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2016年05月27日06:56

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言志四録「天職」

佐藤一斉「言志四録」といえば、志を立て、自分の運命を切り開き、世のため人のために尽くさんとする“指導者のためのバイブル”といわれます。

明治維新の立役者の西郷隆盛は座右の書として、「言志四録」をくり返しくり返しこれを読み、とくにその中から心の琴線に触れた101条を抜き書きして座右の書としていたことは有名です。

以下、岬龍一郎編訳「現代語訳 言志四録―佐藤一斉」(PHP)より引用します。



【現代語訳】
人は誰も次のことを反省し考察してみる必要がある。
「天はなぜ自分をこの世に生み出したのか。
 身は天から授かったものなのだから、必ず天職というものがあるはずだ。
 だから、この天職を果たさなければ天罰を受けることになる」と。
ここまで反省し、深く考えてくると、漫然とこの世に生きているだけではダメだと思うはずだ。


【本文】第10条
人は須らく自らを省察すべし。「天何の故に我が身を生み出し、我をして果たして何の用にか供せしむる。我れ既に天の物なれば、必ず天の役あり。天の役共せずんば、天の咎必ず至らむ」。省察して此に到れば則ち我が身の賤しくも苟しくも生く可からざるを知らむ。



<解説>
人がこの世で生きるということは、「仕事」をもって社会と接し、生活を営むということである。「仕」も「事」も「つかえる」と読み、「天に仕える」ことを意味する。ゆえに自分に最も適した職業を「天職」という。福沢諭吉を「世の中でいちばん楽しく立派なことは一生を貫く仕事を持つことである」といっているように、天職を持ちえた人は幸福なひとだといえる。

では、その天命による「天職」とは何か。突き詰めれば、仕事を通して、自分だけ儲ければよいという私心を捨てて、世のため人のために尽くすことであろう。

『論語』は「命を知らざれば、以て君子たることなきなり」(いまだ何のために生まれたかを知らないものは、一角の人物にはなりえない)といっている。

・・・・・岬龍一郎編訳「現代語訳 言志四録―佐藤一斉」より。


<解説2>
天命を知るということは大変難しいことである。「自分が生きているのではない。生かされているのである」ということを悟ること、これがわかれば立派な人である。

加藤拙堂氏は古人の言として、「君子、一日生きれば、一日世に利あり」の語を引いている。また、吉田松陰は「一日世に在れば、一日為すありといった。

何のために生きるかということは「人さまのために尽くすためだ」ということの一語に尽きるだろう。

・・・・・川上正光「言志四録」(1)より。


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