講談社学術文庫の「言志四録(一)」より。
江戸末期の佐藤一斉先生は88歳の長寿を得られた。これは孔子のいわれた、「仁者は寿(いのちなが)し」がうそでないことを示されたのであろうか。ここの全文はこうである。
知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ。
知者は動き、仁者は静かなり。
知者は楽しみ、仁者は寿(いのちなが)し。
知者とは知恵の人であり、仁者はなさけの人と考えられている。
現在でも大漢学者の諸橋轍次博士は94歳で現役並みの仕事をしておられる(当時。1883−1982)。その外にも立派な学者で長生きの方が大勢おられる。これは学問の余徳といってよいであろう。
長生きといえば宗教界にも大勢おられる。清水寺の大西良慶貫主は103歳であられるのは有名である。
禅の巨匠には90歳以上の方が大勢おられるのは心強い限りである。私のお世話になった植木憲道老師も96歳まで生きておられ、最後まで知力も衰えなかったようにお見受けした。
そこである和尚は言う。「仏教では本当は長寿でボケないことが、一番大切な修行のしるしなのだ」と。
とにかく、儒者であれ、仏者であれ、自分の「心のしまつ」がつけば長寿疑いなしということではなかろうか。
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