【プログラム】
1 ハイドン: 弦楽四重奏曲 第67番 ニ長調 「ひばり」Op.64−5,Hob.�掘В僑�
2 ブラームス: 弦楽四重奏曲 第3番 変ロ長調 Op.67
〜〜〜休 憩〜〜〜
3 ドヴォルザーク: 弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 「アメリカ」Op.96
(アンコール)
ドイツ民謡: 「ローレライ」
ライプツィヒ弦楽四重奏団ト
コンラート・ムック(Vn)
ティルマン・ビューニング(Vn)
イーヴォ・バウアー(Vl)
マティアス・モースドルフ(Vc)
2016年5月7日(土),16:00〜,ふきのとうホール
1988年創設のライプツィヒ弦楽四重奏団。メンバーのうち3人はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者だった。2009年からはクラウディオ・アバドの招きで,ルツェルン祝祭管弦楽団のメンバーとなる。このカルテットは未知のカルテットだったが,1曲でも多くの弦楽四重奏曲を聴きたいと思い演奏会に出かけた。
艶やかな音色が美しい。どちらかというとパワーで押し切るタイプのカルテットで,骨太の演奏は大味になりがちだ。弦楽四重奏ならではの繊細さや緻密さが作り上げる精緻なアンサンブルを目指している訳ではなさそうだ。
ドヴォルザークの「アメリカ」が一番好かった。このカルテットの持ち味とこの作品の特徴との相性が抜群である。張りのある4本の弦の響きが,「アメリカ」の美しいメロディーを艶やかに奏でる。このアンサンブルの外向的で明朗なおおらかさも手伝って,ドヴォルザークのアメリカでの生活がきっかけで生まれたこの作品の性格にピッタリ。
ドヴォルザークの次に好かったのは,ブラームスの弦楽四重奏曲第3番。第2楽章のブラームスらしい旋律美が魅力の演奏といえる。だが,ブラームス独特の繊細さに欠けるうらみがある。この作曲家特有の内面に沈潜する側面も弱い。甘美なメロディー・ラインが他の声部の大きな音でかき消される。ブラームスの室内楽ならではの精妙なバランスが崩れることが多い。
失望したのがハイドンの「ひばり」。この作品の演奏でも「ひばり」の囀りを描写した主旋律が,バランスに欠ける他の声部に邪魔されるようにきこえてしまう。4声部の緻密な絡まり合いがひとかたまりになってきこえる。4本のパートが織り成す和声も,濁ってきこえる有様だ。どうした訳か,演奏は大味な方向に傾いてしまう。
これらの不満は,このホールの音響特性とも関係があるような気もする。とにかく響きの良いホールだ。そのうえ,選んだ席がステージに近過ぎたのも一因だろう。直接音が勢いよくぶつかってくるように感じる。響き過ぎるくらい良く響くホールであっても,そのホールに合せた弾き方をするのが演奏家の腕の見せ所なのに。
これからこのホールのチケットを買うときには,できるだけ後ろの席を選ぶことにしよう。
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