おれが物心ついたころ、世の中にはテレビというものが既にあった。
幼少期のお気に入りはウルトラセブンだ。
でもおれが熱心に見ていたのは再放送だったかもしれない。放映開始時には一歳半だったのだから。それとも二歳児程度でもウルトラセブンは理解できるものなのか、ハッ、もしかしておれって天才?
まあ、それはどうでもいいw
幼少の頃、TVが既にそこにあり、特撮もアニメも映っていた。
それらが既にある世の中に生れ出て、それらを含んだ世界を、無垢な脳が受け入れていく。
おれはテレビという存在に、何の違和感も疑問も持たなかった。特撮にもアニメにも。
テレビにウルトラセブンが映っているのは、夜には暗くなるくらい当然のことだった。
だから、おれは知らないのだと思う。ほんとうの「テレビの衝撃」を。
はじめてそれが実用化されたときの興奮を。
想像することはできる。が、所詮は想像。そこまでだ。
そもそもおれは、自分が「TV初登場の興奮を知らない」ということに気づいてさえいなかった。
だってTVなんて当たり前だったんだから。
おれ自身が、これまでにない、当たり前ではないものに出会うまでは。
それが、マイコンの世界だった。
このときに感じた「広がり」を文章で説明するのは難しい。
テレビにしても、レコードにしても、本にしても、情報の流れは一方通行だった。
自分は受け取るだけ。
許されるのは、どのチャンネルに回すか、どの本を読むか、せいぜいがそれだけだ。
それが、人とマイコンは双方向なのだ。
人がアクションし、マイコンはリアクションを返す。
「お、おぉぉぉぉ!」
名もない県立高校に試験的に導入されたが、カリキュラムもなく持て余され放置されたPC8001との衝撃の邂逅だった。
続く。
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