加納真士「人生を変えるヒント2」(扶桑文庫)より。
あるとき、ふつうの主婦のAさんは、込み合って身動きのとりにくい満員電車の中で異様な臭気を感じました。見るとボロをまとった浮浪者の中年の男性が自分の方へ近づいてくるのです。
Aさんは、とっさに「ああ、そばに来たらイヤだな」と思ってしまいました。
すると、「恐れるものは皆来る」で、その男性はAさんの隣に立ったのです。そばに来るとさらに激しく臭います。次の駅まではかなりあります。
Aさんは意識を他のことに向けようと努力しました。そのとき、「ああ自分はなんて愛がたりないのだろう」という後悔の気持ちが湧いてきたのです。
そして急に自分がなさけなくなりました。同時に相手にすまないと思う気持ちが強くなりました。
Aさんは目を閉じて、心の中で言うべき言葉を探しました。
すると「どうか私にマザー・テレサのような愛を教えてください」という言葉が自然に浮かんだのです。そして、その思いが祈りになりました。
そのときAさんは、自分の額の所にとても美しい青い光が差し込まれるのを感じたのでした。愛を持った瞬間、その男性から臭いがこつ然と消滅したのです。
Aさんは自分の偏見を気づかせてくれたその人に深く感謝しました。
ほとんどの人は、何か偏見を持っています。だが、その偏見が自分の視野を狭くし、幸福になるチャンスを奪っているとは気づかないのです。
偏見は無関心の次に「愛」から遠い心です。
自分の中の偏見を克服するのも魂進化の過程です。求めなくても、偏見を克服する機会は人生に巡ってきます。
そのとき愛に届く道が隠されていることに気づき、感謝できれば、あなたは以前よりも幸福感が広がったことを知るでしょう。
自分の偏見に気づかせてくれた人を菩薩といいます。
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