冨屋伸二「まんがでわかるD・カーネギーの人を動かす」より。
まず、初めてお座敷に出た小はるちゃん(芸妓見習い)が先輩から指導を受けています。
<姐さん>
小はるちゃん、今日は若いお兄さんとお話しできたのね。
<小はるちゃん>
はい、とても楽しかったです! いろんな話で盛り上がっちゃいました。
<姐さん>
あなたが楽しかったの?
<小はるちゃん>
はい! とてもいい人でした!
<姐さん>
幹事さんだった方よね。どんな方だったの? ご趣味とか、ご家族のこととか、
その方の好きなもののお話しとかしなかったの?
<小はるちゃん>
えーと、話題にならなかったので・・・。
<姐さん>
小はるちゃん、その方のお名前覚えてる?
<小はるちゃん>
・・・えーと?
<姐さん>
小はるちゃんは自分の仕事は何をすることだと思うの? 芸妓の仕事についてよ。
<小はるちゃん>
・・・えーと?
<姐さん>
芸妓の仕事はお客様を楽しませることでしょう?
あなたではなく、あなたが応対したお客様にはきちんと楽しんでいただけたのかしら?
<小はるちゃん>
わっ! 私、自分のことばかり話してた・・・
<姐さん>
人がされて嬉しいこと、それは自分に興味を持ってもらうことよ。喜んでもらいたのであれば、まずその人の属性や関心事に目を向けることなの。名前は、基本中の基本よ。
人間は他人の名前などいっこうに気をとめないが、自分の名前となると大いに関心を持つものだ・・・。自分の名前を覚えていて、それを呼んでくれるということは、まことに気分のいいもので、つまらぬお世辞よりもよほど効果がある。
――D・カーネギー「人を動かす」P.105〜106
<姐さん>
他の仕事でだって非常に重要なことよ。たとえばアメリカで成功した政治家には5万もの人の名前を覚えている人もいたのだそうよ。
「あなたの名前を知りたい」と聞くのは、「あなたに興味があります」というのと同じなのだから決して悪印象ではないわ。
<小はるちゃん>
なるほど!
<姐さん>
相手の名前を忘れるのは、自分の存在を忘れられてしまうこと、くらいの重みで考えたらいいわ。
結局、そういうところで、ごひいきにしていただけるかどうかがきまってくるのよね。
話すより聞き手に回りなさいというのもそれと同じ。
「自分のことを話した人」と「あなたのことを知りたい人」、どちらがすかれるか明らかでしょう?
まずあなたが相手に関心を持たないとすれば、どうして相手があなたに関心を持つ道理があろうか?・・・
単に人を感服させてその関心を呼ぼうとするだけでは、決して真の友を多く持つことはできない。――D・カーネギー「人を動かす」P.75
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