mixiユーザー(id:7846239)

2019年01月05日16:40

146 view

一年の計

現在,知り得る情報を総合する限り,2019年の演奏会はそれなりの回数が開催されそうではあるが,全般的に小粒であるという印象はまぬがれない。どのホールも,どの興行主も費用のかさむ海外アーティストの公演は控え,国内の演奏家や演奏団体の割合を多くしているようにみえる。率直にいって寂しい限りだが,どこも大きなリスクを引き受ける体力が低下している以上やむを得ない。

まずはオペラの公演から。
4月は東京・春・音楽祭の「さまよえるオランダ人」を聴く。最近,ワーグナーを聴くなら,この音楽祭ということになったような感がある。それは嬉しい反面,引越し公演でワーグナーを聴けなくなったことを意味しており残念であることも小さくない。
6月はボローニャ歌劇場が久しぶりに来日する。ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」とヴェルディの「リゴレット」を聴きにゆく。この公演ではロッシーニの作品をベルカント・オペラという観点から見直してみる。新しい発見があればいいのだが。
8月には,新国立劇場と東京文化会館との共同制作による「トゥーランドット」(大野和士&バルセロナ交響楽団ほか)が,昨年秋にオープンした札幌文化芸術劇場で行われる。昨年の杮落とし公演はチケットを取り損ねたので,新しい劇場でオペラを聴くのはこれが初めて。オーケストラがピットで演奏するとどんな響きになるのかが気になる。
9月はロイヤルオペラハウスの来日公演があり,グノーの「ファウスト 」とヴェルディの「オテロ」を携えてくる。2演目とも指揮はパッパーノ,「ファウスト」にはグリゴーロ,ダルカンジェロ,ヨンチョヴァが出演する。歌手に注目するなら「ファウスト」,作品に注目するなら「オテロ」と楽しみだ。
11月末から12月初めにかけて,ゲルギエフ&マリインスキー が来日して,チャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」と「マゼッパ」(演奏会形式)を上演する。近頃,ゲルギエフの芸風が若干変わりつつあるような気もする。変わりつつあるのなら,それがどういう方向に向かうのかを直接確かめるいい機会になりそうだ。

今年のコンサートで聴くことが決まっているものをいくつか。
1月は10日に,インキネン&プラハ交響楽団の演奏会が札幌文化芸術劇場で開催される。演目はブラームスのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン,樫本大進)とドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。この劇場ではこれまで2回演奏会を聴いた(アシュケナージ&アイスランド交響楽団,ユジャ・ワン)ものの,まだ響きを把握しきれたとは言い難い面もあるので,ホールの音響特性にも注意を払いつつ聴くことにする。
24日には,東京オペラシティで鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパンによるベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」を聴く。以前,ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」を聴いた経験から予想すると,オーケストラの編成が小さすぎてベートーヴェンにふさわしい響きならない可能性が大きいと予想される。なので,あまり期待はしていないものの,とりあえずBCJの「第九」は聴く。
2月2日に,ムーティ&シカゴ交響楽団によるヴェルディの「レクイエム」(東京文化会館)に行く。関係を強化しつつあるムーティとCSOがどんなヴェルディを聴かせてくれるのか興味津々。
2月10日には,クルレンツィス&ムジカエテルナのコンサート。プログラムはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(独奏,パトリツィア・コパンチスカヤ)と交響曲第6番「悲愴」。何年か前,某マイミク氏からこのコンビの存在を教えていただき,モーツァルトのオペラのCDを聴いて以来病みつきに。いよいよ彼らのステージを聴くことができる。クルレンツィスはいつの間にかドゥダメルと並んでクラッシック界をリードする存在に祭り上げられた。彼の力量をこの耳でしかと確かめて来たい。
2月28日には,クリスチャン・ツィメルマンのリサイタルを聴きにサントリーホールへ。現時点で発表になっているプログラムはスケルツォの第1番から第4番まで。おそらくプログラムは追加されるはず。昨年,バーンスタインの「不安の時代」を聴いて,ツィメルマンのピアノの比類のない美しさに打たれた。ツィメルマンのピアノ演奏は聴けるうちに,出来るだけ多く聴いておきたい。
3月16日は,クシシュトフ・ウルバンスキが札幌交響楽団の定期演奏会の指揮台に立つ。ペンデレツキの「広島の犠牲によせる哀歌」,ショスタコーヴィチの「バイオリン協奏曲第1番」(独奏,アレクサンドラ・スム),ストラヴィンスキーの「春の祭典」という魅力的かつ意欲的なプログラム。これらの作品を聴くこと自体楽しみにしているが,他にもどれくらい集客できるかにも注目している。このオーケストラの将来を占うには格好の定期演奏会になりそう。

札幌コンサートホールの主催事業の速報が年末に届いた。5月29日はBCJの「マリアの賛歌」と題された演奏会,7月6日はホールのオープン記念のオルガンリサイタル,8月9日は第10回浜松国際ピアノコンクールで札幌市長賞を受賞したジャン・チャクルムのピアノ・リサイタル,10月27日には,ヴァイオリン独奏にアン・アキコ・マイヤーズをソリストに迎えクリスチャン・ヤルヴィ& MDRライプツィヒ放送交響楽団の演奏会があり,11月9には安永徹&市野あゆみによるベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタのツィクルス第1回が開かれ,11月28日はヤノフスキ&ケルン放送交響楽団の演奏会,年が明けて2月2日はディートリヒ・ヘンシェルのリサイタル,翌月の3月15日はアンドラーシュ・シフのリサイタルというラインナップが組まれている。これらのうち,いくつかの演奏会を除いて,その多くを聴くことになるのだろう。まだ具体的に決めていない。
地方自治体の文教関予算の枠が固定されている現状で,新しい施設がオープンしそこでも主催事業を実施するとなれば,既存のホールの予算が減らされるのは避けることが難しい。それはいかんともし難い面があるのは理解できるが,昨年あたりから札幌コンサートホールの主催事業は質と量の両面で少なくとも一段階落ちたのは間違いない。

一方で,来年で満30周年を迎えるPMFは,若干充実しそうな気配だ。7月20日と21日はエッシェンバッハを迎え,マーラーの交響曲第8番を演奏する。7月31日はチャイコフスキー国際コンクールの木管楽器部門優勝者を迎えた演奏会がゲルギエフの指揮で開催される。

年末にもふれたが,個人的に興味があるのは,小菅優がふきのとうホールのレジデンスアーティストに就任することだ。その詳細は不明だが,彼女の演奏を地元で定期的に堪能することができるのは画期的なことだ。
4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年01月>
日 月 火 水 木 金 土
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031