人、アジア1位はインド49,980人である。)詳細は後述するが、英国がイタリアを抜いて欧州最悪になったタイミングで、英国でG614型が蔓延しはじめたことになる。これは、突然変異D614Gが感染爆発と関係していることを強く示唆するポイントである。
ここでひとつ気になるのは、G614型の広がりが(予想よりも)随分早いという点である。日本で「第一波」が発生したのは3月終わりから5月にかけてであるが、このときはすでにG型が蔓延していたということになる。今まで思い浮かべていたイメージとちょっと様子が違う。何が起きていたのだろう?
もしかすると、D614型というのは、日本で最初に感染者が見つかり、その直後に屋形船のクラスターが発生したり、屋形船の宴会に参加したタクシー運転手やその家族が東京都や相模原を行ったり来たりしていた頃の「流行り」であって、3月下旬から5月にかけての「第一波」とは異なるような感じである。第一波のときは既にG614型に切り替わっていたというのであろうか?そうだとすると、D614による感染は、いわば「第零波」のことを意味しているのであろうか?
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