この章では、3のグナ(性質)についてと、その本質について、そしてグナ(性質)の支配からどうやって自由になるか? を説いています。
世界を現わす物質と力の原因「プラクリティ(可能性、根本原質)」「マーヤー(力)」は3つの性格で構成されます。
それぞれの質の特徴としては、サットヴァ(純質)純粋、ラジャス(激質)活発、タマス(鈍室)不活動があります。
どの生き物も、世界にあるどんな物質もこの3つの質をそれぞれ違った配分で持っています。プラクリティ(可能性、根本原質)とは3つの質のことですから、プラクリティ(可能性、根本原質)によって現れた世界にグナ(性質)のないものはありません。
しかし、人や生き物、あらゆるものの源であるアートマン(真我、真実)は3つのグナ(性質)ではありません。
人はこれらのグナ(性質)の配分によって、それぞれ違うタイプの性質。性格を持ちます。
それぞれの質は “存在・意識” であるアートマン(真我、真実)と結びつくことによって、アートマン(真我、真実)を質に束縛しているように見えますが、実際にはアートマン(真我、真実)は何も縛られたり、影響されたりはしません。
サットヴァ(純質)優勢の質は幸福と知識という形で表れ、人を束縛します。
ラジャス(激質)は行いと結果という形で、タマス(鈍室)は無知と迷いとして、怠惰、怠慢、睡眠という形で人を束縛します。
次にクリシュナは、死の瞬間にある3つの質の状態によって人の次の生が決まると語りました。
サットヴァ(純質)が優勢の時に肉体を手放すと、人間のいる世界よりも微かで苦しみがない世界に達するといいます。
ラジャス(激質)優勢の場合、行いにとらわれ、痛みと喜びが半々の人間の世界に再び生まれます。
タマス(鈍室)が優勢の時に逝けば、正しいこと、正しくないことの見極めや考えることができない獣や虫に生まれるといいます。
しかし、どんな形で現れても、グナ(性質)は人の生死のサイクル「サムサーラ(輪廻・束縛)に結び付きます。この質に自分自身「アートマン(真我、真実)」は縛られているようですが、アートマン(真我、真実)は質から全く自由です。
アートマン(真我、真実)を理解し、自分自身の本質を見極めることによってこの3つのグナ(性質)の束縛を解き放つことができます。そのような人はサットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(鈍室)から何が生じたとしてもそれを憎むことも、切望することもありません。自分の本質に定まり、質や諸要素によって動揺させられず、安住して動きません。苦楽を平等に見て、自分自身に満足し、土の塊や石や黄金を見ても、何か好きなもの嫌いなものを見ても、そのどれもが自分の満足や喜びに影響を与えることはできないことを知っています。だからどんな状況にも心を動揺させることがありません。
心が平安であり、非難と称賛、尊敬と軽蔑、敵と味方も同じように見ることができるのは、真実の理解に基づいているからです。
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