WHOが子どものマスク着用に指針 「12歳以上はつけるべき」「5歳以下は不要」
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マスクを着用するのには、「感染している人が飛沫をまき散らして、周囲に感染させないため」という目的と、「その飛沫を吸い込んで、自分が感染しないため」という目的とがあります。
飛沫をまき散らさない効果はある程度期待できますが、飛沫を吸い込まない効果は限定的です。どんなに適切にマスクを着用しても、どうしても横から空気は入ってきてますし、エアロゾル感染も疑われる新型コロナでは、とりわけ心もとないと言わざるを得ません。これは未就学児童に限らない話なのですが、まず、前提として押さえておいていただきたいことです。
新型コロナウイルスの感染経路は、飛沫だけではありません。感染者に由来する唾液や鼻水などが環境中に付着していて、それに手で触れてしまったあと、自分の目、鼻、口に触れてしまうという接触感染も原因となります。
子どもはいろんなものを触るのが仕事のようなもので、その手は汚染されている可能性が高いのです。問題は、マスクを着用させていると、それが気になってマスクや顔を頻繁に触るようになってしまうこと。マスクで遊び始める子どももいるでしょう。友達に触らせることもあるかもしれません。これらいずれも、接触感染のリスクを高めてしまっているのです。
また、これから湿度の高い梅雨の季節になり、やがて夏の訪れとともに熱中症のリスクが高まっていきます。幼稚園で連れ立って公園に出かけることもあると思いますが、こういったときにマスクを着用させるのは大変危険です。
幼児はとくに、体温を調節する能力が発達していません。汗をかく機能が未熟なので、体温を下げるのに時間がかかってしまうのです。イヌなど毛に覆われた動物が、汗の代わりに早い呼吸をすることで体温を下げていますが、子どもにとっても呼吸は体温調節の大事な機能。それをマスクで覆ってしまうことは、かなり残酷なことだと理解してください。
子どもは体重に比べて体表面積が広い分、気温など周囲の環境の影響を受けやすくなっています。とくに幼児は、身長が低いために、地面からの照り返しの影響を強く受けます。大人が思っている以上に、子どもたちは暑さを感じています。ただ、それでも水が飲みたい、休みたいと言えないでいるかもしれません。せめて、夏の野外ではマスクを外してあげてください。
もうひとつ、布マスクを着けているお子さんが多いと思いますが、汗をかくと濡れてしまいます。そうすると目詰まりしてしまって、呼吸を苦しくしています。これも残酷なことです。というわけで、屋内であっても汗をかくような運動をするときは、マスクを外させるように注意していただければと思います。
マスクは予防に有効なアイテムですが、接触感染の原因にならないよう適切に扱えること、苦しくなったときに自ら外せることなど、基本的なことができるようになってから着けさせるのが良いと思います。お子さんにもよりますが、せめて小学生になってからではないでしょうか。
もちろん、小学生になっても無理な子は無理です。「みんなが着けているから、あなたも着けなさい」では、感染対策の本来の目的を見失っていますね。子どもの着用を一律に求めるのではなく、それぞれのお子さんの発達段階、あるいは基礎疾患の有無などを見据えて、マスクを着用させるかどうかを個別に考えるようにしてください。
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