径路の窄は(せま)き処は、
一歩を留(とど)めて人の行くに与え、
滋味濃(こまや)かなものは、
三分を減じて
人の嗜(たしな)むに譲る。(前集13)
狭い道を行くときには、一歩下がって人に道を譲る。おいしい物を食べるときには、三分をさいて人にも食べさせる。
こんな気持ちで人に接するのが、安全な世渡りの極意である。
以下、守屋洋「菜根譚の教え」より。
中国の歴史書「唐書」由来の故事成語に、「終身路を譲るも、百歩を枉げず」という言葉があります。
たとえ一生、他人に道を譲り続けたとしても、その合計はわずか百歩ほどにしかならないということです。たかだか百歩後ろに下がったからといって、その距離を取り戻すのに、どれだけの時間が必要でしょうか? 譲って失うものより見返りとして得るもののほうがずっと大きいということです。
孔子も「己立たんと欲して人を立つ」と言っています。自分がある地位につきたいと思ったら、まず人を立ててやるという意味です。
自分のこうむる不利益ばかり目を向けず、少し視点を変えてみると、小さいことにこだわる心を捨てることができるはずです。
狭い道では、迷わず他人に道を譲りましょう。おいいしいものを食べるときには、7割しか食べず、他人に分けてあげましょう。
「お先にどうぞ」。このひと言で、相手に納得してもらい、自分も気楽に生きていきましょう。
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