ヨガでは呼吸=生命力であるといわれます。このことから呼吸力が弱まるということは生命力すなわち、生きる力、“いのち”の力が落ちているということを意味しています。
参考まで英語で息を表すbreathは、同時に生命や生命力をも意味しています。
また、呼吸量=肺活量は英語でbreathing capacityあるいはvital capacityといいます。
vitalとは生命の、生命に関わる、という意味があります。
語源からみても呼吸と生命力がいかに強く結び付いているかよくわかります。
先日、ヨガ教室で珠数先生が、「もし、ひと呼吸するのに100円いるとすれば、皆さんの呼吸はずいぶんゆっくりするだろう」と言われていました。
というのは、よい呼吸とは深く長い呼吸だからです。
�/爾�ゆったりした呼吸は全身を活性化します。同じだけの量の血液が流れても、酸素を多く含んだ血液のほうが、細胞を生かす力が大きくなります。
�⊃爾�ゆったりした呼吸は自律神経を安定させ、ホルモンの分泌力も高まります。
これだけ大切な呼吸ではありますが、日常生活で呼吸を意識している方はおそらく稀であると思います。
古代インドでは呼吸がすべての機能に先立つもの、他の一切を働かせる土台であると位置づけています。そして
「生き物は一生にできる呼吸の回数は決まっていて、一日に短い呼吸をたくさんするものは、短い年数しか生きられない。反対に、呼吸が長く回数が少ないものは、長い年数生きられる」と言い伝えられています。
長生き=長い息です。
哺乳類の生涯呼吸回数
東京工業大学の本川達雄教授は「ゾウの時間ネズミの時間」(中央公論社)で、哺乳動物の寿命と呼吸の関係を研究されて次のように述べています。
下記はそれぞれの動物が「息を吸って吐いてまでにかかる時間」とその動物の寿命です。
ハツカネズミ・・・・・0.4秒 → 2〜3年
イ ヌ・・・・・・・・・・・4秒 →10数年
ゾ ウ・・・・・・・・・・・8〜9秒 →70〜80年
しかし、「吸って吐いて迄にかかる時間」のいかんにかかわらず、どの動物も一生の間の呼吸回数は5億回に決まっているようです。
従って、早息する生き物は早く死に、ゆっくり息をする動物は長生きをします。
ゾウは1分間の呼吸数が少ないから寿命が長いといえるのです。
身体が小さいから早死にするのではないのです。
たとえば、ナマケモノという動物(木にブラーンとぶら下がってのんびり生きている)はゾウと同じくらい呼吸がゆっくりしています。そして、同じ大きさの猿と比べると1.5倍も長生きしているのです。
生涯呼吸回数が5億回と決まっているのですから、1回あたりの呼吸を長くしたら、それだけ長い人生になります。
このように、本川教授の研究も、古代インドが伝える「生き物は一生にできる呼吸の回数は決まっている」ということを裏付けています。
一日、何回かは意識してゆっくりした深い呼吸を心掛けたいものです。
ポイントは、先ず、ゆっくり吐くことから始めることです。吐くことに意識を持つことです。そして、吐く→吸う、吐く→吸う、を何回か繰り返してください。
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