■元農水次官側、無罪主張=長男殺害「正当防衛」―東京高裁
(時事通信社 - 10月20日 14:31)
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正当防衛の定義と基準
刑法第三十六条第一項に「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」とあります。
この一文のなかにある分かりにくい用語について考えてみましょう。「急迫不正の侵害」という言葉は,「急迫性の侵害」「不正性の侵害」という二つの言葉から成り立っています。「急迫性」は「現に法益侵害が存在している,または侵害の危険が間近に押し迫っている」と定義されています。
つまり「急迫の侵害」とは,現在進行形で発生し又は発生しようとしている侵害のことです。「不正性」とは違法性のこと,つまり「不正の侵害」とは違法な侵害のことです。ところで,ここでいう「侵害」とは,命,身体,財産に対する加害行為のことです。
「自己又は他人の権利」とは法律で保護されるべき自己または他人の権利,つまり自己や他人の命,身体,財産のことです。「やむを得ずした行為」とは逃げる余地がなく,防衛のためにのみ必要があった必要最小限の行為のことです。
つまり正当防衛とは,今現在自分や周りの人の命,身体,財産が攻撃を受けていたり,もうすぐ受けそうなのに逃げることができなかったりした時にそれらを守るために自分のできる最低限の力で行う行為を言います。
正当防衛が認められたら
正当防衛が認められた場合,形式上では犯罪行為に該当していた場合でも,その違法性は否定され,犯罪に問われないことになっています。
例えば相手が怪我を負ったり死亡したりした場合であっても,それが防衛のための行為によってであり,正当防衛だと認められれば刑事上の責任は問われません。
そのため,警察や検察の捜査の結果からみても明らかな正当防衛であるという場合であれば,手続きとしても不起訴となり,刑事裁判手続きにならない可能性もあります。
正当防衛が認められないケースはあるのか
以下の��~のいずれかを満たしていれば,正当防衛が成立しない可能性もあります。
� 峙淒�の侵害」に当てはまらない場合
将来の侵害や過去の侵害等です。例えば,仲の悪い同級生が,「明日お前を殴ってやる」と言ってきたので,殴られる前に相手を殴ってやろうと思いその同級生に怪我を負わせた場合,急迫性の要件を満たしません。小学生のころ同級生にいじめを受けていてその仕返しをしたとしても,急迫性の要件を満たしません。
�◆嵒埓気凌�害」に当てはまらない場合
モノや動物の侵害等です。例えば,向こうから歩いてきた犬が自分に突然噛みついてきたのでとっさに犬を殴ったところ犬が死んでしまった場合,犬が人に噛みつくことは不正とは言い難いです。
��「防衛」の意思がなかった場合
攻撃を受けた機会に乗じて積極的な加害行為に出た場合等です。
例えば,相手方から攻撃を受けたとき,これに対し自分の身を守るためではなく,もっぱら相手を攻撃する動機や意図で行った行為については,防衛の意思がなかったとされる場合があります。
�に姫匚坩戮法崛蠹�性」がなかった場合
侵害行為に対して,受けた侵害以上の防衛行為をした場合,過剰防衛とみなされることがあります。
例えば,武器なしで攻撃してきた相手をナイフで刺した場合等です。
しかし,これらにはいくつか例外があります。例えば�,鮃佑┐討澆泙靴腓Α�「夜道を歩くとき痴漢撃退スプレーを常備しており,実際に痴漢被害にあったのでスプレーを使用したとき,予期された侵害といえてしまうので「急迫の侵害」には当てはまらず,正当防衛が成り立たないのか」という疑問が出てくると思います。この場合,急迫不正の侵害があったとして正当防衛は成り立ちます。
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