昨日は2週間ぶりに観劇しました。
全体的には、素晴らしい舞台でした。
ミュージカルではなかったので、歌は、ガスコーニュ出身の連隊の歌くらいしかなかったですが、ベテラン俳優の熱演、時代に合った舞台装置に衣装、場面展開、舞台全体が絵になる美しさ、何より面白かったですし、考えさせられたり、興味深いテーマがあちこちありました。
ただ、私にとって残念だった点が3点ほど。
一つは、ギャグは笑えたし、トレンディな話題が織り込まれたのはいいのですが、ただ、それがちょっと軽い印象を与えたこと。特に第一幕。
ただし、これは、単に私が笑えないギャグが多かったせいかも知れません。
深刻な展開になる第2幕はそうでもなかったです。
それに、私自身、原作も映画も見ていないのに勝手に期待していたわけですが、原作が名作ということで、キャラクターにもっと風格が欲しかったせいかな。
シラノは、ずっと出ずっぱりだから、深みのある人間像が描き出されていましたが、クリスチャンは第2幕であっという間に戦死したので、残念なキャラな印象が強く残ってしまいました。
悪役チックなド・ギッシュ伯爵の方が、晩年の穏やかな様子などが織り込まれ、シラノのように出世無縁の生き方にうらやましいところもある、などと胸の内を打ち明けたのは、思いっきり嘘くさかったですが、キャラクターの印象は、長生きした方が勝ちという感じでした。
2つめは、そのクリスチャンがあまりにも残念なキャラクターだったこと。
ロクサーヌは、結局、シラノのような詩心があって、ロマンチックで、手紙には情熱的ながら、手紙に思いを託す奥ゆかしさがあるタイプが好みで、容姿が別でもにたもの同士でした。
詩心がないクリスチャンに代わってシラノが代筆し、ロクサーヌははじめはクリスチャンの容姿から惹かれましたが、次第に手紙から伺えた中身を真に愛するようになるという話なのは、分かっていました。
でも、クリスチャンの中身が、あまりにも即物的で、詩心を解さない、情愛や心の機微にうとい、うすっぺらな若者の設定にしていたのは残念すぎました。
適度に抜けてるくらいならともかく、どうも容姿に惹かれた女性にことごとくふられまくる、美形なのに恋愛負け組って、うーん、それはないだろうと思いました。
もちろん、次第にシラノの気持ちに気づいたり、ロクサーヌがほんとに愛しのはシラノの中身で自分ではないと気づくなど、未熟な若者がだんだん心の成長をみせていましたが、その矢先に死んでしまいましたからね。
結局、顔はよくても、田舎から出てきたばかりの、男同士の方が地が出せて生き生きとしている高校生くらいの男の子と、恋に恋する乙女だった女の子というかんじなら、つりあいは取れていた気もしますが、ロクサーヌはもう少ししたたかな女子大生くらいの印象はありましたから、クリスチャンが坊っちゃんすぎただけかな。
3つめは、原作はどうか知らないのですが、シラノが死ぬ原因です。
通りがかった家から丸太が落ちてきた、って、何?
そんな偶然は考えられないので、その譲らない性格ゆえにたくさん作りまくってきた敵のだれかの報復だろうと思いますけど。
まあ、そんな残念な点も、あくまで自分の好みと期待から外れていたがゆえという面もあるため、あくまで主観的なものです。
いうなれば恋愛がテーマのドラマなどで、期待していたのと違うカップルが成立したら、がっかりするようなものかもしれません。
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